THE CONTEMPORARY JAZZ CLSSICS OF THE PAUL MOER TRIO

PAUL MOER-p FRANK BUTLER-ds JIMMY BOND-b
1961
DEL-FI

 

SIDE 1
1.AZURE BLUES .I LOVE PARIS 3.CUITE 4.SHORT POLITICIAN 5.TO A FOLK SONG
SIDE 2
1.MOER OR LES 2.MARY ANN 3.WE'LL BE TOGETHER AGAIN 4.OUR WALTZ 5.UNTITLED MELODY
THE WAY IT WAS /RT PEPPER
FIRST TIME OUT / CLARE FISCHER

  聴かずに死んではいけない

 秋も深まって雪の便りもチラホラという時期になった。
 最近ネットオークションで自分の手持ちのものを売るということをしている。そうすると殆ど聴かずにしまい込んでしまっているものが売るというターゲットになるのだが、いざ売れてしまうとしまったと思うものも結構あるわけで、売るか売らないかの天秤にかけてみると、その品の価値があらためてわかるんだなということに気付いた。
 オークションに出品していながら、「売れるな」と願うものもあって落札させずに終了したことを喜ぶなんて変なことも起きる。大袈裟かもしれないが身を切る思いで手放してしまったものが相手側で幸せな扱いを受けることを願ってしまう。やっぱり売るより買う方が気が楽だなと思うこの頃である。

 さてポール・モアの本盤だが、これまた隠れた名盤のひとつだなと思うのだが、先回のディック・モーガン同様世に出ているアルバムは数えるしかない。
 しかしこれは聴かずに死んではいけないアルバムのうちの一枚だと推薦したいものだ。
 冒頭を飾るスローテンポのブルースでガバッと聴く側の気持ちを掴まれる。ベースのジミー・ボンドはCONTEMPORARY盤のアート・ペッパーのTHE WAY IT WASというアルバムのAUTUMN LEAVESの名演で偶然にもフランク・バトラーと共にぐっとくる重量感のあるリズムセクションを演じている。その印象が強くて本盤を聴くと「おーっ」という感じになる。
 色彩は多様でグルーブさリリカルさ等一曲ごとに味の濃厚さはえも言えず、聴く度に愛着が深まる。
 渋いリリカルさの点ではクレア・フィッシャーのPACIFIC JAZZ盤FIRST TIME OUTなどが同様なものとして浮かぶ。こっちはベースにゲイリー・ピーコックがいてスコット・ラファロ張りの演奏をしているところも聴き所だ。

   


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