「めぐみ」 







彼女に最初会ったのは、四年前になる。

僕は地元の某公立大学の二年生。
彼女は中学二年生。

僕と彼女の関係は塾の講師と生徒だった。

髪の毛は短く、水泳部に入っている彼女の肌は日に少し焼けている。
いまどきの女の子のように、制服の長いスカートを折ってひざの位まで上げている。
どこを取ってみてもごく普通の女の子だった。
そんな彼女はなぜか僕に親しく接してくる。
僕もまた彼女に合わせるものだから、教師と生徒の関係ではなく年が少しはなれた友達のよう、いや妹のような存在だった。
そんなものだから塾側からは、態度を改めなさいと忠告をいつもされる。
しかし、そんな状況に追い込まれている僕のことなど知らない彼女の態度は、全く変わりはしなかった。

授業が終わると、彼女はまったく勉強とは関係ない話に僕を巻き込む。
彼女にとって僕は話の合う友達なんだ。

そう僕は思っていた。

「先生、わたし前渋高校に入れる?」

「前渋?美咲おまえ本坂高校じゃなかったのか?」

「えーとね。・・・・・前渋の制服かわいいから」


前渋は、地元では一番の進学学校。毎年東大に二桁も出しているくらいの学校で、それに制服の可愛さに拍車をかけて他の高校の二倍近くにも上る。
彼女は、できの悪い生徒ではなかったけれどはっきり言って今の成績では合格の望みは皆無だ。


「そうだな。まぁ受験まで一年あるし学校の成績も模試の成績も今まで以上にもっともっとやれば期待はできるかもな」

「ほんとう?先生わたし頑張るね」

「あぁ頑張れよ」


僕は彼女の頭に手を置いた。
正直言って少し無理があるけど、でもここで彼女の意欲を妨げてはいけないと思った。
それにいつも笑っている彼女の落ち込む顔を見たくなかった。


でも僕の読みは徐々に崩れ始めた。
塾に来ても一人自習室に閉じこもって黙々と参考書に向かう。
授業後の彼女との話は、問題の解説へと変わった。
成績もグングン伸びてき始め、本当に前渋を狙える位置にまで彼女は伸びてきた。



三年の夏休み。

三年はもう部活を引退して生徒が本格的に受験へと考え始め、動き始める夏休み。
彼女もまた部活を引退した受験生。
それに最近の彼女の姿は、以前とは変わり始めてきたように感じる。
以前は、本当に活発的な元気のいい中学生だった。
しかし、麦色の肌に多少跡を残すけれど、今は本当に利口そうな雰囲気がある。
ショートカットだった髪の毛は肩までかかるくらいに変わったこともあるけれど、中学生といってもあと数ヶ月もすれば女子高校生だ。
初めのときの体つきと今の体の体型はもちろん違う。
梅雨の今の時期、雨にぬれためぐみの制服姿。
上から眺め下ろすと見える、めぐみの胸。
わざとではないが床に落ちたものを拾う際に見えるめぐみのスカートのなか。
どこか甘くて、どこか落ち着くめぐみのにおい。
めぐみの笑う顔。
僕はもう彼女を生徒として見れなくなっていた。


       *
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鏡に映る僕の姿

鏡に映る女子高生

鏡に映るめぐみ



白いブラウスに、胸に赤いリボン。
紺に白いチェックのプリーツスカート。
紺のブレザーに学校の校章のバッチ。

間違えない前渋の制服だ。

少し長めなシャギーが入った髪が彼女の小さな顔をより小さく見せる。
下を眺め下ろす。
スカートからすらりと伸びる脚。
茶色の革靴に、紺色の校章が入ったソックス。
背中には学校指定の四角い茶色の革鞄。


鼻を体に近づけてにおいを嗅ぐ。
甘いような石鹸の匂いようなあの時と同じめぐみの匂いがする。
どこをどう見ても、かわいい綺麗な女子高生しかみえない。

それが証拠に、さっきから入れ替わり立ち代り女性がわたしの横で手を洗っているけれど誰一人として、「チカン」などと騒ぎ立てる人なんていない。

僕がここにいて不自然ではないんだ。
だれも僕のことを男性と見る人なんているはずが無い。
いくら綺麗なオカマの人だって、こんなに自然に、安心してここに入れるはずがない。
いくら女性に近くても男性ということに違いは無い。
でも僕は心が男性でも体は完璧な女の子。
それも家に帰れば家族がいる。学校にいけば友達がいる。

ごく普通の女子高生。

もう心臓など休まることはない。ドキドキしっぱなしだ。
もしここで僕は「僕は古川一馬だ」なんて叫んだところで信じるはずがない。
すべて全部、めぐみという他人の姿だから。

