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CURTIS FULLER / SOUTH AMERICAN COOKIN'

CURTIS FULLER:tb
ZOOT SIMS:ts
TOMMY FLANAGAN:p
JIMMY MERRITT:b
DAVE BAILLEY:ds
1961
EPIC

1.HELLO YOUNG LOVERS
2.BESAME MUCHO
3.WILLOW WEEP FOR ME
4.ONE NOTE SAMBA
5.WEE DOT
6.AUTUMN LEAVES

  

「王様と私」の主題歌、HELLO YOUNG LOVERSから始まるカーティス・フラー、ズート・シムズ、トミー・フラナガンという味のあるメンバーによる名盤。
これは”いいやつ”になりそうである。

 「王様と私」は1860年代のバンコク。夫に先立たれたイギリス人女性アンナは、息子と共に封建的なシャムの国にやってくる。
王室の子供たちの家庭教師に雇われたアンナは王室に文明の息吹を吹き込もうとするが、しきたりを重んじる頑固なシャムの王様と対立してしまう。二人は衝突を重ねながらも交流を深めてゆき、やがては愛し合うようになるというものである。
 
 主演はユル・ブリンナーの王様とデボラ・カーのアンナ役。
 実はこっちの方は僕は見ていない。後にジョディ・フォスターとチョウ・ユンファンで映画化された「アンナと王様」の方を観た。確かにSHALL WE DANCEは使われていたが、HELLO YOUNG LOVERSを聴いた記憶がない。僕は勝ち気なフォスターより男優のユンファンに惚れた。
 そっちの毛はない筈だが、男が男に惚れることもあろう。いい男なのだ。アジア人てこんなに美しかったのかと思った。欧米人にコンプレックスを抱く気持ちが払拭され、アジア人万歳と思った。

 フラーと云えば、BLUES ETTEが頭に浮かぶが、これも逃せない愛聴く盤となりそうだ。BESAME MUCHOの半ばより登場するズートにハッと息を呑む。フラーのトロンボーンをメインとする音に鋭く突き刺さってくるズートのテナー。これぞ”いいやつ”のエッセンスである。ズートのテナーはちょっと顔出しては引っ込むだけなのに、その度にハッとする。
 WEE DOTでは、彼のテナーが炸裂する。軽快にスウィングするグッド・トラックだ。

 この盤の聴き所のひとつに、トミー・フラナガンのピアノがある。モダン・ジャズ・ピアニストの良い味の要件である滋味と可憐と粋と覇気を持ち合わせている。

 しかし、意外とディブ・ベイリーの緩急のドラミングやシンバリングがこの盤の味だったりもする
ような気がする。ON NOTE SAMBAのベイリー、次のWEE DOTのベイリー。バッキングが素晴らしい。

締めがAUTUMN LEAVESと来てるところが、嬉しい。
 ズートが哀愁籠めて吹き、フラーと重なり良い味を出している。「ずーッと」聴いていたい。

 フラーは、最近ジョー・ファンズウォースのアルバムで健在なところをみせてくれた。

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