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<接ぎ木スパータンの成長>


ここではラビットアイ台木の接ぎ木ハイブッシュの成長を載せていこうと思います。


<ラビットアイ系台木の接ぎ木苗>
2005年から業者さんでも接ぎ木苗が再度、販売され始め、(以前も僅かに接ぎ木苗の販売はあったのです)
一般的にも接ぎ木ハイブッシュの評価も上がってきている感じがします。
ブルーベリー愛好家には、ここ数年で認知されてきていると思いますが、
元々は関東の有名な栽培地や、北陸の栽培地などでは、栽培指導者
ブルーベリー栽培農家に接ぎ木苗を配布して普及していたようです。
ですから、もうすでに接ぎ木スパータンや接ぎ木ハイブッシュが
育っている摘み取り園が各地に存在しています。

台木はラビットアイを使いますが、根鉢を大きく育てたものが良いです。(出来れば3年生以上)
これは苗木にも通じることですが、良い苗とは根がびっしりと張っているものです。
けっして枝が何センチ伸びている、ということではありません。根鉢の大きいものが良いのです。
根が元気な苗は、その後の成長力が違います。
でも業者さんの接ぎ木苗は、そこまで望めるものは少ないみたいですね。
自宅用で作るのなら、台木を大きくしたもの(15センチポット以上に育てて)を用意しましょう。


これまでの我が家の接ぎ木ハイブッシュを観察しての評価は、

(1) 樹勢は台木のラビットアイと同様になり、最強に変わります。
特に3年目以降は太いシュートが長く伸びて、樹形が一変します。(ただし接いでから最低3年目までは実は着けさせない。
(2) 猛暑でも夏負けすることがなくなり、成長期間も秋遅くまで続きます。
おそらく暖地でも良い成長が見込めるのではないでしょうか。
(2)の補足ですが、これも実付きが遅くまで続くと秋の成長は見込めなくなる場合も出てきます。
新枝の成長期間を考えて収穫するということでしょう。

(3) 自根と比べて実のサイズも一回り大きくなります。
またラビットアイがひと枝に花芽をたくさん付けるのと同じく、花芽をたくさん着けるようになります。
(3)の補足ですが、実を付けすぎると翌年の新枝の成長が思わしくなくなることがあります。
このへんのバランスは考えて収穫するといいでしょう。





弱点としては、4年目の接ぎ木が強風で根元から折れた事例が報告されています。
接ぎ木は根元が太くなるのが非常に早く、強風の影響を受けやすいと思われるため、
防風ネットなどでカバーしてあげるなど工夫が必要でしょう。


また畑の移動など色々と経験してきましたが、接ぎ木で根がラビットアイ系(ホームベル)になったとしても、
上の枝の強さまでラビットアイ系と同等というわけでもなさそうです。
劣悪な環境になればなるほど、ラビットアイ系との差が見えてきます。
大株で移植したラビットアイ系はほとんどダメージを受けずに済みましたが、
接ぎ木の大株はなかなか良い調子に戻っていません。
それに乾燥にも比較的強いはずですが、これも乾燥時に台木の特徴が枝先に現れることがあります。
あくまでも根の弱さを改善したハイブッシュとして栽培するのがいいのだろうと思います。





<一次成長・・・我が家の接ぎ木スパータン>
2002年、ラビットアイ台木の接ぎ木スパータンを初めて作りました。

春に接ぎ木すると6月くらいまでには一次成長があります。
この時点で接ぎ木の成功がわかります。
台木のラビットアイは3年生、6号鉢を使用しています。
台木は接ぎ木活着後の成長力の差が出るので、
自宅用で作るのなら根鉢を大きく育てた台木を使うと良いです。


<1年目>

1年目のその後、これは他の接ぎ木ですがそれほど枝は伸びてきません。
少しずつ枝が伸びていく感じの成長です。
秋にはたくさんの花芽がつきますが、枝を伸ばしたいので全て剪定します。



