桜満開、春爛漫。心地好い陽気に、ついつい居眠りをしてしまう人が続出してしまいそうな予感です。例えばここ、火の国、木の葉隠れ里でもそんな人がチラホラと・・・。忍術アカデミーでは
「火影様!仕事溜まってるんですから起きて下さいよ!!」
「・・・んあ、ワシは寝ておらんぞ。」
「それが充分寝てるんです!」
「まあいいじゃろう、イルカ。あと五分・・・。」
「寝ないで下さいぃぃぃ・・・!!」
里で一番偉い人であるはずの火影(三代目)が執務机に涎の地図を描いていたし、ある演習場では
「器用な奴だねぇ、ナルトは。」
「あ、本当。よく落ちないわね。・・・て、口から涎垂れてるじゃない!汚ッ。」
「ウスラトンカチが・・・。」
下忍チーム七班メンバーの内二人(うちはサスケ・春野サクラ)とその担当上忍はたけカカシがスリーマンセルの残りの一人(うずまきナルト)を呆れた様子で眺めていた。因みにカカシに器用と評されたナルトの体勢は、木の枝に膝の裏を引っ掛けた形でぶら下がりしかもその逆様の状態で居眠りをしているというものだった。どうやら元々は普通に枝に腰掛けた状態で居たのが睡魔に負けてずり落ちたらしい。
「春だしねぇ・・・。せっかくだからナルトが起きるまで俺達も寝とく?」
「フンッ。俺は勝手に修行させてもらうぜ。」
「あ!サスケ君、待ってよ〜。」
苦笑交じりにカカシが言った言葉に、サスケは踵を返し森の中に入っていき、サクラもまたその後を追っていった。その名と通り桜の花弁と同じ色をした髪が揺らめいてカカシの前を通り過ぎていった。
「そう言えば、あそこの桜そろそろ見頃だったよな・・・。」
『あまり知られていないけど、実はここの桜、里で一番綺麗なんだよ。』
遠き日に自分とチームメイトを里一番の桜の木の元に案内してくれた師の声が蘇る。カカシが空を見上げると気持ち良い位に晴れていた。きっと明日の天気も晴れだろう。
(・・・しめ縄先生、今日も木の葉は平和です。)
今日も里は平和です。〜花見編〜
「何で起こしてくれなかったんだってばよー!!」
「それ位自分で何とかしろ、ドベが。」
「ドベドベ言うなー!!」
「コラッ、二人共喧嘩しないの!」
夕暮れに染まった木の葉の演習場にナルトの叫びが響き渡る。サスケの言葉にナルトが一々反応し、喧嘩に発展しかけた所をサクラが止めるという七班お馴染みの光景が展開された後、カカシが徐に口を開いた。
「あ〜、明日の予定についてだけど・・・花見するから。」
『はい?』
「何だ、聞いてなかったのか?じゃあ、もう一回言うよ。花見に行く、これが明日の予定。」
思わず聞き返したセリフは三人見事に揃っていた。なかなかのチームワークである。しかしカカシは平然と明日の予定を繰り返した。カカシの言葉かそれともその態度にか、下忍三人に驚きと衝撃が齎される。
「先生!花見ってもしかしなくともあのお花見・・・?」
「そうだよ、サクラ。」
「何でだってばよ!?」
「いい質問だ、ナルト。そう・・・だなぁ、敢えて言うなら・・・春だから?」
挙手し質問をしてくる部下達に笑顔で答えるカカシ。
「とにかく明日弁当持って今日と同じ時間にここに集合ね。あ、おやつは五百円までだから。」
「はいはいはーい、カカシ先生質問だってばよ。バナナはおやつに入りますかー?」
「フンッ、くだらねーな。俺は行かねーぞ。」
「ブッブー。それは駄目だよ、サ・ス・ケ君♪ 全員参加に決まってるデショ?これ、上司命令ね。もし来なかったらお仕置きだぞ〜★」
いかにも楽しそうな調子でそう言うと、カカシは例によって例の如く煙と共に姿を消した。
「おい、カカシ!?」
「カカシ先生!?」
「行っちゃったってばよ・・・。(結局バナナはおやつに入るのかってばよ?)」
