クライ・ミー・ア・リバー


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 このところ「もったり系」が気に入っているから、ここで云えばWHAT'S NEWというところだが、違う。僕の大好きなBE MY LOVEも入っていて嬉しいことには違いないが、それでもない。
 2曲目に入っているCRY ME A RIVERなのだ。
余談かもしれないが、「川」をテーマにした曲というのは、意外や殆どないことをご存じだろうか。この曲にしても、川のことを歌ったのではない。SJ誌の『20世紀ジャズ名曲大辞典』にこんな風に書いている。
 「不誠実な男にさんざん泣かされてきた女がいる、と。女が男に愛想を尽かして別れようとすると、男は寂しいのだ辛いのだと言ってひきとめようとする、と。そして女は云う。『だったらあなたも川のように涙を流して泣いてよね。私だってあなたのために川のように涙をながしたんだから』と。だから、川といっても流す涙の形容なのだ。この悲痛さがじわっと伝わる為には、ジュリー・ロンドンの歌なんかじゃないという気がする。ここは超スローでやってこそ、この味が出る。幾分僕の気に入っている「もったり」も含蓄しているから更に良い。やっぱりここは、「ため」のあるブラシしかないだろう。
 ロシアのピアノトリオの本邦初CD。録音機器が満足なものがないというのが、逆に効を奏して重量感のある良い音がするのだ。気迫が分散されずに伝わってくる。なんといってもドラムがいちいち腹に応えて良い。バサッ、ドスンと厚みを感じさせる空気感が伝わる。決して煩くもなく適度な音圧で来る。
 話は戻るが、CRY ME A RIVERで良いと思ったのは、他にもある。
 バルネ・ウィランのNEWYORK ROMANCEの2曲目。それとアーチ・シェップのBLUE BALLADSのSide-Bの2曲目。これなども腹にこたえる。なんで、皆2曲目なんだ?

SERGEY MANOUKYAN /THE FEATHER

SERGEY MANOUKYAN:ds
VAIERIY GROHVSKY:p
ANTON REVNIOUK:b
Jan 6 2002
ガッツプロダクション
1.BLUE SKIES
2.CRY ME A RIVER
3.LET'S FALL IN LOVE
4.SPEAK LOW
5.TAMARINDO GIRL
6.WHAT'S NEW
7.WELLOW WEEP FOR ME
8.BESS,YOU IS MY WOMAN NOW
9.YOU AND I
10.BE MY LOVE