プロジェクトRINA

 第4章 混沌

 

 ドラゴンオーブを無事に手に入れ、キグル民の長、弓使いのカレンが新しく戦力として加わった、だが、リンダはまだ動くことができなかった。

 リナ「リンダさん・・・。」

 カレン「彼女のことが心配か?」

 リナ「当たり前ですよ。」

 カレン「はじめにいっておくけど、私はけして悪いことはしていないと思っている、ふりかかる火の粉をはらっただけだ。」

 リナ「それは、わかってますけど・・・。」

 そのまま、なにも話さず、しばしの沈黙が続いた

 

 リナ「もうじきオーディンの王宮ですね。」

 カレン「ああ、そうだな、ぶっちゃけ、今の戦力ではかなり厳しい戦いをしいられるだろ、城の周りにも敵がたくさんいるのだからな。」

 リナ「そうですね、ワルキューレ、バルキリー、どんな人なんでしょうか。」

 カレン「ワルキューレもバルキリーも噂では二人とも女性だとゆう話しだけど・・・。」

 リナ「そうなんですか・・・。」

 カレン「私とリナが二人のうちどちらかを相手にしないといけないわけだ。」

 リナ「はぁ・・。」

 カレン「なんでそんなに元気がないんだ。」

 リナ「そんなことありません。」

 カレン「たしかにあっちも強い、だが。こっちには神器ドラゴンオーブと、リナの仲間がもってくる剣があるんだろ、いけるよ。」

 リナ「サムさん・・いまごろ、どうしているのでしょうか。」

 

 カレン「それに、私を倒したリナのあの不思議な力、あれがあれば、きっとできるんじゃないか。」

 リナ「私はもともと、戦いにむいた体じゃないんです、そうつくられてない・・・。」

 カレン「作られてない?それはどうゆう意味だ?」

 リナ「あ・・・、なんでもないんです、だけど、私自身、本当はダレとも戦いたくないんです。」

 カレン「リナはあいかわらず優しいな、だけど、優しさだけでは守れないものもあるんだ・・・。」

 

サムサイド

 

 孤島バルザン

 リナたちと別行動をたったサムは南の孤島バルザンにもうじき到着するところだった。

 サム「長い旅だったが、ようやく着いたな、ここがバルザン、別名、死者の島とも呼ばれているらしいが・・・。」

 バルザンは、孤島、船でいかなければいけない、サムは、対岸の港町ミュールで小型船を買い、数人の仲間と島へ降り立った

 砂浜に船をあげて、一路、島の中央部にある古代遺跡にむかうことになった、情報では、その遺跡の最深部に神剣エクスかリバーがあるという。

 サム「よーし、お宝はこの島の中央にある遺跡の中だ、みんなはぐれないようについてこいよ。」

 ロキ「はぁ・・・わかりました。」

  一同は途中でキャンプをとることとなった

 サムのテント

 ロキ「サムさん、ちょっといいですか?」

 サム「ロキか、いいところにきた、俺もお前に話したいことがあったんだ。」

 ロキ「なんです?」

 サム「なんで、急に俺たちの仲間になろうとしたんだ?」

 ロキ「え?」

 サム「ミュールの町でお前がいきなり、仲間にしてほしいといってきて、つい勢いでここまでつれてきてしまったが、お前みたところ冒険するようなやつにはみえないんだが。」

 ロキ「そんなことないです、体はこんななりですけど、昔から大冒険が大好きで、一回でいいからそうゆうことしてみたかったんです。」

 サム「今度の冒険は遊びじゃないんだ、命を落とすかもしれないんだぞ?」

 ロキ「冒険に危険はつきものじゃないですか、わかってますよそのくらい、僕も冒険の途中で命を落とすかもしれない、覚悟はできてます。」

 サム「で、なんで、俺たちがミュールの町にいることを知ってたんだ、このことはある一部の人間にしかしらないはずなのに・・・。」

 ロキ「やだな〜、サムさんたち、みるからに冒険者って感じだったし、あの家にも飽きたし、ちょうどいいかなって。」

 サム「・・・。」

 ロキ「僕、サムさんにすごく興味があって、本当の姿をみたいんです。」

 サム「なにいってるんだ、そんなこと軽々しくいうな。」

 ロキ「これから先はみんな命かけてます、僕も、親分のサムさんに、だから、みんなの思いでもあるんです。」

 サム「でもな〜。」

 ロキ「お願いします。」

 サム「あ〜もう、わかったよ、俺もみせるから、お前も見せろ、いいな?」

 ロキ「はい。」

 再度説明すると、この世界の人間は、リナ以外はすべて性別とは逆のキグルミを着ているのだ。

 

