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PERRINE MANSUY/LA NUIT
PERRINE MANSUY:p
JACQUES BERNARD:b
JEAN-SEBASTIEN SIMONOVIEZ:ds
May 30,31 1997
澤野工房
1TACHA
2.OLD DEVIL MOON
3.LA NUIT
4.ILLUSION
5.FOLK SONG
6.ALONE TOGETHOER
7.LE PETIT PRINCE
8.FUNKALLERO
9.CONTER POUR ENFANTS
10.DOM
11.SOLO
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昨日家族でドライブに出ると、道路脇の坂に蕗のとうが芽をだしているのをみつけ、家内や子供たちが嬉しそうにはしゃいでいるのを聞きながら運転を続け、この「春」の語源を思い出していた。
命が張るから「春」か。冬はその間に命を雪の下の見えないところで「殖やして」いるというわけだ。
実は今、僕のなかの気力が落ちている。命芽吹く春だというのに。
読書をしたり音楽を聴くことには出来るのだが、書けない。書こうとすると気持ちが軋み出す。以前にも経験していることだからそれが「鬱」だということはわかっている。どうしようもない。薬を飲み、体を休めてぼーっとしている以外にどうしようもない。以前の調子を戻すまでには、時間がかかるだろう。
そんなわけだから、カプチーノを作って気持ちを和らげ、少しウォーミングアップして、気持ちを騙し騙し、ぼちぼち書いているというところである。
調子の悪い時でも、音楽だけは聴けるのは幸いだ。
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引っ張り出して何度か聴いていたのが、ペリーヌ・マンスゥイのトリオアルバム、LA
NUIT。
ヨーロッパの古い伝承を口伝えに聞かせて貰っているような気分だ。
厳しい冬が終わり、雪解け時期の河原に覆い被さった氷が透明な滴を垂らしている自然の静かな物音を思わせるTACHAや命芽吹く春の到来を思わせる「張った」気分のOLD
DEVIL MOON。ドラムの音がケルト音楽に使う打楽器の響きにも似て聞こえる。
このトリオ、女流ピアニストペリーヌ・マンスゥイのセンシティブなタッチとバタバタと聞こえる程大雑把なドラミングを聴かせるSIMONOVIEZと重心の低い響きを聴かせるBERNARDの絡み具合が物語を読むような落ち着きのなかにも、心騒ぐイマジネーションの迸りを感じさせる。
またALONE TOGETHERやFUNKALLEROのようなスタンダードや準スタンダードなものの響きにも特有のアレンジが施され、ヨーロッパの古い民謡を聴くような気分さえする。
編み込みのセーターの温もりを感じさせるトリオの音に包まれて、気分も幾分癒されてきた気がする。
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