JAZZ徒然

蠱惑


2003.8

SAHIB SHIHAB and THE DANISH RADIO JAZZ GROUP

SAHIB SHIHAB;bs,fl
PALLE MIKKELBORG:tp.flh
TOROLF MOLGARD(tb,eunfonium
POUL HINDBERG:as,cl
BENT JADIG:tsfi
NIELS HUSUM:tsbcl
BENT NIELSEN:bs,cl
FRITZ von BULOW:g
BENT AXEN:p
NIELS HENNING ORSTED PEDERSEN:b
ALEX RIEL:ds
etc
1965.8.18,21
OKTAV(sawano)
1.DI-DA
2.DANCE OF THE FAKOWEES
3,NOT YET
4.TENTH LAMENT
5.MAI DING
6.HARVEY'S TUNE
7.NO TIME FOR CRIES
8.THE CROSSEYED CAT
9.LITTLE FRENCH GIRL


 

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I

 

 このアルバムのことを書こうとすると、少々恨みがましいことを思い出す。SHIHABのJAZZ PARTYというのをジャズ喫茶ジス・イズでたまたま聴いたことがあって、「これ良いですね」とマスターに思わず声をかけた。知り合いから貰ったもので、私も気に入っているとマスターは云う。ジャケットをためつすがめつ眺め、店を出ると早速探しに出かけた。釧路にはあるわけがないと思いつつも、あちこち覗いてみたがやっぱりない。そうなるとますます欲しくなる。当時のことで今はどうかしらないが、ネットで探しても大手のところでも扱ってない。諦めかけて、たまたまネットオークションを探したら、あったのだ。やった。これで僕のものだと。しかし、結果手に入らなかった。オークションの世界にも海千山千の強者がいるのだと始めて気づかされた。それは、オークション締め切りの数秒前のことだった。僕の思惑はあえなく頓挫したのだ。悔しいからもうこのことの子細には触れたくない。
 何がその盤で僕を惹きつけたのかと云えば、ALEX RIELの猛烈なドラム・ソロが入っていたこともそのひとつだった。もう随分と前のことで殆ど記憶といってもそれぐらいしかない。でも、大体の雰囲気としてこっちのデンマークのジャズグループとの演奏に似たものがあったようにも思う。しかし、こっちにはどこを探してもRIELのあのドラム・ソロは聴けないのだ。そこだけが悔しい。いや、JAZZ PARTYにお目に掛かることがあったとしたら、もっと何か幸せなことがあるには違いないのだが。
 デンマークのラジオ・ジャズ・オーケストラのクリニックに呼ばれたSHIHABが団員の一人となって演奏している。体感するというのが実感だ。圧倒的なペデルセンのベース音に乗って蠱惑的なイメージの演奏が団員によって奏でられる。勿論SHIHABもその一人で強烈なバリトンを吹く。
 次々と疾走するような圧倒的な音に幻惑されて聴き入っているうちに時が過ぎていくのだ。ソロイストとしてのSHIHABのバリトンやフルートは優れているが、他と遊離していないというのが彼のクリニックの成果だろう。

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