漢方と柑橘系ビタミンの取り合わせ
 
 先日来風邪の症状があって、いつもの調子でない。
 熱はさほど高くはないけれど、怠さを感じている。熱が高いといつもの調子でないのは当たり前だが、平常はどんな調子だったかを忘れてしまう。
 鼻がつまり加減で喉の奥がネバネバするとか、体の節々が痛いとか、瞼が重いとか、調子の悪さはわかるが、健康な時がどんな風だか思い出せない。
 で、これでもとに戻れば、ああ、こうだったのかと気付くわけだ。

 

BLUE MITCHELL
BLUE'S MOODS

BLUE MITCHELL-tp
WYNTONKELLY-p
SAM JONES-b
ROY BROOKS-ds
1960.8.24
RIVERSIDE
1.I CLOSE MY EYES 2.AVARAS 3.SCRAPPLE FROM THE APPLE 4.KINDA VAGUE 5.SIR JOHN 6.WHEN I FALL IN LOVE 7.SWEET PUMPKIN 8.I WISH I KNEW

 

WES MONTGOMERY/FULL HOUSE
WES + MILT JACKSON/BAGS MEETS WES !

I

 未だ余震の続く新潟の被災者は随分と不自由だろうし、崩れた家屋の復旧とか先のことを考えると呆然となっていることだろうと思う。
 電気も水道もガスも止まってしまい、避難生活をしているといつもの我が家でいつもの柔らかい布団で安みたいことだろう。

 そんなことを思いながらも、平素の調子じゃない体をやすめることが出来る使い慣れたベッドがあるのを有り難く思う。

 1〜2時間寝ては、床から這い出て一服しつつ何か聴こうとするのだが、いつもの調子が出ないのでお手柔らかにという感じで選ぶ。
 はて、何にしようか。

 こういう時には、安心して聴けるものと思って、最近よく聴くB.ミッチェルのBLUE'S MOODを横になりながら聴く。

 快演とはこのことだろう。RIVERSIDEきってのリズム・セクションに乗って朗々と奏でるミッチェルのトランペット。
 あまりに心地よくて、途中からウトウトした。風邪薬が効いてきたのだろうが、リズム・セクションの安定した波動が僕の脈を沈静化してきたからだ。
 
 これは胃に優しい漢方と柑橘系ビタミンの取り合わせか?などとわけのわからないことをボンヤリ考えている。
 どっちが漢方で柑橘系ビタミンかは定かではないが・・・。

 W.ケリーがサイドマンとして弾いていると、それだけでも安定剤になる。うつらうつらしながらも、彼のソロの流れを追っている。S.ジョーンズの弾力のあるベース音も良く響いている。

 W.ケリーとS.ジョーンズという取り合わせは、RIVERSIDEに良くある。卑近な例では、W.モンゴメリーのFULL HOUSEとかこれもモンゴメリーだが、M.ジャクソンとのBAGS MEET WES !など。
 どちらも活きの良いリズム・セクションを愉しむアルバムだ。
R.ブルックスとB.ミッチェルと言えば、H.シルバーのクインテットでお馴染み。

 ということで、ミッチェルにとっては気心の知れた安心出来るサイドマンとの共演なわけで、自然と聴く方も馴染んで聴ける。

 普段と調子が違う時に聴いたが、そう言うときにもこれは名盤だと虚ろな頭で思った。


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