オリジナル盤の威力

AT THE LIGHTHOUSE
CANNOBALL ADDERLEY
RIVERSIDE


CANNONBALL ADDERLEY-as NAT ADDERLEY-cr VICTOR FELDMAN-p SAM JONES-b LOUIS HAYES-ds
Oct 16 1960

SIDE 1
1.SACK O' WOE 2.BIG "P" 3.BLUE DANIEL
SIDE 2
1.AZULE SCRAPE 2.EXDUS 3.WHAT IS THIS THING CALLED LOVE

 続けて読める雑誌というのがなかなかない。
 たまたま書店で目にした号が興味を惹いた特集を組んでいたので買ったが、次号になると興味のないものになっていたりする。そいうことが続くとこれは良いと思った雑誌を見かけても素通りしてしまう結果となって、後が続かない。
 今までジャズ関連のもの、アウトドア、所謂モノ関係、書籍、文芸等々色々試してみたが、今以て続いているものがない。
 毎月楽しみに待っているものがないとやっぱり寂しい気がするなと思っていたが、最近オーディオ関係の雑誌も立ち読みするようになった。そうすると意外にジャズ関係者が一筆書いていたりするのに気がついて、益々興味が湧いてきた。そのなかでアナログオーディオ雑誌が季刊で出ているのをみつけた。
 構成が良くて、レコード、アナログレコード再生機、管球アンプ、ヴィンテージオーディオ、更にはクラシックカメラまで扱っている。全く僕向きに出来ているので嬉しくなった。季刊というのもまた良い。毎月出されるとこれで結構な出費となる。それが、年4回だから次号が待ち遠しいが、小遣いにはあまり響かないで済む。今季のには、最近音沙汰無かったT氏が2編も書いていた。なんだこんなところに書いていたのかという感じであったが、扱っている相手が「趣味の極道」というサイトで以前から知っていた人でもあった。ブルーノートのオリジナル盤コンプリートコレクションの持ち主でもある。オリジナル盤でというのが半端でない。
 
 今回取り上げる盤が僕の持っている数少ないオリジナル盤のひとつなのだが、最近入手してその質感に目から鱗が剥がれる思いだった。やっぱりオリジナル盤にはかなわない。貧しい再生機器でも違いが歴然としている。オリジナル盤だから良いというものでもないらしく、たまたまプレスの良いのにあたったのかも知れない。レコード盤に刻まれたプレス番号の若い方が良いと言うことだが、これから少々こういうことも勉強しなくてはならないなと思っている。

 それはともかく、アダレイ兄弟の双頭コンボによるライブ盤はいくつもある。ファンキーなパフォーマンスで愉しませるものばかりだが、それをオリジナル盤の質感を味わいながら聴くというのがこの上ない感慨に浸らせてくれる。
 露出度の高いC.アダレイの下品さが、ただの下品でなく上質のものに聞こえるから面白い。これこそオリジナル盤の威力だろう。本物感覚だ。ナットととのアンサンブルの響きが心地よく鳴る。V.フェルドマンのピアノの厚みを含んだ打鍵の響き、サム・ジョーンズのベースアタックの生々しさ、ルイス・ヘイスのスティックの動きが手に取るようにわかる。それらがバランス良く録音されている。
 ジャズ喫茶の老舗で聴く感じを吾がものにしたような気になれるのだ。
 

 


 

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