<2年目>

2年目、10号鉢に鉢増ししています。
花芽は動き出す前に全て剪定します。
その年、少しずつ枝の部分が伸びてきますが、
2年目では長いシュートはまだ伸びてきていません。



<接ぎ木のメンテナンス/台木のサッカー>

台木からラビットアイのサッカーが伸びてきます。
一見してすぐにわかりますので、手で摘み取ります。
剪定より簡単です。新芽で柔らかいので、ただ摘み取るだけです。



<下増田の畑・・・3年目>

3年目、春に地植えします。
花芽がたくさん付いていますが、3〜4個ほどに減らしてみました。
収穫が終わったあと、遂にシュートが2本伸びてきました。
太いシュートで来年が楽しみになってきます。
(2004.07.03)


<接ぎ木スパータンと自根スパータンの比較>






この夏、宮城でも7月から8月にかけて猛暑が続き、一ヶ月ほど雨が降りませんでした。
それでも接ぎ木はシュートの先から二次成長が伸びていますが、
自根は成長が止まり葉が赤みを帯びてきています。
根っこが違うだけで同じ品種でも明らかな差がわかります。
(2004.08.01)



<下増田の畑・・・4年目>

左の画像は昨年のシュートからの横枝です。すごいの一言で、ここまで樹勢が変わるのかと思います。
右は実を着けさせた軸枝ですが、実を着けても枝の伸びが衰えません。
ラビットアイ系のティフブルー、ホームベルと比べても全く遜色ないです。まあ台木はホームベルなわけですが・・・。
接ぎ木に勝るものなし!です。
(2005.06.14)


<接ぎ木の特徴>

秋になり気づいた点は主軸枝が太くなるのが非常に早いということです。
根からの栄養が行き渡っているからでしょうね。
これは葉を見てもわかるように、葉が大きく分厚いのが画像から見て取れるでしょうか。
(2005.10.14)



<下増田の畑・・・5年目>

春になり一斉に花が咲き始めました。
手前が4年目(樹高1Mちょっと)で奥が5年目(樹高1.3Mほど)になります。
(2006.05.15)



同じ日の5年目の単独の画像です。
シュートの先端の花芽はまだ開花していません。
ひと枝に花芽3個までに剪定しても、この花数です。
(2006.05.15)



2006年の最初の収穫です。大粒は25mmありました。
これより大きい粒もあったのですが、残念ながら蟻に穴をあけられてしまいました。
地面に網をかけるわけにもいかないしね。難敵が多いブルーベリーですな。
(2006.07.05)



2006年は梅雨や秋雨の降水量が多く、調子もイマイチのような感じです。
今年から本格的に収穫を始めたことも影響しているのでしょうね、
枝の発生も少なめです。
このままの状態で休眠すると思います。
(2006.09.08)



来年の花芽が出来てきました。
紅葉も少しずつ始まっています。
(2006.10.03)



紅葉の始まりと共に落葉も始まっています。
発色は鉢植えの方が鮮やかに出ますね。
地植えは部分的にしか赤色が出ない感じです。
(2006.10.17)



<下増田の畑・・・6年目>







昨年とほぼ同じ樹高で、どちらも1.3Mほどです。
今年はちょうどいい花芽の数でした。
(2007.05.08)



今年も絶好調です。
土地の条件はかなり悪いにもかかわらず、これだけ収穫できるのですから
5年目まで順調に枝を伸ばしましょう。
(2007.06.12)




左が接ぎ木6年目、右が接ぎ木5年目です。
このくらいまで来ると見ていてもブルーベリーの樹らしくなったなあという印象ですね。
土地の水はけの悪さがわかるでしょうか?
(2007.07.03)



上のアップです。良い感じでしょ。
見てて楽しいよね。
(2007.07.03)



上の接ぎ木スパータンの最初の収穫です。
ボウルいっぱいで1キロ以上ありました。
(2007.07.03)



