ゆめみるまなこにめかくしを ランチアさん。 ランチアさん。 その手ぬぐいはなぁに? 「これは、人を殺さないためのものだ」
ランチアさん。 どうしてそんなに手をぐるぐる巻きにするの? 「俺が人殺しにならないためのものだ。こうしてベッドに繋いでおけば、俺は狂っても人を殺さずに済む」
ランチアさん。 何をそんなに怯えているの?
「また、人を殺してしまうんじゃないか、という恐怖だ。
ランチアさん。
あなたは優しいよ。
殺したりしない。 俺が一緒に寝ててあげるから。 「ダメだ。もし、俺が狂ったら…」
狂わないよ。
こんなもの、外そう? 「手を、繋いでいてくれるか?」
うん。 「それから……それから、俺の夢に出てきてくれ」
うん。 「もし、俺が、夢の中で狂ったなら、その時は」
なぁに? 「お前が俺を止めてくれ。これで俺を撃ち殺してくれ」
分かったよ。 ――できもしない口約束をしてあげる。
おやすみ。 「ああ、目を閉じると襲ってくる。真っ赤な鮮血と、銃声と、悲鳴」
それはまやかし。あなたの悪夢。
目隠ししようか。夢も見ないように。
ほら、ね? あとは羊でも数えて、おやすみなさい?
一晩中愛しててあげるよ。 うちのツナは、ランチアさんのお母さんなんです。 で、ランチアさんは、ツナのお兄ちゃんで甘えん坊のお子ちゃま。 数年間忘れていた家族(ファミリー)を思い出して、ひとときも離れたくないと良い。 で、ツナがランチアさんに感じるものは、母性愛だったり庇護欲だったり。 ツナのちっさい身体に抱きついて、いじめられた子供みたいに泣いて、ツナが頭をよしよししてやる構図がすきなんです。
私、ランチアさんを何だと思ってるんでしょう(笑)。 |