SEE WHAT I MEAN ? /DICK MORGAN

DICK MORGAN-p KETER BEETS-b BERTELL KNOX-ds
Oct 三1 1960
RIVERSIDE

 

SIDE 1
1.ROCKS IN MY BED 2.LOVE FOR SALE 3..I'VE GROWN ACCUSTOMED TO YOUR FACE 4.WHEN LIGHTS ARE LOW
SIDE 2
1.SEE WHAT I MEAN ? 2.LIL' DARLING 3..HOME 4.MEDITATION

  三流名盤を救え!

 僕が通っているオーディオ工房で、先だって「電車男」ならぬ「電柱男」を発見した。
 先回書いたT氏のことである。電源男ということでは知っていたが、自分の家専属の電柱を押っ立てたのである。(いつの記事だか確かめなかったので、ひょっとしてだいぶ前の事かも知れない)電源専門雑誌(そんなものがあること自体が吃驚なのだが)そのトップ記事にT氏の例の威張った調子の文が載っていた。さらっと読んだだけだが、ともかく呆れる。呆れたがこういう威張り方は愛嬌があって良い。世の中威張りたがる奴ばかりだと最近つくづく思うのだが、民主主義(?)国家ならではの猿芝居に思えてならない。正義正論、モラルを説かれて僕はちっちゃくなるばかりだ。

 それはともかく、オーディオ工房の店主曰くもオーディオの究極は電源だと。まあ、ケーブル一個変えただけでも音が違うのだからあり得る話だ。とはいえ電源を弄るというところまでは僕にはまだ年期が入ってないので、そのうちというところだ。まして専属電柱など立てるなどよっぽど気が変になってからだと思っている。

 
このところ管ばかり聴いてきた反動で再びピアノトリオが恋しくなった・・・せいかどうかは判らぬが、良いものが手に入った。
 ディック・モーガン。80年代の「ジャズ批評」でお目にかかったジャケットで憶えていたのだが、届いてみて掛け値なしに気に入ってしまった。
 ライナーを読めば世に出したリーダーアルバムはたったの三枚。そういう類でそのうちの1枚を聴いてみて吃驚させられたり惚れ惚れすることは良くある。
 言わば隠れた逸材に触れて頬を緩めるのが至福なのだ。
 世にごまんと星の数もあるあるジャズアルバムのなかでひっそり隠れていた宝に気付いて報告する義務が長年ジャズを聴いてきた者にはある筈だ。
こういうネットでも良いし、口コミでも良い。黙って独り占めしているのは犯罪だ。いやまずはブツが出てなきゃ始まらないのだからそういう業界の責務でもある。流通の民主主義である。音の善し悪しはさておき1500円の安物CDでも良い。(サヒブ・シハブのSAHIB JAZZ PARTYを早く再販してくれ!)
 
 まずは音に吃驚した。
 ベース音にである。モーガンもさることながら、このベイシストの名などまるで知らない。しかしピアニストが三流でもベースがどっしりしてると格が上がる。無骨ながらジャズ魂を感じる。
 モーガン自身はオスカー・ピーターソンやレッド・ガーランド等のオーソドックスな面構えで来てる。何の変哲もないが三流には三流のジャズ魂がある。細かい詮議をせず掛け値なしというのはそういうことである。そこに惚れなきゃ聴けない代物だ。
 I'VE GROWN ACCUSTOMED TO YOUR FACEなどは、出だしガーランドで半ば辺りはピーターソンやら何やらがいったり来たりしてゆらいでいる。サイドマンもそこらの臭いを嗅ぎ分けてあわせてくる。なかなかである。
 
 もし中古レコード屋で埃を被って潜んでいたら是非救出してやって欲しい1枚である。
   


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