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ブルーベリーの育て方など

<2005.09.21更新>


(1)用土
 ブルーベリーは根が繊維根といわれ、細い根が株元に浅く密に張ります。
また酸性の土で生育が良いため未調整ピートモスを用土に使うのがポイントです。
粘土質で硬くなる土では極端に生育が落ちるので注意が必要です。
また用土に砂を使った苗でも、根の張りがもう一つ良くないのを見かけます。
ブルーベリーは未調整ピートモスの用土でこそ良い成長ができるのが特徴といえると思います。
ブルーベリーは鉢植えでも育てられる果樹なので、庭がなくても陽が当たれば集合住宅のベランダでも栽培できます。
ただしベランダでの場合、洗濯物と場所取りの戦いが必要ですが・・・。


(2)日当たりと水遣り
 果樹はおいしい実をつけるには、できるだけ日当たりの良い場所が必要です。
ただしブルーベリーは乾燥に弱く、水を好みます。
水をきらさず、かつ水はけもよくすることが必要です。
鉢植えの場合ピートモスを主体に鹿沼土を少量混ぜた用土がバランスが良く、お勧めできます。
ただし真夏の陽射しは葉から水分が蒸発し、ひどいときには新葉が葉焼けを起こしてしまうこともあります。
そのため午前中のみ日に当てて、午後には日陰になるくらいのところが安全と思います。
もし新しく伸びた枝や葉が下を向いてたれていたら、日中でもすぐに水遣りし日陰の場所へ移します。
夏の水遣りは欠かさずにします。なかでもハイブッシュ系は乾燥に弱いですから、最初の夏は注意が必要です。


(3)肥料
 鉢植えの場合、基肥として春、表面に骨枌入り油かすの団子になったものを適量置けば良いです。
追肥は梅雨の6月〜7月初めに化成肥料を与えます。
ただ油かすの団子だとウジがわくので、それがいやな方は用土に埋め込むか、もしくは緩効性の化成肥料が良いです。
表面に化成肥料をスプーンでひとつほど置くと水遣りのときに徐々にきいていきます。
また硫安はとくにやらなくても良いと思います。骨枌入り油かすの団子と化成肥料だけで十分の成長でした。(2005.09.21)


(4)受粉
 ブルーベリーは大きく分けてハイブッシュ系とラビットアイ系のふたつに分類されます。
ハイブッシュ系で二種類以上、ラビットアイ系で二種類以上の品種を組み合わせて受粉が良くなり、実つきも良くなります。
このため店頭などで品種の明記されていない苗木を買うのは避けたほうが無難です。
 また集合住宅の2階以上のベランダで昆虫が来ていないようなところでは、ハイブッシュ系といえども人工受粉をしないと実つきが悪くなるようです。自家受粉にまかせると収穫がほとんどなくなる場合も出てくるようですから注意が必要です。
花数が多くなると大変ですが、綿棒をくずして他花受粉すると実が付く可能性が高くなりますよ。


(5)剪定
 苗を購入して、次の年の春に芽が動き出す前までに、剪定をします。
最初の年は細い枝、少し伸びて止まった枝、重なった枝などを剪定していきます。
二本平行して伸びた枝などあれば、どちらか一方を元から切ります。
切った枝は春に挿し木用の穂木として使えます。
夏でも込み合って日陰になるような枝は、剪定したほうが良いです。
また前年に上に伸びたシュート枝は先の3分の1ほどカットしたほうが、次の年の樹形を作りやすくなるように感じています。シュート枝をそのままにしておくと、キノコ型の樹形になってしまうことがあるようです。


(6の1)鉢植えの植え替え
 鉢植えで栽培していると根がいっぱいに張ってしまって、いわゆる根詰まりをおこしてしまうことがあります。葉色がすぐれない、横枝があまり伸びてこないなどの症状が見られるならすぐにも植え替えをしたほうが良いでしょう。
そのときは根をほぐして根鉢を一回り小さくして植え替えすることも大事と思います。
枝を剪定するのと同様に、根も切ってほぐしてあげたほうが成長を促すことになります。
鉢の大きさによっては、植え替えてから一年も経たないうちに植え替えしなくてはいけなくなることもあるようです。
また一定以上の大きさ(30センチ以上)になったら、根鉢の外側を一回り崩して同じ鉢へ植え替えすれば、その大きさで維持できるようです。(2005.01.01)


