純正モルトの酔い


Copyright(c)
2001-2003
JAMAL.
All Rights Reserved


 キャノンボール・アッダレーの粘っこいアルトが聴きたい。動機はこれしかない。弟ナットとの双頭コンビでのライブである。ブルーノート盤のSOMETHIN' ELSEのような粘りに凄みが増して、ファンクなノリで全曲をぶっ飛ばす。狂喜乱舞の一幕である。アッダレーのDJばりのアナウンスによって観衆を浮き足だたせて、おもむろに出てくるタイトル曲MERCY,MERCY,MERCY。ザヴィヌルのエレピが素晴らしいノリで、ナットとアッダレーが後追う。思ったより短く終わってしまう感じだが、演奏としては一番洗練されて落ち着きがある。その後のSTICKSの凄まじさにやや唖然とする。
 これもテーマは洗練された感じのHOPPOODELPHIAでも、アッダレーのアルトは相変わらず疾風のようでありカルテットは怒濤と化す。興奮に朦朧とするかんじ。
 最後の最後まで興奮の坩堝にはまってしまい、頭がスパークして冷静さを欠く塩梅だが、同じこの双頭コンビでこれもライブだがRIVERSIDE盤のIN SAN FRANCISCOはブルーノート盤寄りのアルトを聴かせやや本盤よりは冷静でシックな感じだ。アルコール度数で言うとこっちのキャピトル盤は純正モルトいう具合で、しっかり酔わせる。はち切れたい時には打ってつけというところか。

CANNONBALL ADDERLEY / MERCY,MERCY,MERCY !

CHANNONBALL ADDERLEY:as
NAT ADDERLEY:tp
JOE ZAWINUL:p
VICTOR GASKIN:b
ROY McCURDY:ds
July 1966
Capitol
1.INTRODUCTION-FUN
2.GAMES
3.MERCY,MERCY,MERCY
4.STICKS
5.HOPPOODELPHIA
6.SACK O' WOE