登場人物

 艦長♂:58歳・オーストラリア系地球人。沈着冷静な艦長。地球に妻子あり

 艦長♀:(変身後)11歳・金髪のアンティークドールのような綺麗な女の子

副長♂:40歳・中国系地球人。艦長の元・教え子。艦長を尊敬・慕っている。独身。

副長♀:(変身後)22歳・色白で、切れ長の目をした楊貴妃も真っ青という中国美人。

乗員♂:37歳・サンプル保管室主任。責任感が強い

乗員♀:(変身後)16歳・まじめだが、まだ遊びたい年頃

華代♀:(推定)12歳?

 

 

華 代「はじめまして。わたし、真城華代と申しますあなたの悩み、教えてください。すぐに解決して差し上げます

    さて、今宵は、どんな悩みでしょう?」

(テーマソング)

(仮題・探査船ポチョムキンの波乱)

 

(宇宙探査船ポチョムキン艦長室)

艦 長「個人航海日誌 宇宙暦521224日19:23記録

    3年に及ぶ宇宙探査も、あと、2週間で終わる。いろんなことがあったが、死亡者もなく、この航海を無事、終えられることを祈る」

(ピンポン)

艦 長「誰かね?入りたまえ」

副 長「失礼します」

艦 長「やあ、副長。どうかしたかね」

副 長「いえ、今日は、イブなので、艦長と祝おうと思いまして」

艦 長「おおそうだったなぁ。じゃあ、ひとつ、取って置きの酒でも出すか。といいたいところだが、この間飲んでしまったからなぁ」

副 長「そうおっしゃるだろうと思いまして、持ってまいりました。わたくしの国の酒でありますが・・・」

艦 長「副長の国の酒というと、老酒かね。いいねえ」

副 長「はい。機関長が、つまみを持ってくるといっていましたよ。」

艦 長「そうか。それは楽しみだなぁ」

副 長「艦長。この航海が終わられたら、地上勤務ですか」

艦 長「ああ、もう年だし、後任に道を譲る時だ。副長との付き合いも長いなぁ」

副 長「はい、家族以上の長さですから。初配属が、艦長の下でしたから」

艦 長「そうか。もう何年になるかなぁ」

副 長「はい、もう18年ほどになります」

艦 長「紅顔の美少年も今では・・・か。はははは・・・」

副 長「ダンディな上官も、ですよ」

艦 長「こいつ、言わせておけば。はははは・・・」

副 長「ははははは・・・・」

(笑いあう二人。突然アラームが鳴る)

艦 長「どうしたんだ」

(インターコムのスイッチを入れるの音)

副 長「こちら、副長のチャンだが、いったいどうしたんだ」

乗 員「(くぐもった声・興奮している)あ、副長ですか。こちら第3保管室。保管中のサンプルNO.3256が、保護シールドより流失。換気口より、船内へ流失の危険があります」

副 長「(怪訝そうな声で)サンプルNO.3256?まさか、あのトメラリア星で、サンプリングした。あのサンプルか」

乗 員「そうです。保護シールドは、再シールド終了。流失したサンプルを駆除中。シールドが破れた原因は不明。以上」

(インターコムのスイッチを切る音)

副 長「大変です。あのサンプルが、艦内に流れ出たとすると・・・」

艦 長「大惨事だな。あれは、人の身体に入ると、闘争本能を刺激する特性があったからな」

副 長「はい、あれは微生物でしたが、オス・メスがあり、メスだと、人を愛に目覚めさせる特性がありましたからね」

艦 長「どっちにしても、やっかいだなぁ」

副 長「はい」

ふたり「う〜ん」

(後ろのほうからの声)

華 代「お困りのようね」

艦 長「副長。なにかいったかね」

副 長「いえ、わたしは何も」

艦 長「そうか、気のせいか」

華 代「気のせいじゃないわ。今、言ったのは、わたしよ」

副 長「どこだ?どこにいる」

華 代「ここよ、ここ」

副 長「どこだ、どこだ?」

華 代「さっきから、どこを見ているの?下よ、下。おじさんの足元よ」

副 長「え?君は誰だい。どうやってここに?」

華 代「それよりも、おじさんたち、困っているのでしょう?わたしに話してくれない。わたしは、こういうものです」

副 長「『ココロとカラダのお悩みお受けします。 真城 華代?』」

華 代「はい、わたしが、真城華代です」

艦 長「お嬢ちゃん。どこから来たかは知らないが、早くこの船を離れるんだ。この船にいては危険だ」

華 代「でも、おじちゃんたち、困っているんでしょう?」

艦 長「もうすぐ、この船では、大変な病気が発生するかもしれないんだ。そうなったら、お嬢ちゃんの命も危ない」

副 長「そういう問題では・・・この子はどこから来たのでしょう」

艦 長「そんなことを調べている時間はないだろう。助かるものは、一人でも助けねば・・・」

華 代「どうすれば助かるの」

艦 長「あの微生物が、メスならば、問題はないのだが、オスだったら、この船は死滅する」

華 代「メスになればいいんだ」

副 長「そうだ。だが、そう簡単には・・・」

華 代「それが、おじさんたちの願いね。わかったわ。いくわよ」

副 長「おい、なにをする気だ」

華 代「取り取り、付け付け。ミラクルパワー!」

(シュルシュルシュル)

乗 員「(インターコムから、女の声で)艦長、大変です。保管していた生物サンプルが、すべてメスに変わりました。NO.3256もです。そして、わたしたちも・・・あん、キャサリン、やめてよ。まだ報告中・・・あ、あ、あ〜〜ん」

副 長「(女のような甲高い声で)これはどういうことだ。艦長・・・きみは、だれ?」

艦 長「(かわいい少女のような声で)君こそ誰だ。なぜ、副長の制服を着ているのだ。それの、この声は・・・」

副 長「艦長ですか。まるで、不思議な国のアリスのような・・・可憐だ」

艦 長「それでは、君は、副長。きれいよ、お姉さま。エキゾチックで・・おねえさま」

副 長「やめてくださいよ。艦長。おかしくなりそうよ」

艦 長「おねえさま」

副 長「艦長・・いえ、アリス」

(口付けをする音が・・・)

 

華 代「今回も大成功だわ。だって、あのお船に乗っていた人たちの命を救ったのだもの。それに、お姉さんたち、みんな仲良くなったみたいだし。華代って、えらいよね。さて、次は、どんな悩みかしら、たのしみだわ。今度は、あなたのところに行くかもよ」