翌日、集合時刻約三十分前。すでにサスケは演習場に来ていた。正直花見なんぞ馬鹿馬鹿しい。そんなことをしている暇があったら鍛錬の一つや二つしたいというのが本音だ。しかし普段の習慣というのは恐ろしいもので、いつもの装備でいつも通りの時間に集合場所に辿り着いている自分がいた。生真面目な正確が災いしてか、悔しいやら情けないやらで、サスケは心の葛藤に苛まれた。それはともかくとして、いつもならサスケが来て十分以内にはサクラが来ているのだが、今日はまだ来てなかった。実は昨日カカシが消えた後
『サスケ君!私、明日サスケ君の分のお弁当も作ってくるからv』
『・・・食えるのか?』
『ひっどーい。普通に美味しく作れるもん!』
『サクラちゃん、俺!俺の分は!?』
『うーん、ナルトのは時間があったら?期待はしちゃ駄目よ。』
『サクラちゃーん・・・(涙)』
というようなやり取りがあったのだ。どれだけ作ってくるかはサスケには判らないが、恐らくギリギリまで準備をしてくるつもりだろう。
(まあ、以前作ってきた洋菓子はなかなかな出来だったよな。)
サスケがそんなことを思っていると、見覚えのある黄色いツンツン頭が目に入った。
「おお、サスケ。散々文句言ってた割には一番乗りだし!」
「仕方ねーだろ。一応上司命令だしな。お前こそよく遅刻しなかったな。」
集合時間まであと十分はある。カカシ程では無いにしろ、いつも遅刻ギリギリか完全に遅刻のナルトである。サスケの言葉は当然といえば当然だった。
「何か今日は早く目が覚めたんだってばよ!それよりサクラちゃん、サクラちゃんはまだ?」
「まだだ。(大体見れば分かるだろーが・・・)」
腹の中のコメントは相変わらず辛口のサスケである。
「ふーん、いつも早いのにね。」
「・・・。(つーか、お前がいつも遅いんだろ。)」
それから二人は特に会話をすることもなくサクラを待っていた。ところが三分もしない内に沈黙に耐えかねたのかナルトがサスケに話しかけてきた。
「なあなあ、サスケ。サクラちゃんどんなお弁当作ってくると思う?」
「普通に握り飯とかだろ。」
「サスケ、夢がないってばよ・・・。」
「たかが花見弁当如きに夢を持たれても困るだろ(サクラが)。」
「やっぱお弁当って言ったら玉子焼きだってばよ。それからエビフライに唐揚げに・・・。」
「このウスラトンカチが・・・ん?おい、ナルト。この紙袋は何だ?」
指折り数えてお弁当のメニューを挙げるナルトから目を逸らしたサスケは、ナルトの横に見慣れない紙袋(手提げ式)が置かれているのに気づいた。
「・・・ハンバーグも捨てがたいってばよ。ああ、それ俺の昼飯が入ってるってばよ。」
ナルトが袋を広げて中身を見せる。
「・・・て、カップ麺ばっかじゃねーか。」
「何だとサスケ!俺の好物にケチつける気かってばよ!?」
「別にお前の嗜好にどうこう言う気はないが・・・お湯はどうするんだ?花見は野外でやるもんだぞ。」
「それなら問題ないってばよ!」
自信満々な態度でナルトは言った。
「何か当てでもあるのか?」
「そんなのサスケの火遁でお湯沸かすに決まってるってばよ!」
ビキッ
もし第三者がこの場に居たとしたら空気が凍りつく音を感じ取れただろう。
「そんなに俺の火遁が見たいなら今すぐ見せてやるよ・・・火遁、豪火球の術!!」
「うおあ!?」
突如隣で湧き上がった強力なチャクラにナルトがサスケの方を向くと、間髪入れずサスケの十八番『火遁・豪火球の術』が発動した。これまでの修行の賜物かそれを何とか回避するナルト。しかし・・・
「あー!俺のラーメンが!?」
カップラーメンが詰まった紙袋(ナルトの昼食)は見事消し炭と化したのであった。
