ほんの数日前まで私は、人間でした。
やさしいお母さんとお父さん。
親友のまいちゃんにたくさんの友達。
でも・・・・今の私には
「ただいま〜」
「ゆみ、おかえり。」
「手を洗ってきなさい。おやつあるよ。」
「うん。」
アイツが、歩いてくる。
私の顔をして
私の服を着て
私になりすましているアイツ。
「ゆみちゃん、ただいま。」
アイツは、私を見つけると笑いながら口を開いた。
「にゃーにゃー(私をかえして。)」
「何言ってるのか、分からないよ。ふふ・・だって私、人間だもん。
ゆみちゃんの言っていること、わからないよ。
あっでも、ゆみは私か。
あなたは、猫のミミだし。
どう?
私のゆみちゃんは?
そっくりでしょ?」
ミミは、私が今まで着ていた制服のスカートの裾を手で掴みながらその場で、くるっと一回転した。
「学校にいっても、誰にもばれなかったよ。
ゆみちゃんって頭良いんだね。
先生の書いた問題、すらすら答えが浮かんできたよ。
勉強なんてしたことないのに、急に出来ちゃったよ。
だってね。
ゆみちゃんの記憶が分かるんだ。
だから、ぜんぜん平気だったよ。」
「にゃーにゃーにゃー(元に戻してよ。私をかえしてよ!!)」
「だから、猫の言葉なんてわからないって。
ゆみちゃんって頭わるいんだ。
あっ猫だもんね。」
「ゆみ、どうかしたの?」
私の鳴き声が聞こえたのだろう。
お母さんが、廊下に現れた。
「にゃーにゃー(お母さん、助けてよ!)」
「あっ、もう。
ゆみ。ミミと遊んでたの?
触ったなら、汚いからちゃんと手を洗いなさい。」
「ふふ・・はーい。ミミは、汚いもんね。分かったよ。お母さん。」
ミミは、嫌らしい笑みを浮かべる。
「にゃあーにゃーにゃあー(私のお母さんを、お母さんって呼ばないでよ!)」
リビングからは、お母さんの声と、私になりすましたミミの声が聞こえる。
笑い声が私の気持ちを嘲笑うかのように、響いている。
どうして、私がわからないの。
お母さん、私はここにいるよ。
そいつは、私なんかじゃない。
そいつは、ミミなのに。
もう・・・・・・
数日前まで、私の部屋にアイツは自分の部屋のごとく居座っていた。
「あっ、ミミちゃん。
おはよう。
どうだった?
あそこの寝心地は?」
誰にも、わかってもらえない私は、ミミとしていつもミミが寝ている場所で寝なければいけなかった。
「私は、すっごく良かったよ。
ベッドって気持ちいいね。
もう、ぐっすりだったよ。」
「あっ着替えないと」
そういうと、ミミは制服を手に取り、着ていく。
「この服って、可愛いね。」
目の前には、セーラー服姿の私が立っている。
「にゃーにゃあ(おねがい、もうかえしてよ!)」
「どう?可笑しくない?」
「にゃーにゃあ(おねがい、もうかえしてよ!)」
「もう、うるさいな。
もう元には戻らない!
私、ゆみちゃんにずっとなるから。
こんな部屋に住めて、可愛い服を着られて。
おいしいご飯を毎日、食べられて。
友達と楽しく遊べて
お母さんも、お父さんも優しいし。
私、ずっとゆみちゃんにあこがれてた。
人間に憧れてた。」
「にゃーにゃあー(いや!!)」
「ゆみ、朝ごはん!」
「あっ、はーい。それじゃーね。ミミちゃん。」
「にゃーにゃあ(お願いだから、かえして)」
あとがき
あっ短かったですか?
ごめんなさい。
最近、ちょっと忙しいので。
んー時間がほしいです。
これも、二時間もかからないで書き上げました。
これ以上は、時間はかけられないと判断いたしました。
ちょっと、単純すぎたでしょうか?
えーと、いちようゆみちゃんは、小学校の高学年ということで。
可笑しいですかね?
フィクションということで、ご勘弁を。
ではでは、読んでくださいましてありがとうございます。
また、会いましょう!!