湯けむりビンビン物語(後編×4)

ちょっとあらすじ。

麻奈の体になった伊代は、一樹(麻奈)と二人きりになった。
伊代は、一樹(麻奈)に入れ替わった事がバレないように一樹のフリをして話し、一樹(麻奈)と関係をもった。

その頃、隣の部屋にいる和夫と伊代(一樹)は・・・



一樹の体には、麻奈が入っている。
麻奈の体には、伊代が入っている。
伊代の体には、一樹が入っている。



 

和夫:「さ、俺たちも今日は早めに寝る事にするか。」

伊代:「そうね。わたしもちょっと疲れちゃったし。」

和夫:「なあ伊代。今夜、いいだろ。」

伊代:「何が?」

和夫:「何がって、いつもの事だよ。」

伊代:「エッチの事?」

和夫:「伊代ったら、今日は大胆だなあ。いつもならそんなに大胆に言わないのにさ。」

伊代:「今日は特別なの。」

和夫:「そうか。何が特別かよくわからないけど、早速頑張るとするか。」

伊代:「ねえ、今日は和夫にお願いがあるの。」

和夫:「なんだい?」

伊代:「わたしをイカせてほしいの。」

和夫:「はい?」

伊代:「わたし、和夫とエッチしてもあんまり感じないのよ。だから今夜はわたしを納得させてほしいの(けけけっ、言ってやったぜ)。」

和夫:「な、納得させるって言っても・・・どうすればいいんだよ。」

伊代:「そうね、私の言うとおりにしてくれたらイケるかもしれないわ。」

和夫:「そんなぁ。」

伊代:「だったら今日はなしよ。わたし、別に今日エッチしなくてもいいもん。」

和夫:「わ、わかったよ。言うとおりにするからさ。」

伊代:「そう。良かった。じゃあ早速始めましょ!」

和夫:「うん、一体どうすればいいんだ?」

伊代:「やっぱりシチュエーションが大事だと思うの。」

和夫:「シチュエーション?」

伊代:「そう。ちゃんとわたしが感じる事が出来る環境を作ってほしいの。」

和夫:「どうやって?」

伊代:「わたし達がいつもエッチする時を思い出してよ。和夫はどうやってた?」

和夫:「そりゃ、おまえの服を脱がせてから俺の服を脱いで、おっぱい吸ってフィニッシュだろ。」

伊代:「(そりゃだめだわ・・)でしょ。そんなんじゃ、わたし感じられないもん。」

和夫:「だって、おまえいつも喘ぎ声だしてるじゃない。」

伊代:「それは和夫の気持ちを高ぶらせるための演技なの。え・ん・ぎ。そりゃ、少しは気持ちいいけどさ。女性の感覚は全然違うんだから。」

和夫:「そ、そうなんだ。俺、ちょっとショック・・・」

伊代:「だーかーらー。今日は私の言うとおりにしてくれればいいの。」

和夫:「そこまで言われたら仕方ないな・・・素直に従う事にするよ。」

伊代:「そうこなくっちゃ!じゃあ、わたしの後ろに来て・・・」

和夫:「うん。」

伊代は畳の上に敷いてある布団に座り込んだ。
そして、和夫は伊代の後ろに膝を立てて、両手を伊代の両肩に乗せた。

和夫:「それで、どうすればいいの?」

伊代:「あのね。舌を硬くしてわたしの首筋を舐めてくれる?」

和夫:「うん。分かった。」

和夫は正座し、伊代の髪を手で横になびかせたあと、舌を硬くして首筋をツーッと上下に舐め始めた。

伊代:「んっ!」

伊代の体にゾクゾクッと電気が走る。

和夫:「どう?」

伊代:「・・・うん・・・いいよ。そのままわたしの体を撫でて・・・」

和夫:「うん。」

和夫は首筋を舐めながら、伊代の体を後ろから撫でた。
指を使って背中をなぞったり、腕を擦ったりした。

伊代はその浴衣から伝わる和夫の指の心地よさにしばし酔いしれている。

伊代:「はぁ・・・はぁ・・・んんっ・・・・かずお・・・・きもちいいよ・・・」

和夫は何も話さず、やさしく伊代の体を撫でた。
そして、浴衣越しに伊代の胸を揉み始める。
やさしく、大きく手で包み込むように・・・

伊代:「はぁん・・・かずおぉ〜・・・・すごくいいよ・・・・あっ・・・そこがすごい・・・」

和夫は胸の突起を浴衣ごと指で摘んだ。
コリコリと指で刺激しながら、まだ首筋を舐めている。

