凛々しい


Copyright(c)
2001-2003
JAMAL.
All Rights Reserved


 骨格のしっかりとしたアルバムという印象がある。プロローグ的なチェンバースのアルコとテイラーのシンバルが印象的な出だしから始めるテーマ曲は陽気なハードバップであり、続くワルツ風のミディアムテンポの優雅な感じがあり、組曲の最後となるYOU'RE MINE YOUはモーガンのバラード演奏が主体となっているという具合であるが、街の灯というイメージがゴルソンのアレンジによって組み立てられ、フロントおよびリズムセクションの凛々しい演奏が、印象をしっかりとしたものとして焼き付ける。続く2曲にしても、そのインパクトは維持されている。
 ゴルソンの作編曲したモーガンのVOL..3はI REMEMBER CLIFFORDの演奏で有名だが、これなども組曲風と言えなくもない。やはり曰くありげなプロローグをもっており、ダークな雰囲気のものとなっている。続く2曲目が華やかなテーマでありながらもやはりダークさの印象がある。更に3曲目でI REMEMBERDのバラードが来ているという具合で、雰囲気の差を超えて、ゴルソンの意図が貫徹した組曲という言い方が出来ると思う。ピアニストがレイ・ブライアントとウィントン・ケリーという違いはあまり大きくない。只、あまりに美しい名曲を抱いていると言う点ではVOL.3の評価は幾分高いのかも知れない。
 いづれにせよ、この2枚を聴くだけでも、18歳でブルーノートにデビューした天才トランペッターの完成度の高さには驚かされる。この天才をアルバムの上で過不足なく踊らせたゴルソンの名アレンジもだが。
 1500番代で唯一参加したジョージ・コールマンのテナーとアルトが、妙に印象的なことも付け加えておこう。

LEE MORGAN / CITY LIGHTS

LEE MORGAN:tp
CURTIS FULLER:tb
GEORGE COLMAN:ts
RAY BRYANT:p
PAUL CHAMBERS:b
ART TAYLOR:ds
BENNY GOLSON:arr
1957.8.25
BLUE NOTE 1575
1.CITY LIGHTS
2.TEMPO DE WALTZ
3.YOU'RE MINE YOU
4.JUST BY MYSELF
5.KIN FOLKS