登場人物

佐伯 俊彦:21歳・さえないフリーター。美人になり、男に貢がせて、楽したいと考えている

マジョカヨ:(推定)23歳・人の願いをかなえるミステリアス・カンパニーのセールスレディ。優秀な営業社員

真城 華代:(推定)12歳・不思議な力で人を性転換させる

 

 

華 代「はじめまして。わたし、真城華代と申しますあなたの悩み、教えてください。すぐに解決して差し上げます

    さて、今宵は、どんな悩みでしょう?」

(テーマソング)

(仮題・かよちゃん?)

(高架下のおでんの屋台)

佐 伯「いよいよか。あの噂が、本当かどうか、わかるのは・・・」

(電車が、高架を走る音)

か よ 「(セクシーな女性の声)佐伯さんですが?」

佐 伯 「そうですが、あなたは?」

か よ 「申し遅れました。わたくしは・・・・」

佐 伯 「華代ちゃん。ですか」

か よ 「は、はい。そうですが・・・わたくしは(列車の音で、声がかき消される)これが、名刺です」

佐 伯 「(ココロの声)華代ちゃんて、子供だって言ったのは誰だ。こんな綺麗で、セクシーなお姉さんだなんて、ラッキー」

か よ 「あの、佐伯様」

佐 伯 「としひこと呼んでくれ」

か よ 「としひこさまですね」

佐 伯 「いや、ただのとしひこ・・・」

か よ 「いえ、お客様を呼び捨てには出来ません。ところで、ご契約を頂く前に、ご説明しなければいけないことがあるのですが、ここではちょっと」

佐 伯 「そうですね。それでは、近くの公園に行きますか?」

か よ 「(あきれた声で)は、はい」

(ギィコギィコギィコ)

