JAZZ徒然

生音


2003.6.7

ARI AMBROSE / UNITED

ARI AMBROSE:ts
JAY ANDERSON:b
JEFF WILLIAMS:ds
Dec.2000
SteepleChases
1.BLUE DANIEL
2.MY IDEAL
3.FOUR AND ONE
4.ONCE I LOVED
5.MR. DAY
6.HOW CAN YOU BELIEVE
7.STARCROSSED LOVERS
8.UNITED


 

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I

 

 このところ、ライブなんてとんと行かず書斎でCDばかり聴いているいる分際には、あの白熱したエネルギーが遠いものになってしまったが、久々に自分の持っている楽器をいじってみて、生音ってこうだったんだと気づく。ところが、ともするとこの生音に近い音がスピーカーから飛び出すことがあって、ほほーっと思うのだ。最近手にしたSteepleChaseの盤などはこの生音に近い音が出てくる。これも好きずきだろうが、ブルーノートのように中音域にレンジを集中させているある意味作られた音に慣れてしまうと、いかにも生っぽい感じがするものだが、僕は嫌いじゃない。
 さて、そのSteepleChase盤からARI AMBROSEなんて若手のものを聴いてみた。テナーの管から出る音がホントに生臭い。勿論ベースもドラムセットから発する音もである。居ながらにしてライブ感覚?そりゃ、ちと怠け者の云うことかな?
 ロリンズ・ライクなピアノレス・ワンホーンテナーとくれば、好きな人は触手が疼くだろう。まさにAMBROSEのこの盤はロリンズ、あるいは若い頃のベニー・ウォレスを思い浮かべてほくそ笑むものだ。JAY ANDERSON:b,JEFF WILLIAMSの強力なサポートを得て、ピアノレスの凄みをきかした荒削りの味わいが良い。選ぶ曲がどれもほほーと思うようなものばかり。ロソリーノ、モンク、カルロス・ジョビン、コルトレーン、ストレイホーン、ショーターにスティビー・ワンダーときてる。そういう選曲の良さに加えて、アドリブ・ソロの縦横さがテナー、ベース、ドラムのそれぞれで展開されて面白い。やっている本人が一番楽しいだろうなと思う。お互いの出具合に即応して応戦しあう面白さが伝わってくる。
 ロリンズやウォレスのピアノレスのワンホーン・テナーが好きなら堪らない一枚だ。
 まずは暢気な雰囲気のロソリーノの曲からだが、中段あたりから猛烈に吹き出すあたりは目眩を起こしそうだが、そりゃ吹いている方で聴いている僕が目眩を起こすこともないのだが。で、ANDRESONのベースもなかなかごつくて聴き応えがある。
 2曲目のバラードなんてこりゃウォレスばりの吹き方でいかしてるね。もっともウォレスのようなあの例のブハビヘブホというクリッッシュはつかわないけどね。
 まあ、こんな調子でドバドバくるから堪らない。



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