伊代:「んんっ・・・はぁ・・・はぁ・・・ちょ・・直接触って・・・」

その言葉に、和夫は浴衣の間から右手を侵入させ、胸を直接揉み始めた。
和夫も、いつもとは違う雰囲気の伊代に鼻息が荒くなっている。

伊代:「あっ・・・あっ・・・(こいつ・・・なかなかうまいじゃないか・・・なんか頭がぼーっとしてきたぞ・・・)」

和夫は伊代の浴衣を肩から滑り落とし、上半身をあらわにさせた。
そして、背中をぺろぺろと舐めながら、直接両手で胸を掴み、やさしく揉み始める。

伊代:「んあっ!(す・・すごい・・・奈美の体より気持ちよくなってきた・・・・)かずお・・・いい・・・ああっ・・・」

和夫は片手を浴衣の裾から股間に移動させた。
そして、パンティの中に滑り込ませ、伊代のもっとも感じるところを指で刺激する。

伊代:「うぁんっ!」

思わぬ快感に、伊代は体をよじらせた。

伊代:「ああっ・・・いいよぉ・・きもちいいよぉ・・・」
        
(こ・・これほどとは・・・・この体・・・いい・・すごくいい・・)

和夫はゆっくりと布団に伊代を寝かせた。
そして、伊代の横に寝転び、胸を吸いながら感じるところを指で刺激し始める。
伊代はその気持ちよさに両足をギュッと閉め、和夫の手を挟み込んでしまう。

和夫:「そんなに力を入れるなよ。」

伊代:「だ、だって自然に力が入っちゃうんだもん。」

和夫:「そんなに気持ちいいのか?」

伊代:「・・・うん。」

和夫:「そっか、それじゃ、今度は俺の相棒を頼むよ。」

和夫は浴衣と下着をサッと脱ぎ、伊代の横にごろんと寝転んだ。

和夫:「さあ。」

伊代:「うん。(こいつの相棒をしゃぶるのかよ・・・ちゃんと風呂で洗ってきたんだろうな・・・)」

伊代は固くなった和夫の相棒をゆっくりと口に含み、そのまま前後に頭を動かし始めた。

和夫:「うっ・・・なんかいつもと違うぞ・・・すごくいい・・・」

伊代:「んっ、んっ・・(あたりまえさ。なんせ中身は俺なんだからな。俺が気持ちいいようにすればおまえだって気持ちいいに決まってるからな。こうやったらもっと気持ちいだろ!)」

伊代は喉の奥まで和夫の相棒を飲み込み、喉を締め付けるようにしながら相棒を出し入れした。

和夫:「わっ・・・ううっ・・ちょ・・ちょっと待った・・・・やばい・・・イキそうだ・・・」

頭を押さえて止めようとする和夫を無視して、伊代は更に早く、口の中を出し入れする。

和夫:「うう・・・だ・・・だめだ・・・も・・もう・・・・うああっ!」

湯水のごとく、和夫の相棒から噴出してくる。

伊代:「んぐっ・・・おえっ・・・ゲホッ、ゲホッ・・・(うあ〜、きたね〜っ)」

和夫:「う・・・イッた・・・・す、すごく気持ちよかったよ、伊代。今日はどうしたんだよ。」

伊代はティッシュで口を拭きながら

伊代:「わたしも勉強したのよ。」

そう言った。

伊代:「和夫、じゃあ今度はわたしに・・・ねっ!」

伊代はいやらしい目つきで見つめ、和夫に抱きついて足を絡ませた。

和夫:「よし、任しとけ!」

和夫は伊代を上向きに寝かせ、あっという間に復活した相棒を伊代の中に挿入した。

伊代:「ああっ!(ああっ・・・これは・・・)」

和夫は最初から激しく腰を動かし始めた。
既に出来上がっていた伊代の体には、激しい快感が次々と生まれる。

伊代:「うあっ!・・ああっ・・あっ・・・あっ・・あっ・・・す・・すご・・・・い・・・か・・・ずお・・・んあっ・・・」

和夫は額に汗をにじませながら、伊代の少し引きつった顔を見ている。

伊代:「いいっ・・・いいよぉ・・・かずお・・・きもちいい・・・はっ・・・はぁ、んっ・・・んんん・・・」

和夫は一端腰を止め、体を硬直させながら悶えている伊代の体を反転させた。
そして、四つん這いにさせたあと、後ろから一気に伊代の奥深く間で挿入した。

伊代:「!!っ」

声にならない快感に、猫のように背筋を伸ばした伊代は、体を支えていた両手をガクッと崩し、前のめりになってしまった。
そんな伊代を見ながら、いっそうそそられた和夫は、ねじ込むように置くまで相棒を挿入し、力の限り腰を動かした。