僕は個室へと向かう。
歩きにくい。
それに伸長が150くらいしかないせいか、目線が異様に低い。
転びそうになりながら個室へと入った。
カバンを肩から下ろす。
今まで他人のカバンなど勝手にあけたことなどあるわけがない。

ドキドキしながら開けてみる。
このあと彼女の家にいかないといけない。
なにか分かるものは無いか?
手帳を見てもあるのはプリクラやメモ書きしかない。
生徒手帳などは無いのだろうか?
無いだろうなと思いながら、かわいらしい財布を開ける。
そこに写真つきのカードがあり、取り上げるとそれが学生証になっていた。
今はカードなんだとか思いながら、なんとか住所を見つけられた。

写真のめぐみ。
今の僕の顔。
前渋の制服を着たいといっていた彼女。
そして今、その制服をきている僕。
なんでこんなに興奮してるんだろう?
彼女の胸に手を置く。
ドクドクと興奮する心臓の音とともに、今胸を触っているという感触。

ブレザーのボタンを外し胸を下から揉む。
だんだんと気持ちも高ぶる。
男と同じような気持ちでも全くスカートは膨れない。
本当に女なんだと再認識しながら、そんなのっぺりした股間がむずむず感じてくる。

そんな時、腰にケイタイのバイブの振動がした。
スカートのポケットに入っていたケイタイを開けてみてみると、友達からの一通のメール。
《あした物理のノート持ってきてね》と書いてある。
メールのせいでもう気分は下がってしまった。
とりあえず、めぐみのうちに行こう。
あまり帰りが遅いとめぐみの家族も心配をするだろうし。



地元の街といっても、住所だけでは・・・・・・・・

ここら辺だと思うんだけどな。
前に駅の近くということは言っていたけれども。
駅まで戻ってタクシーでも使おうかな?


「お姉ちゃん、これからどこかに行くの?」

「えっ」


背後から声がして振り向くとそこにはめぐみがいた。


「めぐみ!!」

「はぁ?なに言ってるの?めぐみはお姉ちゃんでしょ・・・・・・・」


お姉ちゃん?僕が?いやめぐみが?
そういうめぐみそっくりの彼女が着ているのは、めぐみが中学生の頃着ていた制服だった。
あっそういえば、めぐみには妹が一人いるって言っていた。

名前は・・・・・・・・・・

なんだっただろうか?


「えなちゃん?」

「やっぱり、おかしいよ。お姉ちゃん今まで“えな”ってよび捨てで言っていたのに」

「えっなんでもない。なんでもない。・・・・・・・・えな帰ろうか?」

「どっか行くんじゃないの?」

「うんうん。もういいの」

「お姉ちゃん、今日は遅いね。なんかあったの?」

「えっ・・・そう、ちょっとね」

「ふーん」


びっくりした。

まさか妹だとは。
でも、これで無事に家に着ける。
えなの行く姿に後を追っていく。



「ただいま」

「ただいま」


玄関へと入る。
友達の家に遊びにいくときと同じようにその家のにおいがある。
めぐみの家の匂いに気がついた。
めぐみの小さな靴を脱いで、妹に続いてリビングへと入る。


「おかえり。あら二人とも一緒だったの?」

「うん、すぐそこでね。でも、お姉ちゃんうろうろしてたんだよ」

「何かあったの?めぐみ?」


母親は自分のほうに顔を向けながら心配そうに聞く。
この人はお母さん。そして僕は彼女の娘。
もっと、自信を持たないと。
誰が見たってめぐみなんだから。


「なんでもないよ。えな、変な事といわないでよ」

「だって本当でしょ」

「なんでもないなら良いわよ。それより二人とも着替えてきなさい。ご飯だから」

「はーい」


えなは二階へと上がっていく。
きっとめぐみの部屋も2階なのだろう。
僕も二階へと上がっていく。

「めぐみのへや」と名札がある。

ノブに手をかけ部屋へと入る。
小さなピンク色のテーブル。
テーブルの上にある鏡や化粧品。
ベットの横の窓に並ぶぬいぐるみ。
本棚の少女漫画、ファション雑誌。

まさに女の子の部屋そのものだった。

他人の部屋。
でも、自分の部屋。
そう僕の部屋。
クローゼットを開ける。
男とは違って、赤やピンクなどの色が目に入る。
とりあえず着替えないと。僕はジーンズと黄色いパーカーを選ぶ。
制服を脱ぎハンガーにかける。
白いシンプルなショーツに白いブラジャー。
さっきのトイレのせいでショーツが少しぬれているのが分かる。
ジーンズをはき、パーカを着る。
何もない平らの股間。
体の腰から脚にかけてのライン。


