『誰も気づかなかった刹那(仮題)』
人気の無いリビング。
誰も居ない筈なのだが、テレビが、灯いていた。
部屋の主が、消し忘れでも、したのだろうか・・
暗くなり始めた部屋に、テレビの光が、不気味に広がる・・
誰も居ない部屋に、テレビの音が、怪しく響く・・・
・・〜ぷんぷん島が〜ありまして〜ぷんぷん仲間がいるんです〜・・・・・
着ぐるみを、着た者達が、ダンスを始める。
それぞれ、ネコ、ペンギン、ネズミを、模している様だ。
それぞれが、泣く、笑う、怒る、芝居を始めた。
そして、芝居も終わり、次のコーナーに移った。
何が嬉しいのか、素っ裸の子供達が、笑顔で、出てきて、パジャマに着替えるコーナーだ。
何故か、大人でも、稀に、喜んで見る者もいるが・・
さて、ここで、少し、世間話をしよう。
実は、今日の芝居は、何処か、ぎこちなかった。
ネコが、ピーマンを怖がった。
ネズミが跳んで、ネコとペンギンが倒れた。
最初に、ネコが出て来るシーンで、ペンギンが出てきた。
何故か、
ネコが、ネズミを、
ネズミが、ペンギンを、
ペンギンが、ネコを、
演じていた。
日常に溶け込んだ異常。
誰も気づかなかった刹那。