日本TSむかしばなし

その後の一寸法師

 

   京で、姫をさらった鬼と、満開に咲き乱れる桜の下で、生死をかけた戦いを繰り広げた一寸法師は、やっとの事で鬼をたおしたのでありました。

  「姫、ご無事でしたか。」

  「あら、どこからか声がするわ。」

  「ここです。鬼の口元。」

  声の言うとおりに、姫が、鬼の口元を見ると、そこには、ちいさな人らしきものがいました。

  「まあ、あなたは・・・」

  「一寸法師です。はじめまして。」

  「まあ、かわいい。あなたが、わたしを助けてくださったのね。ありがとう。」

  「いえいえ、こちらこそ。この、鬼の持っている打ち出の小槌は、なんでも願い事がかなうとか。わたしを大きくしてくださいませんか。」

  「わかりました。やってみワしょう。」

   そういうと、姫は、鬼の腰から小槌をとると、それを一寸法師の頭の上で、振り始めました。

  「おおきくなれ。おおきくな〜れ。」

  すると、一寸法師は、見る見る大きくなり、立派な若者になりました。

   そして、鬼が倒された満開の桜の下で、京の人たちは、酒を飲み、料理を食べ、大宴会をひらいて、一寸法師の功績を称えたといいます。これが、花見の始まりといわれています。こうして、京の人は、鬼(厄)を祓い、一年間の息災を願ったのです。

  と、ここまでは、皆さんのよくご存知の話で、実は、この話には、まだ、隠された秘密があったのです。

  姫は、大きく立派になった一寸法師と結ばれたのですが、実は、この姫は、あの倒されたはずの鬼だったのです。

  『いや、参ったよ。あの姫様、いきなり大江山に来て、自分を匿えってんだから。そして、俺が寝ている隙に、俺の小槌で、俺と、自分の姿を入れ替え、京の人は襲うわ。悪さはするわで、俺の評判はがた落ち。戻るに戻れなくするんだもの。でも、こいつのお陰で、姫はいなくなったし、結構、女の身体もいいものだし・・・う、う、う〜〜ん、ああ〜〜〜ん。結構テク持っているし。今度、また、小槌で、ちいさくして、あんな事や、こんな事。それに、彼を女にして、うふふふふ・・・』

  こうして、姫になった鬼と、一寸法師は、末永く楽しく妖しくくらしましたとさ。

  おやおや、春一番が吹いていますね。これは、鬼になって倒された姫が、幸せそうな二人に嫉妬して、縁を結んだ桜を散らそうとしているのです。

  女の執念、あな恐ろしや〜〜〜〜〜〜〜