日本TSF古本こほん27

第二十七回 無性植物

 

え〜気まぐれ連載の日本TSF古本こほんの第二十七回目は・・・
〔データ〕

作品名: 「無性植物」

作者名: 加納一朗

掲載(収録): SFエロチックス 三一書房

掲載(発行)時: 1964年12月17日発行

 

【粗筋】

ロボット警官が襲われ、麻酔銃が盗まれる事件が多発していた。ロボット警官を襲うことと、麻酔銃は、闇では高価で取引される代物だけに、警察は事件を重く見ていた。

刑事のエダは、非常警戒に引っかかった男女に不信感を覚えるが、彼らは証拠不十分で釈放されてしまう。

エダは釈放された男女のうちある女性のあとを追跡した。だが、ある屋敷に入っていったのを確認するが、そこには彼女の姿はなかった。代わりに若い男の姿が・・・

あやしんだエダがその屋敷について調べると、そこに住んでいるのは、元・宇宙航路の乗務員の老人一人。

何かの陰謀を感じた彼は、屋敷に忍び込むが、捕まってしまう。そこで、彼は事件の全貌を知る事になる。

(ここからはネタバレです)

老人は、火星である植物を手に入れる。それは、無性の火星の生物に性を与える効果のある植物だった。そして、それは人体にも効果があり、それは性転換させる効果だった。つまり、この間屋敷に入った女性の変わりに出てきた男性は、元に戻った女性だったのだ。

その上、これには習慣性があり、彼らは性転換する時に感じる恍惚を得るためにロボット警官を襲い、麻酔銃を盗んでいたのだった。

若者を中毒にして、金を稼いでいた老人。だが、そのことを知ったエダにも、この植物の妖しい魔力が襲い掛かってくる・・・

 

(一言)

SFミステリです。本屋でこれを見つけて、立ち読みした時、まだ中学生だったので、買えませんでした。それから数年後、またこの本に出会い、迷わずすぐに購入。でも、社会人になって行方不明に・・・最近再び購入したのですが、このお話、面白いですね。