伊代:「かはっ・・・あぐっ・・・あっ・・・(だめだ・・・耐えられない・・・お・・・おかしくな・・・なりそう・・・だ・・・)」

和夫:「はあ、はあ、そろそろ・・・いくよ・・・・」

和夫の腰は、今にも増して強烈に動き始めた。
和夫の目の前には、その快感に耐えるように背中を丸め、布団を握り締める伊代がいる。

伊代:「 (ぐあっ、なんだ・・・この気持ちよさは・・・なんか・・・くるっ!) あぁ・・・だめ・・・もう・・・ゆ・・ゆるして・・・た・・耐えられなっ、んあっ!」

伊代:「だめぇぇぇぇぇっ!」

和夫:「あうっ!イクッ!あっ!」

伊代の強烈な締め付けに、和夫の相棒は終わりを告げた・・・・
 
 

伊代の喘ぎ声は、隣の部屋にいる一樹(麻奈)と麻奈(伊代)まで聞こえていた。
しかし、二人とも既に深い眠りについていたのだった・・・
 
 

しばらくして・・・

和夫:「おい、伊代。」

伊代:「・・・ぅ〜ん。」

和夫:「すごかったな、今日は。」

伊代:「・・・・」

和夫:「・・ごめんな、いままでちゃんとしてやれなくて。悪かったよ。自分の事しか考えてなかったんだ。」

伊代:「・・・ぃぃよ。」

和夫:「これからはちゃんとおまえの事を考えてするから。」

伊代:「・・・ぅん・・・」

和夫:「おやすみ・・・」

伊代:「・・・・すぅ〜、すぅ〜。」

伊代は余韻を楽しみながら眠りについてしまった。
そんな伊代にやさしく布団をかけてやった和夫は、そのまま一緒に眠りについた・・・
 
 
 
 
 
 

り〜ん、り〜ん。
 
 