下増田の畑から空港畑に移植しました。
無事に育ってくれるといいんですが。
(2007.11.13)



<空港畑・・・7年目>


とりあえず大まかに剪定したところです。まだ花芽が多いように思いますので、もう少し減らしましょうか。
今年の接ぎ木スパータンのテーマは、どれだけ新しい枝を伸ばすことができるかです。
杉皮チップの左側が凹んでいるのわかりますか。モグラの仕業ですな。やれやれ。
(2008.02.05)



花芽が蕾になってきましたね。
このところ、まとまった雨も降り雑草が伸びてきたので、畝間を耕しました。
春って感じは毎年変わらずいいもんですな。
(2008.04.22)



今年は例年と比べても気温が高いように思います。
スパータンも開花していました。
少し、花数が多いですね。
この後、剪定して減らしておきました。
(2008.05.06)



空港畑にもミツバチや花アブが来ているみたいです。
これなら受粉も大丈夫じゃないかな。
(2008.05.17)



昨年の6月の画像と比べて、玉の生育が遅れているように思います。
土地の差なのか、今年の不順な気候のせいなのか、どちらでしょうね。
(2008.06.10)



空港畑も色づいて来ましたが、やはり例年と比べておかしいですね。
玉が大きくならないのは、植え替えの影響と思います。
宮城の6月の降水量が例年の半分以下らしいんですが、それも生育に悪かったかな。
何れにしてもこの後の判断が難しくなりました。
(2008.07.01)



今年、粒が小さいのは砂土が影響してるのかもしれないですな。
植え替えだけの結果ではなさそうです。
砂土だと肥料分の流出が早いんじゃないか?というような感じがするんだよね。
地植えは奥が深いね。
(2008.07.12)



<空港畑・・・8年目>


花芽をかなり落としたつもりでしたが、咲いてみたら多すぎですかね。
花の大きさは成長の良かった時期と変わらないようですし、今年なんとか普通の成長に戻ってほしいものです。
6年目のときの画像と比べると、葉の数が少ないようなのが気がかりです。
(2009.05.08)




どうでしょう。三年前の画像と比べても遜色ないようにも見えますが。
六月になってからもう一度比較してみますかね。
(2009.05.19)




下増田のときと比べて実の膨らみは遅いですが、新枝の伸びはまずまずと思います。
新しい枝が伸びてきたので、来年はもう少し良くなってくれるんじゃないかな。
(2009.06.13)




実の膨らみが遅いのは、受粉がうまくいかなかったのもあるかもしれません。
空港畑は蜂や虫があまり見当たらないです。
(2009.06.13)




収穫量は減りましたが、新枝も伸びてようやく復活しそうです。
枝が伸びてきてるのは、イコール根が伸びてるってことでしょう。
昨年と違って雨量があるのも調子のいい理由なのでしょう。
(2009.07.04)




昨年と比べて新枝の伸びの良さが見えます。
葉色も濃く、状態が戻りつつあるのでしょう。
(2009.07.11)



<空港畑・・・9年目>


今年は開花が遅れてますね。
ブルーベリーを創めてから、これだけ遅いのは初めてです。
(2010.05.18)




急激に暖かくなったためなのか、葉の生育と開花が同時進行しているようです。
葉色が赤いのが例年との違いですね。
(2010.05.18)




やはり今年は生育が遅れています。
もう6月中旬ですからね、収穫はどのくらい遅れるのだろう。
(2010.06.12)




三年前の下増田の畑の画像と同日なんですが、、比較すると実の膨らみが全然違います。
これから梅雨入りですからね、害虫もそろそろ出てくるだろうし、どうなるのかな?
(2010.06.12)




今年は梅雨でも、夏のような天気が続いています。
気温も高いので、少しは生育の遅れを取り戻せているのかな。
(2010.06.26)




真夏のような日が続いているので、ほぼ追いついたようです。
今年のように蒸し暑い梅雨は仙台平野では、めずらしいです。
(2010.07.06)




