WAX原型彫刻(後編) 注)後編はかなりスカルマニアな内容となっております。 専門用語爆発で申し訳ない。 |
門歯を彫り始めます。 門歯とは、センターから犬歯までの、両側合わせて6本、下顎も合わせれば全12本の歯の事です。 歯は大きく分けて、門歯と臼歯から構成されています。 この2種類の歯はまったくの別物なので、必然的に彫刻も門歯と臼歯は分けて彫刻するようにしています。 歯は基本的に歯列後部から正中に向かうベクトルをもって生えています。ですので、気持ち正中に向かって傾斜をつけると、違和感がなくなります。 |
次に臼歯の彫刻です。 臼歯は小臼歯と大臼歯の2種類に分けられます。 どういった違いがあるかと言うと、歯列前方2本の小臼歯は2咬頭、その後ろ3本の大臼歯は4咬頭以上です。 また、歯列は横から見た時、後方に行くとやや上方に湾曲します。 |
歯頚部を彫り込みます。 3コマ続けて歯の話になりますが、この歯の彫刻のバランスがリアルなスカルの雰囲気を出す重要なファクターの1つだとぶらびは考えます。 |
上顎骨に歯列に合わせたメリハリをつけます。 |
この辺で、全体のバランスを整えます。 |
ヒビを付けます、専門用語で言うと縫合線です。 縫合線にもそれぞれ個別の名称がありますが、ここでは割愛させていただきます。ちなみに個人的に好きな縫合線は矢状縫合です。 また、眼窩の下に眼窩下神経の通り道である眼窩下孔という穴があるので、小さな窪みを彫ります。 次に鼻腔内の彫刻をします。 鋤骨両側に下鼻甲介を付けます。 |
側頭部の縫合線です。 縫合線と一口に言っても、部位によって特徴があります。環状縫合線を例に上げて言うと、側頭部では直線に近いですが頭頂部ではかなり蛇行します。また、鱗状縫合後方乳様突起周辺では、縫い目に巻き込まれるようなニュアンスが顕著にでます。 側頭骨には盛り上がりのある特徴があります。 |
裏側を彫ります。 裏側はよく省略されヌルッとした感じの作品が多いですが、実際の裏側は前面以上にミステリアスです。 |
歯の舌側部及び咬合面を彫刻します。 ここで裏側のバランスをとるため、最後臼歯である親知らずを抜歯する事にしました、抜歯後は抜歯窩を彫りました。 |
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今回は中空にするため、頭頂部を糸鋸で開口させ、内側を刳り貫きます。 | |
最後に、今回のデザインの中では一番繊細な茎状突起を付けて、WAX原型は完成です。 | |
別口でこんなのも作っておきました。 これが無いとただの置物になっちゃいますからね。 |
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ここでWAX原型彫刻終了です、次は鋳造編になります。 ここまではmihimaruGTを聴きながら 彫刻してました。 羽が生えるのは午後10時です。 |