Triangle

 

 

 

―どちらもかけがえのないくらい大事な人だから・・両方を好きでいてはダメですか?―

 

 

「緋桜・・何か迷っているだろう?」

 

任務ターゲットを全滅させ、刀を鞘に収めた緋天は、緋桜に話し掛ける。

 

短剣(ダガー)を持つ手が、操る剣さばきがいつもと違うことへの違和感。かすかに感じた“迷い”。

そして何より・・

 

「・・何でそう思うの?」

 

緋天に言われ少しばかり動揺するが、緋桜はそれを微塵も感じさせず即座に切り返す。

 

 

「剣を振るってる時のキレがない。」

 

「・・・バレてたのね。」

 

半ば予想していた緋桜は肩をすくめた。

 

「まぁ、おそらく俺には関係のないことだろうが、緋優とあいつらが心配するぞ。」

 

関係ないとは言いつつも、結局は心配している緋天。

それは、緋優の親友と言う理由もあれば仲間だからという理由もあるため。

そうでなければ緋天は、わざわざ言ったりはしない。

 

「ありがとう緋天・・申し訳ないけど、報告書出しておいてくれない?」

 

「いいだろう。」

 

了承の返事を得ると、緋桜は背を向け後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朝早く目覚めてしまった緋桜。

窓から空を見上げれば、差し込んで来る暖かい日差し。

たまには朝日を浴びてみるのもいいかと思い、散歩することに。

 

 

歩きながら緋桜・・サクラは悩みふける。

 

 

分からない自分のココロ。

緋妖の事が好き、それは今でも変わらない。

だけど、緋影にひかれる自分も確かにいて。

 

世間一般で言う、“二股”の状態に陥っている。

1つの想いを貫き通せない自分が嫌で。

でも、どちらかを嫌いになることなどできなくて・・。

 

そんな事を考えていたら、トンっと誰かとぶつかってしまったらしく。

 

 

 

「ごめんなさい!私の前方不注意で・・ってヒナタ!?」

 

サクラがぶつかった相手はヒナタだった。

 

 

「サクラちゃん・・あなたも散歩?」

 

「うん・・ちょっと考え事を・・ね。」

 

「緋妖と緋影絡みでしょ?」

 

「さすがね・・緋優。緋天に聞いたの?」

 

「ううん、今日の朝、ネジ兄さんの様子が少し変だったから問い詰めてみたの。そしたら緋桜の様子がおかしかったって言うんだもの。予想ぐらい立つわよ。」

 

(近い将来緋優の尻に敷かれるわね・・ご愁傷様、緋天。)

 

「で、何を悩んでるの?男共に打ち明けづらいなら相談に乗るわよ?」

 

サクラは悩んでいた経緯を話しだした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

聞き終えたヒナタはサクラに一言。

 

「自分の心は自分にしか分からないわよ。」

 

ヒナタは一呼吸置くと、言葉を紡ぎだす。

 

「私は2人共を愛しててもいいと思うわ。キープとかじゃないだろうし。」

 

「キープなわけないわよ!」

 

 

「・・だそうだけど?緋妖、緋影。」

 

「な・・アンタ達!?」

 

悪びれもなく出てくるナルトとシカマルを見て、ヒナタはクスッと笑うと・・。

 

「じゃあね、後は3人で話し合いなさいな。」

そう言って、瞬身の術により掻き消えた。

 

 

ナルトとシカマルはサクラに向き直り、紡ぐ。

 

「緋桜・・さっき緋優に言ってた事なんだけど。別に俺たちは構わないぜ?な、緋影。」

 

「あぁ、俺か緋妖以外というなら許さないけど。」

 

サラリと肯定の言葉を返す緋妖(ナルト)と緋影(シカマル)。

 

「でも・・」

 

緋妖は乱暴にも緋桜を腕の中に抱き寄せ囁く。

 

「でもじゃない、お前が決めれないと言うならそれでもいい。選べなんて強制しねぇよ。」

 

緋妖が手を離すと、今度は緋影に抱きしめられて・・

 

「お前がどっちともを好きならそれでいいだろ?、俺らがサクラを好きなのは変わらないんだから。」

 

あぁ、どうして彼らは、自分の欲しかった言葉をくれるのだろう。だけど、それが何よりも嬉しくて・・涙が零れた。

 

 

「ホント・・アンタ達って優しいわ。」

 

緋桜の一言に、緋妖と緋影はフッと笑うと声を合わせ、言い切る。

 

「「緋桜限定。」」

 

 

一緒に、いて・・。

 

 

―いつの間にか依存してしまって。2人を失ってしまったら・・私の心は壊れてしまうから。―

 

 

「・・サクラがいないと俺らがダメになるしな・・(ボソッ)」

 

「何か言った?」

 

「・・何でもねぇよ///

 

 

fin

 

 

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設定が狂っちゃってますね・・。

サク→ナルのはずが、いつの間にやらナル→サク←シカに!!

もういいや…設定変えよ(オイ)

 

〜緋才暗舞〜設定、1万HIT御礼フリー小説です。(こんなものが!?)

勝手に持ち帰って構いませんが、BBSかメールにてご報告くださると嬉しいです。

その前にこんな駄文、誰も持ってかないとは思いますけどι

 

 

 

 

 

<コメント>

【DARK MOON NIGHT〜闇月夜〜】の水崎涼華様の所で一万打フリーだった素晴らしい小説です。いや〜んvスレナル(緋妖)格好いい〜★(馬鹿丸出し)・・・シカマルは表でも裏でも基本的には変わっていないイメージ。水無月の所の黄天(スレナル)君もこれくらい格好よければ良かったんですがね。

 

 

2005/05/23 UP (取得は2005/05/04