DON FRIEDMAN / TIMELESS
DON FRIEDMAN-p
JOHN PATITUCCI-b
OMAR HAKIM-ds
Oct 14 2003
EIGHTY EIGHT
1.ALONE TOGETHER 2.STAR EYES 3.BODY AND SOUL 4.EMILY 5.TURN OUT THE STAR 6.WHAT IS THIS CALLED LOVE? 7.BOUNCING WITH BUD 8.'ROUND MIDNIGHT
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 ”コピペ”とか”カキコ”なんてのが僕はどうも苦手というか好きになれないのだが、じゃあ、”ハキム”はどうか。うん、これはイイ・・・なんて冗談を密かに先週あたり考えていた。くだらなすぎ!

 それはともかく、こういう出逢い方は面白過ぎる。何せ率いられている方が割と知っていて、主役が全くの初めてだということもあるし、取り合わせが異色だからだ。B.エヴァンス系のピアニストであると言うほかは見事に何も聴いたことがなかったD.フリードマンという僕にとっては未詳であるピアニストに、最近出番の多い才能溢れるベイシストJ.パティツッチにM.ディヴィスのバンドやフュージョン系のアルバムで活躍していたO.ハキムというビート感の違う世界にいたドラマーが組んで初対面というのだから、大方想像はついたがそれでもやっぱりどう向き合おうかと内心あれこれ思い廻らしていた。
 
 お持て成しで肝心なのは、音量を上げ気味にしてJ.パティツッチのベースとS.ハキムの荒くれるドラムが思う存分暴れてくれるように聴くこと・・・かな。さあ、どうぞアバレて下さいと。それでこのVIPなトリオの特徴である凹凸が更に鮮明になると踏んだ。果たせるかな一種衝撃的とも言える重量級のベースと腹にこたえるドラムが浮き彫りになってグッと出てきてハッとする程だが、それに力強く又は繊細なD.フリードマンのタッチが上手くはまる。

 このアルバムではEMILYとTURN OUT THE STARがエヴァンスで馴染みの曲で、彼のタッチもそのことを強調したものとなっている。そこらが前半3曲の趣と異なっているが、単純な感想を言えばバップ的なSTAR EYESを中心にこっちの方が気に入っているというか、三人ならではの醍醐味を聴くにはその方をメインと考えていた。
 でも、そう思っていた時に、最近3枚ほど聴いたH.オブライエンを聴いたのと、久しぶりにエヴァンスのものを聴く機会があって、オブライエンに比してエヴァンスのタイム感覚の優位さを実感した。どちらかと言えばベタっとした弾き方のオブライエンに比べ、エヴァンスのシンコペーションの取り方を流石と思った。
 それがそのままフリードマンにも言えて、なるほどそこに注目するとこのEMILYなども結構聴き甲斐のあるものだな見直したのだ。
 だから、パティツッチのベースもさることながら、異色のハキムを堪能するにはエヴァンス・タッチなそれらも決して見逃しに出来ない。

 ハキムのドラムは強力でありながら、意外や微にいり細を穿って神経の細かく行き届いたドラミングを展開する。これはお見それしたというところだ。細かなシンバリングをしていたかと思えば、ここぞと言うときにバシッと打擲が入り、リズムを駆使したドラミングが怒濤のように押し寄せる。これは凄い。

 バップな演奏では、BOUCING WITH BADもそうだが、こういうバリバリのバップをストレートに演奏出来るのもフリードマンなんだなと理解した。

 これは暫く僕の愛聴棚(そんなものあったなんて僕も初めて知ったが)に収まっていることだろう。
 

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