危うきに遊ぶ


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 ウーファという1917年から50年代まで存続したドイツ最大の映画会社が配給した映画の主題曲が即ちドイツにおけるスタンダード曲だとゲオルグ・ルビーは云う。聴くと、次から次へと映画の場面が想像させられるという具合で、通常僕たちが思っているスタンダード曲とは一風変わったものである。いかにもドイツ的と云えば良いのだろうか、滑らかなメロディというのではないゴツゴツした感じのする演奏だが、これが結構面白い。
 リリカルな冒頭からいきなり、ゴッツン、ゴッツンと機械的なパーカッションの入った2曲目に行くあたりで、これはただ者じゃないぞと知ることになる。
 サウンド・トラックとは違って間違いなくジャズの風体はしているのだが、組曲風で楽章ごとの演奏のようだ。
 このところ、ガッツプロダクションのものは、音が良くてそれだけでも嬉しい。ドラムやベースが生き生きとした音で再現されているので、聴き応えがある。だから、こういう変わり種でも、聴いて あ、失敗したとは思わないし、面白い上に要所要所でリリカルな演奏もあって、音楽的にも愉しめる。
 危ないと思うかも知れないが、「危うきに遊ぶ」という言葉もある。推薦盤とは言い難いが、陳腐なものよりは、こういうのを手にする遊び心も必要かと思うが。

GEORG RUBY / SEPIA DAYS WITH YOU

GEORG RUBY:p
DIETER MANDERSHELD:b
CHRISTIIAN THOMÉ:ds,perc
2002.8,6,7
JAZZ HAUS MUSIK(ガッツプロダクション)
1.君と過ごした素晴らしい日々
2.天使なんかじゃない女たち
3.何か望みを聞いてもらえるなら
4.大都会の二人
5.アッカイア
6.喜びに満ちた夜
7.浮かれる恋人
8.見上げれば空が・・・