(6の2)鉢植えの育て方
 購入したらまず6号鉢に鉢増しして植え替えします。翌年の春8号鉢へ、また翌年に10号鉢へ、次の年に果樹鉢13号に植え替えで完成です。その後は13号鉢のまま春に根を崩して、同じ鉢に新しいピートモスを足して植え替えを繰り返して行きます。
ブルーベリーは根が横に伸びていき、根の伸びが強くないので、いきなり大きい鉢に植え替えするのはお勧めしません。
(2005.09.21)


(7)ピートモスの購入先
 未調整の大袋ピートモス、米どころではホームセンターでも置いてあるようですが、我が家の近辺では置いているところがありませんでした。
いろいろと探してみて二ヶ所で手に入ることがわかりました。
最初は「しんしん」という農家向けのお店。次にJAの営農センターでも置いてありました。
ガソリン代かけて遠くまで行くよりJAの営農センターで買うほうが安く済むので、今ではJAで107L/3.8cuftの大袋を買っています。通販より安く済むので助かっています。
左の画像はJAみやぎ亘理で購入できる3.8cuft/107Lの大袋です。
 ほかに普通の18Lや20Lの小袋のピートモスは、だいたいホームセンターに置いてあるようです。量をあまり使わないときは小袋のほうがいいのかもしれませんね。(2002.07.01)




(8)品種の選び方
 私の考える品種の選び方です。
○基本的にはUSDA(米国農務省)登録品種から選ぶこと。
 品種登録されていないものは、他の方の評価が高いことなどが選ぶ際のひとつの基準かもしれません。
 (またリンク集の中にある「BlueBerryHouse」の品種一覧のページなども参考にできます。)
○自分の住んでいる場所の気候、地植えできる場所があるなら、そこがどのような状況なのかを把握する。
 (気候の判断に迷うときは試験的にとりあえず栽培してみることです。自分のデータが一番なのですから。)
○他花受粉のために花期が同じで異なる品種を揃えていく。(2002.07.01)


(9)苗木の買い方
 現在の私の基本的な買い方は、品種の確かな苗木を扱う苗木屋さんから、直接通販で購入する、という方法だけです。
ただし通販の業者でも品種の正確さは似たり寄ったりのようで、他の方にお勧めできるところはなくなってしまいました。
実際の私の買い方は、二つ以上の業者から導入して、正確さを保つようにしています。
(2005.07.25)


(10)園芸店、ホームセンターの苗木
 私は基本的に園芸店、ホームセンターでの苗木の購入をお勧めしません。
店頭での苗木の購入は、違うものを買ってしまうリスクが伴います。
まず品種がたとえUSDA登録品種名が書いてあっても、違う品種であることもあります。
店頭の苗木は当たり外れがあって、品種の鑑定ができ、苗木の状態の良し悪しの判断ができないと外れを買わされてしまいます。
このことから一種類につき一本ずつ集める方には、店頭での購入はお勧めできません。
一本だけではそれが本物なのかどうか、比較のしようがありませんから。
また聞いたことのない品種が店頭にあっても、見送ったほうが無難です。

 ふたつめは苗木のポットの用土の質が悪いものが多く、買ってから植え替えしても調子を取り戻せない苗があるからです。
多いのは用土を水増しして大き目のポットにして出荷している苗。
この手の苗は元の根鉢も小さいために買ってから調子が悪くなると大変です。
もとの根の成長がよくないためか、何度ピートモスで植え替えしてもうまく行かずに苦労した苗がありました。(2003.01.01)


(11)我が家の地植えの場合
 地植えしてから二年経って、私なりにわかってきたことを書いておこうと思います。
まず植える場所の土地が痩せていてもピートモスを多めに使えば、まずまずの成長をしてくれるようです。(もちろん肥料が適正であることが前提です。)
そしてブルーベリーは根が横に伸びていく性質が強いようですので、深く掘るより幅広くピートモスを混ぜてすき込むのが良いように思います。
また乾燥を防ぐためマルチングは欠かせません。ウチでは、すすきが生えてくるので、下刈りしては根元に重ねてマルチにしています。

左の画像はランコーカスの5年生の株です。
2年生苗を購入し1年間は鉢植えで根を大きく育ててから、3年生の時点で地植えして、まる2年間で顔の高さまで成長してくれました。
同じく5年生になった鉢植えの株よりも成長が良いようです。(2003.01.01)














(12)ハイブッシュ系が調子を崩したら





(12)終わりに
 最後に詳しい参考書として、「家庭果樹ブルーベリー〜育て方・楽しみ方〜」日本ブルーベリー協会編,創森社,と、NHK趣味の園芸−よくわかる栽培12ヵ月「ブルーベリー」,堀込 充,NHK出版,の二冊をお勧めしておきます。
お近くの書店にない場合でも、頼めば二週間ほどで手に入ります。











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