トワイライト・シアター
メビウスの夢
語り・よしおか
これは、いまだ夢か現実か。定かではないのですが・・・・
この間お話した借家にまだ住んでいたころの話なのですが。
ある朝、なかなか起きられずにいると、母が、わたしの枕元にきて、起きるように言うと、台所のほうに戻って言ったのです。わたしはまだ眠い目をこすりながらおきだすと、まだ眠いのにとか何とかいいながら、朝の支度をしている母のそばに近づいて、声をかけました。
「お母さん、おきたよ。」
背を向けて、朝の支度をしていた母が、すっと振り向いて、私を見たのですが、その瞬間、わたしは、その場に凍り付いてしまいました。振り向いた母のその顔は・・・・鬼だったのです。耳まで裂けた大きな口と、骨をも噛み砕きそうな牙。声なき声を上げてしまいました。
と、その瞬間、母が、わたしを起こしに来ました。そして、わたしに起きるように言うと、朝の支度をしに台所へと戻っていきました。わたしは、まだ眠い目をこすりながら、台所で朝の支度をする母のそばに行くと、声をかけました。と、そのとき、こんなことがさっきもあったような気がしました。でも、アレは夢だったんだ。と、自分に言い聞かせて母のそばに立ったのです。そして、背を向けて、朝の支度をしていた母が、わたしのほうに振り返って、私のほうを見ました。そして、その顔を見たわたしは・・・・・
と、そのとき、母が、わたしを起こしに来ました。わたしは、今度は、起こしに来た母の顔をしっかりと見定めると、今度は、朝の支度をする母に声をかける前に、顔を洗いました。ちゃんと目覚めるためです。かけてあったタオルで、濡れた顔を拭き、洗面台の上に取り付けてある鏡に自分の顔を映すとそこには・・・
ぎゃ〜〜〜〜〜〜〜