二つの部屋に電話の音が鳴る。
 

和夫:「むにゃむにゃ・・・も、もしもし・・・」

仲居さん:「おはようございます。朝食の準備が出来ましたのでお持ちしてもよろしいでしょうか?」

和夫:「朝食・・・あ、朝食ですか。はいっ・・・といっても・・・あ、あの、 あと10分後に持ってきてもらえますか。」

仲居さん:「はい、10分後ですね。それでは8時40分にお持ちいたします。」

和夫:「えっと、それから昨日の夕食のように、隣の部屋に持ってきてください。」

仲居さん:「かしこまりました。」

電話を切った和夫は、伊代の体をゆすった。

和夫:「おい、伊代。起きろよ、朝だぞ。10分したら隣の部屋に朝食が運ばれてくるんだから。」

伊代:「う〜ん・・・もうちょっと寝かせてくれよ・・・」

和夫:「何のんきな事言ってんだよ。それに「くれよ」なんて男みたいな言葉使ってさ。」

伊代:「男みたいな・・・」

伊代は和夫の言葉にしばし沈黙し、ガバッと布団から起き上がった。
肩にかかる髪と二つの胸が昨日のからの現実を呼び覚ます。

伊代:「そっか・・・今は伊代だったんだ・・・」

思わず口にしてしまい、ハッと口を塞ぐ。

和夫:「何訳の分からない事言ってるんだよ。早く服を着替えろよ。」

伊代:「あ、うん。わかった。わたしの服どれだっけ。」

和夫:「そこのタンスに締まっておいただろ。」

伊代:「そうだっけ。」

何とかごまかしながら着替えを追えた伊代は、髪の毛を梳かしたあと、和夫と一緒に隣の部屋に行った。

一方、10分前の一樹(麻奈)と麻奈(伊代)の部屋では・・・

麻奈が一樹を起こしているところだった。

麻奈:「一樹、早く着替えないと朝食がきちゃうわよ。」

一樹:「う〜ん、わたし低血圧だから朝に弱いのよ・・・一樹だって知ってるでしょ。」

麻奈:「(へ〜、麻奈は朝が弱かったんだ。へへ、この際だからちょっとイタズラしちゃおっかな。」

そうつぶやいた麻奈は、うずくまって寝ている一樹を大の字に寝かせ、剥き出しになっている相棒をパクッと口に含んだ。

一樹:「んっ・・・」

一樹は寝ぼけながらも、相棒が生暖かいものに包まれた感触に少し気付いた。

麻奈:「んっ、んぐっ・・・」

麻奈はそのまま吸い付きながら、一樹の相棒を口から出し入れする。

一樹:「んっ・・・ぁ・・・・ぅぅ・・・・ん?えっ!」

何気なく快感に身を任せていた一樹だったが、徐々に感覚が戻り始めて、下半身の異常に気が付いた。そして、相棒を咥えながらこっちを見ている麻奈の姿に気付く。

一樹:「な、何やってるのよ!」

麻奈:「んっ、だって一樹ったら全然起きないんだもん。だからこうやったら起きると思って。」

一樹:「もうっ!おかげで目が覚めたわよ。いきなりそんなことしてるなんて。」

麻奈:「いいじゃない。麻奈だって気持ちよかったでしょ!」

一樹:「・・・・それより、すっかり女言葉が板についちゃったみたいね。」

麻奈:「だってもともと女だもん・・・はっ!じゃなくて・・・あの・・・い、一日麻奈の体でいたらしみついちゃったんだよ。はははっ、」

一樹:「ふ〜ん・・・で、なんで起こしたのよ。」

麻奈:「そ、そうだった。あのね・・・っていうか、あのさ、もうすぐ仲居さんが朝食を持ってくるんだ。だから早く着替えないといけないと思って・・・」

一樹:「そう。じゃあ早く着替えましょう。その前にわたしの体を返してよ。お互い楽しんだんだからもういいでしょ。」

麻奈:「えっ・・・ちょ・・ちょっとまってよ。その・・・もうちょっとだけい・・・いいじゃないか。」

一樹:「だ〜めっ!昨日約束したでしょ。」

麻奈:「そ、それが・・・か、帰るまでにしよう。このまま帰るまでいることにするぞ。」

一樹:「なによそれ。約束が違うじゃないの。」

麻奈:「そんな事言わずにさ。な、頼むよ麻奈。」

一樹:「いやよ。さっさと昨日みたいにして元に戻してよ。ねえ、早く。」

麻奈:「わ、分かったよ。(そんな事言ったって、一樹じゃなきゃやり方分からないよ・・・)」

言い合いをしていたちょうどそのときに、隣から和夫と伊代が現れた。

伊代:「あら、お二人さん。何言い争ってるの?」

和夫:「そうだよ、隣まで聞こえるような声出してさ。」

一樹:「あっ、な、なんでもないの・・じゃなくてないんだ。なあ、麻奈。」

麻奈:「う、うん。なんでもないの。気にしないで。」

和夫:「そう、それならいいんだけど。」

伊代:「それより麻奈。ちょっとこっちに来てくれる?」

麻奈:「うん。」

二人は隣の部屋に移動する。

伊代:「どうだった?俺の体とやった気分は。」

麻奈:「うん、とっても気持ちよかった。やっぱりわたしの体と麻奈の体は全然違うみたい。」

伊代:「いや、そうでもないんだ。」

麻奈:「え、どういう事?」

伊代:「伊代の体もすごく気持ちよかった。麻奈の体よりも気持ちいいかもしれないんだ。」

麻奈:「そ、そんな事無いよ。麻奈の体の方が気持ちよかったもん。」

伊代:「それは和夫が悪かったんだよ。昨日、和夫にちゃんとやり方教えといたからさ。 次からは思いっきり感じることが出来ると思うぜ。」

麻奈:「ほんと?わたしの体が悪いんじゃなかったんだ。」

伊代:「そうさ、ただ、伊代が和夫を気持ちよくさせるときのテクニックはおまえに教えておかないとな。」

麻奈:「テクニック?」

伊代:「ああ、伊代がするのと俺がするのではだいぶ違うみたいだからな。」

麻奈:「そうなの?」

伊代:「ああ、それは又今度教えるよ。俺の体と伊代の体を交換して、俺が気持ちよくさせてやるから。」

麻奈:「・・・うん。なんか恥ずかしいよ。男の体になるなんて。」

伊代:「まんざらでもないぜ、男の体も。まあ、とりあえず元に戻ろうか、麻奈に戻るように責められてたんだろ。」

麻奈:「うん、わたしやり方知らないから困ったよ。」

伊代:「そうだな、俺が念じないと入れ替える事が出来ないからな。まあ、とりあえず戻ろう。」

麻奈:「うん、一樹。ありがとね。」

伊代:「ああ、気にするな。」
 
 

