もったり感


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 この「もったり感」が良い。アルバム冒頭のBLUES IN THE NIGHTである。何を今更こんなもの出してきたというかも知れないが、前回のビル・スチュアートのことを書いていて、久しぶりに聴き直してみてそう思ったのだ。「もったり」としか云いようがない感触。他のトラックを聴いてもこの感じは得られない。ここだけにしかない「もったり」である。
 細かいことを云えば、かえって興ざめしてしまうのだが、チャーラップが弾くピアノから発する光沢のある音色と少しルーズな感じのフレーズ。ジェイ・レオンハートの一音一音に含んでいるふくよかな重さ。そしてビル・スチュアートのブラシのシュ・トンという感じの撫でさすり方。この三つが重なって始めてできあがる「もったり感」。
 おいしいのである。この感じは他のと聴き比べるといっそうおいしく感じられる。
 あまり、続けて何度も聴かないようにしよう。勿体ない。勿体ない。

NEW YORK TRIO / BLUES IN THE NIGHT

BILL CHARLAP:p
JAY LEONHART:b
BILL STEWART:ds
June 7,8 2001
Venus
1.BLUES IN THE NIGHT
2.I COULD HAVE DANCED ALL NIGHT
3.BLUE SKIES
4.YOU BETTER GO NOW
5.MY FUNNY VALENTINE
6.TENDERLY
7.EMBLACEABLE YOU
8.DON'T EXPLAIN