リターンでガールよ! 

 

第4話

 チュンチュン・・・・

 「うっ ううん・・・」

 もう朝か、早いのう・・・

 ん? ここはどこだっけ 周りには、ヌイグルミが一杯あるけど・・・

 ちょ ちょうか、昨日 香澄という女の子と入れ替わったんだっけか

 ううん このパジャマとベットの温もりがあると出にくくって眠くなるな・・・

 ピンポ〜ン!

 え? 誰か来たのかな?

 「は〜い」

 ガチャ

 「おはようございま〜ちゅ! 香澄ちゃんいまちゅか?」

 「あ おはよう 香澄ね? ちょっとまっててくれるかな」

 「うん」

 「香澄ちゃん 洋子ちゃんが迎えにきたわよ」

 「いまいく〜」

 バタバタバタ・・・・

 「あ おはよう 洋子ちゃん」

 「おはよう 香澄ちゃん」

 「行ってきま〜ちゅ!」

 ブルルルル・・・・

 

 ワイワイ・・・・

 「ちぇんちぇい おはようございま〜ちゅ!」

 「はい おはよう」

 「さて 今日は晴れているから グランドで遊びましょうね」

 「は〜い!」

  バタバタバタ・・・・

 「ね ね 香澄ちゃん」

 「どうちたの 洋子ちゃん」

 「えっとね 皆が外で遊んでいるときは 私たちは別の部屋にいることが多いの」

 「なんで?」

 「まだ馴れていなくて 溶け込んでいない子が一緒にいると 目立ちゅからじゃないのかな?」

 「ちょっか〜 ちょうかもちれないでちゅね。で、別の部屋ってどこなの?」

 「こっちよ」

 「ねえ ねえ 先生に言わなくていいの?」

 「あ〜 大丈夫でちゅよ。クラチュが変わっていまちゅからね」

 「どうちて?」

 「詳ちいことは 別の部屋で話ちゅね」

 「うん・・・・」

 

 こうして2人は別室へと消えていった・・・

リターンでガールよ!4の前編 は、ここまででした・・・・・・

  下段は、後編です。

 

 「ここの部屋よ」 

 ガラガラガラ・・・・・

「さ〜てと、香澄ちゃんの席はここだからね。えっと あたしの席はと・・・・」

 「あっ あったあった ここ ここ!」

 「で、洋子ちゃん 詳しく聞かせてくれるんでしょ?」

 「うん その前に、この部屋にはビールが置いてあるから飲みながら話すね」

 「えっ なんでそんなのが置いてあるの?」

 「きゃははは・・・ 別にあたしたちは根っからの幼児じゃないんだから 部屋にビールが置いてあっても不思議じゃないわよ」

 「まあ そう言われれば そうだけど・・・」

 「大丈夫だってば〜 なにもジョッキで飲むわけじゃないし ちっちゃいミニ缶だけしか置いてないしね」

 「そっか〜 じゃあ わたしも飲んでみようかな」

 「うん そうしなよ!」

  プシュー ゴキュゴキュ・・・・

 「あ〜 やっぱりビールよねぇ・・・」

 「う〜ん なんか酔ってきたね・・・ って、誤魔化さないで早く話してよ!」

 「わかった わかった えっとね・・・」

 「この幼稚園は私立であることは知っているよね? でもそれは表向きにそうなっているだけで、実態は違うの」

 「どう違うの?」

 「惑星連合のね、生物生態研究所っていうのが本当の名前なのよ。で、私たち入れ替わり組は研究実験体なわけ」

 「研究実験体?」

 「そう、地球人が他人の身体に入ったらどうなる? っていう研究なのよ。もちろん、大人→子供っていうのは最低条件ね」

 「ふうん・・・」

 「入れ替わってもね、基本的な記憶や生活パターンは身体に記憶されているから不便はないはずよ」

 「そうだったね 家に帰っても昔から住んでいたような気がしたもん・・・」

 「あと それにね・・・ 希望する年齢で成長が止まれるようにできないか? っていうのもやっているわよ」

 「ええ! それがあったらいいね〜」

 「うん でもまだ、地球人タイプの薬が出来上がっていないのよ。クローン移行タイプは、禁止されているしね」

 「なんで?」

 「男→男 女→女 が原則になっていて、記憶移行の際に障害が多く発生する人が多かったんだって」

 「じゃあ 男女交換ではどうなっていたの?」

 「幼馴染や兄妹とかのときは特に、問題はないんだけどね」

 「赤の他人のときは、記憶の伝達がうまくいかなくって、本人になりきれない人や、ショックを受けて0歳児化するんだって」

 「0歳児化って、赤ちゃんになるの?」

 「そうよ、身体はそのままの大きさで、記憶や能力が完全に0歳児になってしまうの」

 「それって、結構怖いじゃん」

 「でしょ? せっかく入れ替わったって、記憶がそのまま移行しないんだったら無意味だということで中止になったのよ」

 「でも、あたしたちは大丈夫じゃない?」

 「そりゃそうよ、私たちは異星人が開発した装置で入れ替わっているからね。その辺はクリアーされているわよ」

 「異星人か・・・・」

 「どう ちょっとは驚いた?」

 「うん・・・」

 「でね、この幼稚園は秘密保持のために、児童劇団を一緒に経営しているの」

 「これなら、入れ替わっても、多少変な行動をしたって、番組に出る役の練習ってことで誤魔化せるしね」

 「そっか〜 そうだったんだ〜」

 「どう これでわかった?」

 「うん だいたいわかったよ。 で、さっきから気になっていたんだけど、残りの2つの席はだれのなの?」

 「ああ 彼らは、海外に撮影に行っているわよ。今度会えるのは、卒園のころかな・・・」

 「なんだ〜 楽しみにしていたのにな〜」

 「そうね もうちょっと早ければ会えたかもね」

 「で、なんで彼らなの?」

 「みんな 男の子だからよ。3人ともね。整理するとね、男の子3人、女の子2人が入れ替わりメンバーなのよ」

 「もちろん、女の子2人っていうのは、私と香澄ちゃんだからね」

 「あと3人もいるんだぁ〜」

  キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン・・・・・

 「あ 時間になったから 教室に戻ろうよ 香澄ちゃん」

 「うん そうだね・・・」

  パタパタパタ・・・・

 

-----------------------------------------------------------------------------------------------------

 2001年に作成された作品です。

 あるHPに掲載されていたんですが、仮掲載以外不可(笑)になりましたので、CD−ROMに入れっぱなしでした。

 この作品は、長期連載を目的に作成しています。

 番外編(未公開)も作成してますので、その作品は別の投稿先に掲載させていただきます。

 番外編も長いですよ。

 投稿先は、ゆいゆい日記で案内します。