これだけ暑い日が続いても、スパータンは一度に熟さないんですね。
収穫期間が長いタイプなのでしょう。
(2010.07.10)




今年のように雨の降らない干ばつの年は難しいですね。
新しい枝も少ないし、害虫にやられて葉も少なめで
来年が思いやられます。
(2010.10.05)




空港畑に移ってから、8年目のほうが背が高くなってきました。
両方のスパータンが元気なのが何よりです。
(2010.10.05)


















<この後の成長を載せていく予定>








<空港畑・・・3年目>


新しく空港畑にハイブッシュ系を植付け始めました。
春に植え付け、根が活着したようで、枝が伸びてきていました。
空港畑は一列全部を接ぎ木スパータンで植え付けたいと思っています。
そんなに手持ちの数はないので、接ぎ木2年目の苗も植え付けています。
(2007.06.09)




<空港畑・・・4年目>


昨年はそれほど枝が伸びてくれませんでした。
4年目同士としては接ぎ木アーリーブルーのほうが生育が良かったかな。
まあ、あせらず今年は枝を伸ばすように世話をしましょうか。
(2008.04.22)



新枝が伸びてきています。
今年、どれだけ成長してくれるかな。
(2008.06.03)



手前3本が4年生、奥が6、7年生です。
4年生になると良い感じになってきますね。
(2008.06.10)



1本葉色の悪かった4年生が気になっていたので掘り起こしてみました。
6〜7月中旬まで、宮城はカラ梅雨だったのと重なって根が伸びていませんね。
やはり乾燥がブルーベリーには良くないんでしょう。
(2008.07.22)



てな訳で13号鉢に緊急避難です。
夏の乾燥時期が終わったら、また畑に戻しましょう。
(2008.07.22)




<空港畑・・・5年目>


今年で接ぎ木5年目になります。
昨年の晩秋に畑に戻して最初の花が咲いてきています。
今のところは大丈夫のようですね。
(2009.04.28)



今のところ普通の成長ではないでしょうか。
これで実が着いて、葉色も保てれば文句なしなんですが。
(2009.05.08)




空港畑のスパータンの中では最も幼果の膨らみが早いです。良好な生育ですね。
まだ油断はできませんが、昨年の養生が吉と出たんじゃないかと思います。
(2009.05.26)




うーん、残念ですがやっぱり調子が戻ってなかったですね。
このあとはもう少し養生させるつもりです。
(2009.06.09)




こちらは接ぎ木四年目のほうです。
下増田の四年目のときほどではないですが、このくらいの葉色と成長ならまずまずでしょう。
わずかに収穫するのも同じパターンにしています。
(2009.06.09)




接ぎ木四年目の初収穫です。
今年は雨も多くて助かります。
(2009.07.04)




<空港畑・・・6年目>


一番遅くまで咲いている株なのですが、それにしても6月ですからね。
今年の異常さが現れていますね。
昨年の違う株の画像がちょうど同じ6月9日なので比べると歴然としています。
この株は昨年、アブラムシにやられた株なので今年は養生させるつもりでいます。
(2010.06.09)




















<この後の成長を載せていく予定>








<接ぎ木2年目での成長障害>

昨年春に接ぎ木したスパータンですが、その中のひと鉢が成長障害が起きているようです。
左の鉢は普通の成長を続けているのですが、右の鉢は葉が赤くなり調子悪くなっているようです。
接ぎ木1年目は普通に緑色の葉だったのですが、今年になって急に調子を崩してしまいました。
初めてのケースなのでこの後どうなるかわかりません。
とりあえず観察を続けていきます。
(2006.06.11)


その後の接ぎ木2年目です。
成長障害の右鉢は、葉色は緑色に戻りましたが、葉は小さいままで二次成長も僅かしか伸びてきません。
正常な左鉢はシュートも伸びて今秋には地植えできそうなのと比べると一目瞭然です。
どうしてこうなるのかは不明です。
(2006.08.23)












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