 サムは着ている服をすべて脱ぎ、顔の後ろに両手をあてると、一気に左右に開く、そのまま、顔に手をやり、下にめくると、中からは美しい女性の顔が現れた。

 メリッサ「ふぅ、前に脱いだのは、リナとあったとき以来だな。」

 そのまま、腕をはずして、蝉が脱皮するように、皮を脱いだ、外見のいかつい男性とはうらはらに、スタイル容姿とも申し分ない女性が現れた。

 メリッサ「おい、なにぼーとしてるんだ、お前もだぞ。」

 ロキ「すみません、あまりの美しさに思わず固まってしまいました。」

 メリッサ「ははは、そうだろ、まあ、おせじはいいから。」

 ロキ「はい、でも、その前に・・・。」

 メリッサ「なんだ?」

 ロキ「これでもくらいな。」

 いきなり、なにか霧のようなものを顔面にふきつけられた。

 メリッサ「う、な、なにを・・・う、お前は・・・。」

 

 メリッサはそのまま、倒れてしまった。

 ロキ「あんたがいると、この先の計画の邪魔なんだよ、しばらくあんたのかわりは僕がひきうけよう。」

 そのとき、なにかの呼び出し音が聞こえる。

 オーディン「計画のほうはどうなっている?」

 ロキ「は、リナとは別行動で神剣エクスカリバーの奪取にむかった一向と接触し、やつらのリーダーとなるものを捕獲しました。」

 オーディン「うむ、計画は順調のようだな。」

 ロキ「は、ワタシはこのまま、この頭になりかわり、神剣エクスカリバーを奪取、リナと合流いたします。」

 オーディン「うむ、ぬかりなきよう頼むぞ。」

 ロキ「は、おまかせを。」

 

 ロキ「さてと、この女はこうして。」

 ロキは鞄からなにやら珠をたりだして、なにやら呪文を唱えた、ロキがもっていたのはダークオーブである、闇の帝王ハーデスの宝なのだが・・・呪文を唱え終わると、メリッサの体はダークオーブの中に取り込まれてしまった。

 ロキ「これでよし、あとは。」

 ロキは脱ぎ捨ててあった、サムの皮に体を入れる。

 ロキ「やれやれ、あの女の後となると、まったく人間の匂いがしみついている、気分が悪い。」

 

翌日、サムに化けたロキは部下を引き連れてバルザン島の真ん中になる、秘密の宮殿についた。

部下「頭、昨日までいた新人がみえませんが?」 

サム「ああ、彼か、どうせ怖くなって夜のうちに逃げ出したんだろ、ほっておけ。」

部下「はい・・・。」

宮殿は罠だらけだ、侵入者を拒むかのような幾重にも施された罠に部下たちは一人また一人と消えていった。

部下「頭、みんな傷だらけです、少し休みましょう。」

サム「なに?バカな、いなくなったものなどかまうな、俺たちの目的は一つ、神剣エクスかリバーの奪取だけだ、さ、ぐずぐずするな、いくぞ。」

部下「頭・・・・。」

やがて一向は宮殿の最深部である広間にでた、そのときには部下も5人を数える程度であった。

中央の祭壇に神剣エクスカリバーが飾られている。

サム「さあ、あれがわれらの捜し求めていた、神剣エクスカリバーだ、いくぞ。」

部下は我先にと祭壇をのぼり、神剣エクスカリバーのもとへでる、しかし、祭壇にも最後のトラップが仕掛けられていた、祭壇前部の床にある程度の重さが加わると床が抜ける仕組みなのだ

3人の部下がそのまま、下の剣山におちて命を失った。

部下「みんな、頭?」

サム「ふん、思ったとおり、このまますんなりいくとは思っていなかったからな。」

部下「じゃあ、わざと俺たちを囮にして、あんた、最悪だな、ってゆーか、昨日までの頭と違う、誰なんだ、お前、正体をみせろ。」

サム「ははは、まあ、そんなにあわてるなよ、先にこいつを手にいれてからだ。」

サムは超能力で神剣エクスカリバーを祭壇から浮かせ、そのまま、みずからの手に移動させた。

部下「それは、リナさんのためにわれらが命をかけてここまでとりにいたんだ、かえせ。」

サム「あーあ、それがダサイってんだよ、さっさと逝け。」

サムはエクスカリバーを振りかざし、部下を斬り捨てる。

部下「り、リナさん、ごめんなさい・・・・ぐ。」

サム「ひゃははは、あー楽しい、どうせごみのような命だ、さ、あとはここを破壊し、リナのもとへいくか。」

 

第5章につづく