五色戦隊チルドレンジャー外伝
レッド☆ホット★チリ☆ペッパー
(ショート×2・赤井編)
オレの名前は赤井武志、十六歳。突然だが、今オレは辛い物に凝っている。世の中に辛い物といってもいろいろあるが、今日は某ラーメン店幻の激辛メニュー『レッド・ホット・チリ・ペッパー』に
「おっちゃん、レッド・ホット・チリ・ペッパー、大盛で!」
続いて宙が・・・
「俺は普通の醤油ラーメンで。」
・・・何ですと!?
「てんめ〜、宙、裏切り者!何普通のラーメン頼んでるんだよ!?」
「お前、何、そんなに怒ってるんだ?」
オレが文句を言うと宙の奴はいけしゃあしゃあとこう言ってきた。
「何!お前こそオレに付き合ってラーメン食うって言っただろうが!?」
「だから、頼んだだろ?ラーメン。同じ物食うとは言ってないけど。」
うぐぐぐぐ・・・。おにょれ、まるで瞬平の様な屁理屈を〜。
「へい、お待ち。」
店のおっちゃんの声に前を向くとそこに馬鹿でかいラーメン丼があった。そのラーメンは、何と言うか・・・赤かった。スープが赤い。麺が赤い。当然、具も赤だ。
「うわ!何これ!?」
器を覗き込んだ宙が声を上げる。スープや麺にある赤い粒、これは恐らく唐辛子だろう。スープは赤く濁ってトマトジュースの様だ。上に載っているのはキムチのはずなのだが赤パプリカみたいな色をしている。臭いも強烈だ。鼻の感覚が麻痺しそうだぜ。何だか見ているだけで、涙とか出てきそうだ。そんなわけで、出てきたラーメンはとにかく滅茶苦茶辛そうだった。
「お客さん、早くしないと伸びますよ。」
くっ・・・。オレとしたことがちょっとビビっちまったぜ。ここで食わなきゃ男が廃る!よ〜し・・・。
「いっただっきまーす!」(自棄)
パクッ(食べた音)
・・・・・・・・・・。
「お、おい、武志・・・?」
<返事がない。ただの屍のようだ・・・もとい、意識がとんでいるようだ。>
「うわ〜!?武志、しっかりしろー!!」
慌てた宙がとりあえず武志の体を揺さぶってみるものの、反応がない。赤井武志、十六歳、リタイヤ(その後宙によるレスキューあり)
<後書き>
サークル誌のテーマが『赤』だった際に、チルドレンジャー第一話を掲載した時、原稿が三分の二ページ程余ってしまったので穴埋めの意味をかねて書き下ろした小話です。軽い感じで書いたお話なのでサラっと読んでいただけると嬉しいです。
2006/02/20 UP