喩えて、「夜行列車」
 
HORACE PARLAN /WE THREE 

HORACE PARLAN /WE THREE
HORACE PARLAN-p
MADS VINDING-b
ED THIGPEN-ds
Jun 18,19 1997
M&I
1.US THREE 2.SUMMERTIME 3.BROKEN PROMISES 4.SOLAR 5.WILD IS THE WIND 6.BAGS GROOVE 7.FRAN DANCE 8.LITTLE ESTHER 9.BILLY'S BOSSA 10.HAVE YOU MET MISS JONES ? 11.BLUES FOR H.P

 

CÆCILIE NORBY
BLUE NOTE
PAT MARTINO / THE VISIT !
MUSE
HORACE PARLAN / US THREE
BLUE NOTE

2001-2005 (C)Cafe JAMALi, All right reserved.

 

 
 最近、車の運転中にCDをかけたりしなくなったのだが、それでも時々何かかけたくなった時に良く聴いていたのが、セシリア・ノービーのアルバムだった。このアルバム、彼女の歌が好きで聴いていたからに違いはないのだが、伴奏がニルス・L.ドーキーのトリオとラーシュ・ヤンソンのトリオ他であることも気に入っていた。
 それは兎も角、H.パーランのWE THREEの中にノービーが冒頭歌っている曲があって、それが
WILD IS THE WINDである。
 曲はN.ワシントンで調べると実に多くのミュージシャンが取り上げていて、ジャンルもジャズと限らずD.ボーイなども何度も吹き込んでいるようだが、パーランのこの演奏を聴いて聞き覚えがあって、それが直ぐにノービーのものだったことがわかった程耳に残っていた。
 伸びのあるノービーの声で、哀感このうえない曲を歌い上げるグッド・トラックであった。
 それをパーランが重厚に弾くのである。M.ヴィンディングのベースが被さると更に厚みが増す。いいなぁと陶酔するのだが、曲調が全てを牽引しているわけで、よっぽどのへそ曲がりでない限り曲を崩したりはしないと思われる良い曲だ。
 そういうものに、”これからの人生”WHAT ARE YOU DOING THE REST OF YOUR LIFEがある。
 昨日たまたま観たDVD「サハラに舞う羽」で、この"...REST OF YOUR LIFE"という台詞が出てきて、和訳が「余計なことを心配しないで・・・」だったと思うが、「残りの人生どうする」という意味より意訳するそうなるのだな、なるほどそうかとふと思った。
 で、このWHAT ARE YOU・・・だが、これも色んな人が残しているが、これも滅多に崩されることなく原曲を生かして演奏されている。
 最初にこれを聴いたのが、ギターのパット・マルチーノのTHE VISIT !で、その後はB.ウィランだったろうか。
 軽快なタイトル曲のあとでぐっと沈み込むこの曲が来る。R.ディヴィスのベースが印象的なアルバムだった。
 嗚咽したくなるような哀しみが自然と沸き上がって来る。B.ローズというギタリストがセカンドで弾いていて、2ギターとベースの重なりが震える程胸に迫る。僕には未だにこれがこの曲のベストに思えている。
 このアルバム、サブタイトルがウエス・モンゴメリーにインスパイアーされて・・・とあって、パットもオクターブ奏法で次の曲をやったりしている良い盤だ。
 
 さて、パーランに戻ろう。
パーランを喩えると「夜行列車」。猛進していても、哀愁がある・・・.。

 ここのところ新譜で余り良い物に恵まれなかったというのが正直なところだったが、これぞ的中という1枚。(録音自体は'97年であるが。)
 野狐禅!・・・二十数えてから物を言え、と言われても、これを聴いたら黙って何かいられない。パーランのUS THREEの元盤では、A.ヘアウッドがドラマーだったけど、その役所をしっかりシグペンが演じているし、M.ヴィンデングのベースがスゴ!・・・なんて軽薄な言い方だが、生唾でてくる程だ。

 次のSUMMERTIME等は、ヴィンディングのアルコを活かした演奏になっているのだが、これを聴くとケニー・ドリューが80年代に出した日本盤を思い出して少し嫌なのだが、概ねパーランの良いところが出た好盤だと思う。

 BROKEN' PROMISEやLITTLE ESTHER等は70年代のSTEEPLECHASE盤でも残っている彼のオリジナル。
 他マイルス・ディヴィスのSOLAR,FRAN DANCE等も含まれている。
 
 

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