か よ 「というように、わたくしどもは、お客様にご満足頂いております」

佐 伯 「ふ〜ん。完璧に女性になれるのだ」

か よ 「そうです。コースは、3コースございます。松・竹・梅の3コースで、お値段も、極力勉強させていただいております」

佐 伯 「お値段?金取るの」

か よ 「当たり前よ。完全な女性になれるのに、タダだと思っていたの」

佐 伯 「うわさでは、タダだと聞いたものだから・・・」

か よ 「お金はしっかりと頂くわ。その代わり、仕事は完璧にこなすわよ」

佐 伯 「(気のない声で)は、はあ」

か よ 「よろしいですか。松は、ご依頼通りの女性にして差し上げます。容貌、年齢など、ご依頼通りにして差し上げます。もちろん、後のサポートも完璧です」

佐 伯 「値段は?」

か よ 「300万円です。お安いでしょう?」

佐 伯 「さ、さ、さんびゃくまん!高すぎる。竹は?」

か よ 「は、はぁ、竹は、完璧に女性にして差し上げますが、年齢か、容貌、どちらかを選んでいただくことになります」

佐 伯 「どちらか?」

か よ 「そうです。年齢なら、容貌は、今のお客様が、女性になって、若返った形です。容貌なら、年齢は、今のお年のままです」

佐 伯 「年を取るか、容貌を取るか、か。で、値段は?」

か よ 「竹は、200万です。もちろん、サポートはさせていただきます」

佐 伯 「もう少し安いのは・・・」

か よ 「は、はぁ。梅ですと、100万です。これですと、完璧な女性には、して差し上げますが、容貌、年齢は、今のままです」

佐 伯 「それでも、100万か」

か よ 「これ以上、お安いコースはございませんよ」

佐 伯 「もう少し手ごろなものはないですか」

か よ 「まだ、やすいのですか。う〜ん、ないことはないけど。あの、クレジットや、カードもOKですが・・・」

佐 伯 「カードは、支払いが、滞っているから、ブラックリストに載っているのだ。だから、それ以外で・・・」

か よ 「やばい客に引っかかったなぁ。それでは、あまりお勧めしませんが、お試しコースはいかがです。これなら、1万円で、3日間は、理想の女性になれます」

佐 伯 「それでも、一万か。それも、三日だけ」

か よ 「これで、ぎりぎりです。これ以上だと、保障のほうは出来かねますが・・・」

佐 伯 「かまわない。もっと安いのがあるのか」

か よ 「はい、五万円もらえるというのが・・・でも、どうなるかは、保障しないからね」

佐 伯 「ふん。それで、どんな風になるんだ」

か よ 「わたしにもわからないわ。新しい方法のテスターですもの。だれも、試したがらないので、どうなるかは不明なの」

佐 伯 「でも、やすい。ちゃんとした女になれるのだろう?」

か よ 「それもわからないわよ。辞めるなら今よ」

佐 伯 「五万円か。魅力だ。おかしくなったら、戻してくれるのだろう?」

か よ 「戻れるかどうか。わからないわ。だから、テスターなのよ。辞めておいたほうが・・・」

佐 伯 「やる。今、金欠だから、5万円もらえるというのが魅力的だ。それに、成功すれば、美女になれるのだろう」

か よ 「ええ、成れるわよ。でも、失敗すると・・・・」

佐 伯 「かまわない。ただで、美女になって、その上、5万円もらえるのなら、やる」

か よ 「そう。じゃあ、この契約書にサインして。どうなっても文句は言わないという契約書よ」

佐 伯 「どこに、サインするのだ」

か よ 「ここよ。でも、よく契約書を読まないと・・・」

佐 伯 「かまわない。さ、書いたぞ。5万くれ」

か よ 「わかったわよ。一・二・三・四・五と、はい、五万円」

佐 伯 「たしかに。俺はどうすればいいんだ」

か よ 「そこに、立っていてくれたらいいわ。じゃあ、行くわよ。OUT、OUT。IN、IN。ミステリアスパワー!」

(ギュルギュルギュルギュル〜〜〜〜)

佐 伯 「(綺麗な女の声で)かわったのか?俺は・・・」

か よ 「か、かわったわよ。こんな風に変わるなんて・・・」

佐 伯 「胸は・・・おお〜すごい。手からはみ出してしまう。カガミ、カガミ。(ちょっと間をおき)うぉ〜〜〜美人だ!華代ちゃんより美人だ」

か よ 「はいはいはい、確かにね。じゃあ、契約完了ということで、わたしは失礼するわ。じゃあねぇ」

(しゅ〜〜ぱ!)

佐 伯 「そんなにあわてないでも、お茶でも・・・もう帰っちゃった。さてさて、いよいよ、神秘の世界に・・・ん?ん?ん〜〜〜〜」

(がさごぞがさごそ)

佐 伯 「なんだ、この触りなれたものは。エ、まさか・・・・ある〜〜〜〜〜!」

(ドタッ)

(どこか、遠くから声が聞こえる)

華 代 「おねえちゃん、おねえちゃん」

佐 伯 「う、う〜ん」

華 代 「お姉ちゃん、気がついた?」

佐 伯 「う〜ん、あれ、お嬢ちゃんはだれ?」

華 代 「わたし、わたしは、真城 華代で〜す」

佐 伯 「真城 華代?彼女は、セクシーなお姉さんのはずだよ」

華 代 「わたしが、真城華代よ。はい、名刺」

佐 伯 「『ココロとカラダの悩み お受けします。真城 華代』?じゃあ、彼女はだれ?確か、貰った名刺が・・・あ、あった」

華 代 「あ、本当だ。真城華代って、書いてある。ふ〜ん、あら、お姉ちゃん。うしろに英語で書いてあるよ。KAYO・MAJHO?」

佐 伯 「え、カヨ・マジョ?偽者だったのか!」

華 代 「違うよ。マジョさんだよ。お姉ちゃんが、勝手に間違えただけじゃないの?」

佐 伯 「そんなぁ、じゃあ、君が、ほんとうの、ましろ かよちゃん?」

華 代 「はい、わたしは、ましろかよです。」

佐 伯 「お金は?」

華 代 「頂きません。お客様の喜んでおられる顔が、わたくしへの報酬です。ところで、お姉ちゃんのお悩みは?」

佐 伯 「この身体を変えてほしいんだ」

華 代 「え〜、そんなに綺麗なのに?」

佐 伯 「上半身は、そうだけど、下は・・・ほれ」

(ズボンをずりおろす音)

華 代 「あ、あ、あ、きゃ〜〜〜」

佐 伯 「どうだ。これでも綺麗かい」

華 代 「え、は、あの〜おねえさん、いえ、おにいさん?(泣きそうな声で)あ〜んどっちなの」

佐 伯 「どっちでもいいから、この姿をどうにかしてほしいのだよ」

華 代 「(すこし、べそをかきながら)わかりました。取り取り。付け付けミラクルパワー」

(シュルシュルシュル〜〜〜)

華 代 「これで・・・あ、あれ、え、あん、ごめんなさ〜〜い」

(華代。泣きながら、去る。)

(ドアの開く音)

(ドアの閉まる音)

佐 伯 「(男と女の声がだぶる)どうしたのだ、あの子。さて、かがみ、かがみっと。(男の声で)え〜右が、俺で、(女の声で)左が、わたし・・・(男女の声で)これじゃ、あしゅら男爵だよ〜」

 

 

華 代 「あ〜ん、失敗しちゃったよ〜。でも、あの姿を変えてほしいと言う、お願いだったから、成功かな?エヘッ。次はどんな悩みかな?次は、あなたのところに行くかもよ」