登場人物
ジュリエット:某男子校演劇部部員。小柄で可愛いので、女役をやらされている。女装に不満あり
監 督:某男子校演劇部部長。舞台監督。
華 代「はじめまして。わたし、真城華代と申しますあなたの悩み、教えてください。すぐに解決して差し上げます
さて、今宵は、どんな悩みでしょう?」
(テーマソング)
(仮題・男らしく女らしく)
ジュリエット「オオ、ロミオ、ロミオ。そなたはなぜに、ロミオなの?」
監 督 「ちがう、ちがう、そうじゃなくて、もっと、切なくやるせなく・・・乙女心がわかってないなぁ」
ジュリエット「は、はぁ」
監 督 「休憩だ。その間に、役柄を考えてみろ。休憩休憩」
A 「休憩にはいりま~ス」
B 「また休憩かよ。まったくやってらんねえよなぁ」
C 「今日も、また帰りが遅くなるのか」
このようなざわめきが、あちらこちらから起こる
ジュリエット「はぁ、また怒られた。でも、男のボクに、乙女心を判れと言うほうが、無謀だよなぁ」
監 督 「なにが無謀だ。おまえも、演劇部員だろうが、それぐらい出来なくてどうする」
ジュリエット「でも、部長」
監 督 「部長じゃねえ、監督だ。お前が出来るまで、皆、今日は、居残りだ。わかったか」
その他「へ~~~い」
監督、歩き去る
ジュリエット「はぁ~~~~」
華 代 「おねえちゃん、おねえちゃん」
ジュリエット「え?」
華 代 「おねえちゃん」
ジュリエット「だれだい?」
華 代 「わたしよ、わたし。わたし、真城華代と申します。はい、名刺」
ジュリエット「あ、ご丁寧にありがとう。ココロとカラダのお悩みお受けいたします?ましろかよ。華代ちゃんか。こんにちは」
華 代 「こんにちは、おねえさん」
ジュリエット「そのおねえさんと言うのは、やめてくれないかなぁ。これでも、ボクは男の子だよ」
華 代 「え!男の人なの。あまりにきれいだからおねえさんかと思っていたわ」
ジュリエット「ありがとうと言うべきだろうが、ボクは男だから、あまりうれしくはないよ」
華 代 「そうなんだ」
ジュリエット「小さいころから女の子みたいと言われて、男らしくなりたくて、この学校に入ったのに」
華 代 「それがどうして、女の人の格好をしているの?」
ジュリエット「ところが、中学の先輩が、演劇部にいて、女役が足りないからって、無理やり入部させたんだ。でも、俺は、男だ~~~」
華 代 「そうなんだ」
ジュリエット「乙女心なんか。わかるかよ」
華 代 「おにいちゃんの悩みはわかったわ。乙女心がわかるようになりたいのね。華代にオ・マ・カ・セ!」
ジュリエット「ちょ、ちょっと、待ってよ、華代ちゃん」
華 代 「トリトリツケツケみらくるぱわー!」
ジュリエット「わ、わ、わぁ~~~、む、む、胸が膨らんでいく。お尻も膨らんでくよ~~。声も、いや~~女の子みたいになっちゃうわ~~」
華 代 「よかったね。おにい・・・いえ、おねえちゃん」
ジュリエット「よくわないわ。せっかく入った学校なのに。これじゃあ、退学になってしまうわ。ここは男子校なのよ。女の子は居る事はできないわ。エ、エ、エ、エ~~ン」
華 代 「あ、そうか。わたしとしたことが・・・そうだ。こうすればいいんだ。トリトリツケツケみらくるぱわ~~!」
ジュリエット「この学校好きだったのに・・・・しくしくしく」
華 代 「これでもう大丈夫よ。乙女心もわかるし、学校にもいられるわ。おねえちゃん、よかったね」
ジュリエット「華代ちゃん?」
監 督「(女の声で)サア、高校演劇コンクールの練習を始めるわよ。ジュリエット、準備はいい?」
ジュリエット「部長、いえ、監督。その格好は?スカートはいて、それに、その胸のふくらみ?」
監 督「あら、失礼ね。いくら男勝りでも、わたしは、女よ。そういうこと言うと、びしびししごくわよ」
華 代「これで、OKね。だって、男子校じゃなくなったんだもの。それに、女みたいだということにのも、もう悩むことはないし。華代ちゃん、エライ!さて、次は、どんな悩みかしら、たのしみ。今度は、あなたのところに行くかもよ」