日本TSF古本こほんG

第八回 両性薬ハプニング

 

え〜気まぐれ連載の日本TSF古本こほんの第八回目は・・・
〔データ〕

作品名: 「両性薬ハプニング」

作者名: 加納一朗
掲載(収録): 不明

掲載(発行)時: 1965年頃

 

【粗筋】

主人公のプレイボーイの俺には、人に言えない不満があった。それは、俺は男の感覚は知っているが、女の感覚がわからないということだ。たとえ性転換手術をしても本当の女の感覚は体験する事は出来ない。

そんなある日、俺は好きな海を見に行って、浜辺をぶらついていた時、ひとつのテント小屋を見つけて中に入ってみる。

そこでは、ある魔術師が興行を行っていた。魔術師に指名されて舞台に上がった俺は、願いを聞かれて「女の感覚を知りたい」という。

魔術師は、俺の願いのかなう世界へと案内するという。俺は言われるままに、舞台のカーテンをめくり入っていくと、そこは俺がいた世界とはそっくりだが、まったく違う世界だった。

その世界では、地球は他の星を侵略し、そこで、材料を手に入れ、性転換薬を作っていたのだ。そんな世界をうろつくうちに、性転換薬を使った性転換パーティに紛れ込む。そこで、彼は念願の女の感覚を体験する。

ところが、貨幣もまったく違うため金のない俺は、パーティの主催者にばれると警察に突き出されてしまう。

逃げ出した俺は元の世界に戻ろうと、あの魔術師のテント小屋を浜辺で探したが、見当たらない。

俺はあてもなく浜辺をさ迷う・・・

 

(一言)

古本屋で、何気なく手に取った古い雑誌を開いて、題名に驚き、内容を読んで小躍りしました。こんな小説を見つけられるなんて。

TSFて、やはり昔からあったんですね。作品数は少ないけど・・・そして、わたしたちの知らないTSFも埋もれたまま消えて行くんだなぁ。