ある少女の場合
窓辺で、ブルーとピンクの子猫が、なにやら言い合っていた。
「大変よ。デジ。」
「どうしたんだよ。アナ。」
「マユちゃんが、あの病気にかかってしまったの。」
「マユちゃんが!でも、あの子には、ドリーム・ランドの魔法がかかっていて、どんな病気にもかからないはずだぞ。」
「それがかかってしまったの。わたしたちですら、対処のできないウィルスらしいわ。」
「それじゃあ、ほかの子たちも・・・」
「危ないわねぇ。」
そういいながら、二匹は、部屋の隅で、立てかけた鏡の前で、オナニーをする超アイドル・ファンタジー・マユの姿を見つめていた。
「やっぱええなぁ。あの餓鬼のカラダじゃこうはいかねえぜ。さすが、超アイドル・ファンタジー・ユマ。か、感じるぜ。あ、あ、ああああああ〜〜〜ん。あ〜〜ぃぃぃい〜〜〜」
そこにはもうすでに、あのお茶目で、愛らしいユマの姿はなかった。姿は同じでも、そこにいるのは、姿は、ファンタジー・ユマでも、おんなの快感におぼれる淫乱な中年おやじだった。
二匹の子猫は、すがるような目で、窓の外に広がる星空を見つめた。だが、彼らの願いもむなしく、それは、徐々にその猛威を広げつつあった。
「やっぱ、女はええ。おんな最高!」
ファンタジー・ユマの喚起の声が、夜空へと駆けていった。