「めぐみまだなの?」


下から母親の声が聞こえる。


「はーい」

夜は長いし・・・・・・・・



「めぐみ、えな、どっちでも良いからご飯食べたらお風呂に入りなさいね」

「えな、お姉ちゃんと一緒にはいろうか?」

「えっどうして?」

「たまには良いじゃない。私たち姉妹でしょ。ね?」

「・・・・・まぁいいけど」



まさか自分のお姉ちゃんが偽者だと微塵にも思っていないだろう。
えなは僕の横でなにも気にしないで服を脱いでいく。


「なにお姉ちゃん?」

「えっ」

「服を脱がないで、私をずっと見つめているから」

「あっううん。なんでもない。私も脱がないとね」


ブラジャーを何とか外すと、ぷるっとめぐみの胸が露わになる。
ショーツを脱ぐと、風呂場の鏡には初めて見る全裸の自分の姿が映っていた。


「お姉ちゃんが洗ってあげるよ」

「えっいいよ」

「いいから、いいから」


僕はえなの背後に座る。
タオルにボディシャを塗り背中を洗っていく。
そして、タオルを体の前へと腕を伸ばす。


「お姉ちゃん、前は自分でやるからいいよ」

「いいから、いいから」


僕は胸を中心にタオルをで洗っていく。


「えな、胸大きくなった?」

「えっ・・・・うんちょっとだけ。でもお姉ちゃんには負けるよ」

「ふふ。そう」

「それより、お姉ちゃん・・んっ・・・・・あぁ・・・もう」

「あら、えな、感じているの?」

「・・・んっ・・・・・はぁ・・・そ、それはお姉ちゃんが・・・」

「だったら、もうこっちも」


僕は指を彼女の陰部へと太ももから伸ばしていく。


「あっ!そ、そこだけはダメッ!」


僕はめぐみの指を使い、彼女の妹の陰部の中へと指を入れる。


「もう、だめだって。私・・・も、もう・・・あぁああぁぁ!!」


           :
           :
           :


「ごめん。ね?えな、この通り許してよ」

「お姉ちゃんひどいよ。私、わたし・・・・」

「ごめんね。えな、私のこと嫌い?」

「・・・・そんなことないけど。びっくりしちゃったよ。
 まじめなお姉ちゃんがこんなことするなんて。
 でも、たまにだったらいいかな。そんなお姉ちゃんも」

「そう?じゃぁまた一緒に入ろうか?」

「・・・・・うん」



めぐみの部屋へともどり、さっそくクローゼットを開ける。
さっそく目に付いたのがテニスウェア。
めぐみは高校でテニス部に入っていたらしい。
白にポロシャツの後ろに青の太字で学校名が書いてある。
スコートにフリルがいっぱいついたアンダースコート。
服を脱いでそれらを着込む。
かすかに彼女のにおいがする。
でも、今の自分はこのにおいなんだ。
そう思うと少しおかしかった。

鏡に映るめぐみの姿。
いや、今の僕の姿。
正座の状態から左右に足を投げ出してお尻を床につけて座る。

女の子しか出来ない、この座り方。

そして上目遣いでその姿を鏡に映してみる。

かわいい・・・・・・・

「次は何を着ようかな?制服かな?あっ中学の水着にしよう」











あとがき

最後まで読んでいただきありがとうございます。
えーと皆さんの疑問は分かります。
主人公の男性と本当のめぐみはどうしたんだ?
という問題ですよね。

まぁ言いましょう。

「答えはあなた次第です。あなたの考えが答え」

べっ別に、私がもう書くのが面倒になったわけじゃないですよ。
ほ、本当ですよ。信じてくださいよ。
まぁ私の考えとしては主人公の彼女への狂った愛情によって彼女体を乗っ取るというストーリーを希望しますけどね。

あくまで、私の意見ですから・・・・・・・・・・

・・・・・もう私はこんなへぼな作品しかかけないだめな人間です。

本当にすみません。

もし誰かが希望するなら、後で完全版として仕上げます。

今は、もう眠くて眠くて。

これ以上は・・・・・・

おやすみなさい。



次回、もし書くとしたら女同士ものを書く予定です。
嫌いな方は、本当にすみません。
もしかしたら誰も期待してないのかもしれませんが、もしいましたら少し待っていてください。
次こそは良い作品を書きたいと思います。
どうも、本当に最後まで読んでもらってありがとうございます。