EE MORGAN / INTRODUCING

TONI SOLA / NATURAL SOUNDS
TONI SOLA-ts,ss
XAVIER MONGE-p
LGNASI GONZALEZ-b
PAUL BOMBARDO-ds
May 4,5 2003
SWING ALLEY

1AMY 2.MANGOES 3.SAFARI BLUES 4.UN INSTANT DE MAGIA 5.FUNK TO GROVER 6.NICTALOPS 7.ALL THE GIN IS GONE 8.COME SUNDAY 9.GER-RU 10.BRIGHT MOMENTS 11.SONG FOR STANLEY TURRENTINE
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 今時珍しい音を発するテナーマンだ。スウィング・ジャズ系の粘り着くテナーである。
J.アモンズとかB.ウエブスター、C.ホーキンスあたりが思い浮かべられる。テナーらしいテナー正統派というところだろう。音の密度、息づかい、ビブラートした後漏れるファファファ・・・というところ。ダンディな男臭さを醸す。

 いまなぜトニ・ソラなのか・・・。彼のテナーを聴くとまるでオールド・ファッションに身を包んで、現代的街並みを闊歩するような具合だなと思う。そこんとこは、例えばB.ウォレスにも通じる。
 スムージングの効きすぎたテナーが持て囃されている昨今、こういうセンスの持ち主が現れてくれたことは、嬉しい。
 キャピキャピしたファッショの群れに、思い切ってオールドな出で立ちで立ち現れることが、かえって新鮮であるのと同様で、大変好感を持った。
 似合いもしないブランドものをちらつかせているようなナンセンスな聴き方はしない方が良い・・・なんてお節介かも知れないが。
 自分にあったものを着て歩くことこそお洒落だと僕は思っている。ジャズのどんなものを聴くかというのは、人それぞれで良いのであるけれど、それもセンスの問題でつまりは自分らしくあるということに尽きるだろう。

 
 陽気さの中にユーモアを含んでいるところと、勿体ぶらずに目一杯吹く火の出るようなチリ・ペッパーか唐辛子食べた後の舌の火傷を思わせるところ・・・。D.マレイみたいな。

 中には流石に現代的センスも持ちあわせているのを感じるSAFARI BLUES。E.アレクサンダーばりのマッチョな感じ。気持ちが高揚してブローするのとドラムとの錯綜。
 D.ゴードンも入っているUN INSTANT DE MAGIAなんて感じで、まるで男っぽいテナーのデパートみたいだ。

 ラテンなNICTALOPSで耳が立つ。後半の火の出るような情熱的なテナーの雄叫びが真夏の暑さのさなかを思わせる。逆に涼やかなソプラノを聴かせるCOME SUNDAY。

 一度はまると癖になりそうなテナー・マンだ。ボス・テナーという雰囲気のソウルフルなSONG FOR STANLEY TURRENTINEが凄い。

 リズム・セクションはいずれも知らないが、タッチのしかりしたピアノ、躍動するベース、いい音を出している。
 
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