二人は、またあの方法で、入れ替わった。
これで伊代は自分の体に戻り、一樹は麻奈の体に戻った。
 

麻奈:「おまたせ。」

和夫:「何二人で話してたんだよ。もう布団もたたんで朝食並べてるんだぜ。」

伊代:「うん、隣の部屋にも仲居さんが来て、布団たたんでいったよ。」

一樹:「まあいいや。とりあえず食べようか。」

麻奈:「うん。」
 

4人は一斉に朝食を食べ始めた。
昨日の夕食といい、さすがに泊まりたかった旅館だけあって、味もボリュームも十分満足出来るものだった。

麻奈:「あ〜、食った食った・・じゃなくておいしかったわ。」

一樹の目がギロッと麻奈をにらみつけている。

伊代:「おいしかったね。またここに泊まりにきたいよ。」

和夫:「うん。そうだよな。最高だったよな、伊代!」

伊代:「えっ・・あ・・うん。」

伊代は、昨日、一樹が伊代の体で行った行為が、和夫はよっぽど気に入ったんだなと確信した。

麻奈:「そんなに良かった?」

和夫:「ああ、ここの旅館は最高さ。料理はうまいし、部屋は広いしさ。特に羽毛布団が気に入ったよ。」

麻奈:「そう、ごちそう様でした。」

和夫:「あ、いや。そういう意味じゃなくてさ。」

伊代:「じゃあどういう意味なの?」

伊代は和夫の腕に、自分の腕を絡ませながらそう問い掛けた。

和夫:「だから・・・その・・・そういうことだよ。」

麻奈:「ふふふっ。」

伊代:「ふふっ。」

和夫:「は・・・はははっ」

3人はケラケラと笑い出した。
一樹(麻奈)には何の事がよく理解できていなかった・・・
 
 

朝食を取り終えた4人は、身支度をした後、勘定を済ませて旅館を後にした。
もちろん、麻奈と一樹はもとの体に戻って・・・
 
 
 
 

帰りの電車の中で・・・
 
 

一樹:「楽しかっただろ、俺の体にもなれたしさ。」

麻奈:「まあまあね。でも、自分の体でゆっくりと温泉に浸かって おいしい料理を食べてみたかったような気もするけど。」

一樹:「それはそうだな。やっぱり体によって味覚は代わるからな。それにもっとビールを飲みたかったぜ。」

麻奈:「もう、わたしの体であんなに飲んじゃうんだから。もしアルコール中毒になんか なったらどうするのよ。親が飛んでくるわよ。」

一樹:「すまんすまん。その場の勢いでさ。和夫がおいしそうに飲んでいるの見てたら どうしても飲まずにはいられなかったんだよ。」

麻奈:「わからなくはないけど・・・。どうする?今回のことで、わたしがお酒のみの女に なっちゃったら。」

一樹:「そりゃ、とことんつきあうさ。おまえがつぶれるまで。」

麻奈:「もう、一樹ったら。ふふふっ。」
 

・・・・・・
 
 

和夫:「ほんとに今回の旅行では思い知らされたなあ。」

伊代:「そう?」

和夫:「ああ、伊代があんなにすごいとは・・・。俺、何度も言うけど次の時からは頑張るよ。」

伊代:「うん。頑張ってね。」

和夫:「ああ、任してくれよ。その代わり、おまえも昨日みたいに俺を喜ばせてくれよ。」

伊代:「あ〜、そ、そうね。わたしも頑張ってみるわ。(早いとこ、一樹に教えてもらわないとね・・・)」
 
 
 

・・・・・・
 

和夫以外の3人は、それなりに楽しくスリリングな(?)旅となった。
初めての経験に戸惑いはしたが、それなりに相手の気持ちを知ることだって出来たし、 これからも仲良く4人でやっていけるという自身もつけることができたようだ。

今度は和夫も含め、4人が波乱万丈の経験をする事になるのか・・・どうかは分からないが、 いつまでも友情が続く事を祈って、最後の言葉とする。
 
 
 

伊代:「ねえ一樹、早くやり方教えてよっ!」
 
 
 
 
 
 

・・・おわり
 
 
 

作者のあとがき
 

ダークローゼス以来、初めてあとがきをするサイト管理者「Tira」です。
やっとこさっとこ話を終了する事が出来ました。
やっぱりわたしは、長編を書くと主人公達の性格などが徐々に変化してしまうので、 とても苦手ですね。
この作品は、もともと2話くらいで終わるはずだったのですが、ずるずると長引いてしまい、結局6話になってしまいました。
最後まで入れ替わりの作品を書いたのは初めてだったので、ちょっとどうかなって思ったのですが、まあ、始めの作品としてはわたしなりに上出来だったと思うので、許してください。
これ以上ストーリーや表現方法は向上しないと思うのですが、出来るだけ読みやすいように書いていくつもりなので、今後ともよろしくお願いします。
最後に、全ての話を読んで下さった方々、また少しでも目を通してくださった皆様、 本当にありがとうございました!