「テメー!何てことしやがるんだサスケ!?俺のお昼が〜!!」
「知るか。」
「ムキー!!」
「ゴメーン、ちょっと遅れた〜。」
『!?』
ナルトがサスケに突っかかり、今にも決戦の火蓋が切って落とされようかという時だった。年頃の少女らしいソプラノの声が聞こえたのは。二人が声のした方を見れば、中型犬一匹入りそうな大きさのバスケットを手にサクラが駆け寄ってくる。
「おはよう、サスケ君。今日もカッコイイね★」
「サクラ・・・。よくもまあ恥ずかしげも無くそういうことが言えるな、お前は(赤面)」
「だって本当のことだもんv それからサスケ君、挨拶返しはマナーの基本よ?今はまだいいかもしれないけど、将来上忍とかになったら偉い人とお付き合いするはずだから、マナーは大切だよ。」
「ああ、おはよう。」
「サクラちゃん、おっはよー!」
「おはよう、ナルト。今日は遅刻しなかったのね、偉いじゃない。」
「サクラちゃんだって時間ギリギリだったけど全然遅刻してないってばよ!」
「そうね、カカシ先生に比べたらね。」
サクラがクスリと笑う。
「今日は何分遅れるのかしらね?」
「何十分の間違いだってばよ!」
「何時間の間違いだろ。」
サクラの言葉にナルトとサスケが加えて、それが何だか納得できてしまい、ナルトが噴き出したのをきっかけに三人は笑いあった。
「今日は枯れ木に灰を撒いて花を咲かせ・・・。」
『ハイ、嘘!』
集合時刻から約一時間後、姿を現したカカシにナルトとサクラのツッコミが入る。これでもカカシの遅刻癖から考えれば早く来た方だというのが悲しい。何はともあれ、これで七班全員集合だ。次はいよいよ花見の場所に出発である。
「それじゃ、今日の予定の確認。みんなで花見!以上!!何か質問がある人〜。」
「はいはいはーい!」
「ではナルト君。」
「どこでやるのかってばよ?」
「とっておきの場所・・・とだけ言っておこうか。」
「本当に花見だけなのか?」
「何、サスケ、不満なの?」
「・・・。」
「おおいに不満みたいだね。仲間と親睦を図るのも大切よ?」
「先生、お花見って言ってましたけど、報告書にはどう書くつもりなんですか。」
「うーん、面倒臭いから修行の一環ってことにしようと思ってるけど?」
「じゃあ修行にしろよ。」
「何言ってるの。花見に言って花を愛[め]でないでどうするの。」
「だから俺は花見をしろとは・・・。」
「俺は別に花見で構わないってばよ。やったことないから楽しみだし・・・。」
「私も一応装備一式用意してはいるけど、せっかくお弁当作ってきたし・・・。」
「・・・。」
どうやら多数決によりサスケの意見は封殺されるらしい。
「じゃあサスケのリクエストもあったことだし修行も兼ねて遠回りしてこうか。」
・・・という訳でもなかったようだ。カカシの言葉に微妙な表情を浮かべるサスケ。そして期待に瞳を輝かせるナルト。サスケとナルトに励ましの声をかけるサクラ。そんな部下を見やりマスクの下で人の悪い笑みを浮かべるカカシの姿がそこにはあった。
☆只今七班移動中♪(しばらくお待ちください。)☆
「た、確かに修行の一環だ・・・。」
「し、死ぬかと思ったってばよ・・・。」
「お弁当無事で良かった〜・・・。」
「俺のフォローのおかげだぞ、サクラ。」
「分かってますよ。カカシ先生にもお弁当あげますよ・・・。」
これは現場に目的地到着した直後の彼らの会話である。カカシ以外は結構ボロボロで桜を愛でる所ではなさそうだ。どうやらこの場所に来るまでいろいろ大変だったらしい。例を挙げるならば崖をチャクラを使って垂直に歩いて降りたり、アカデミーの某趣味人が作った生徒の演習用のはずなのに明らかに対アカデミー生レベルでないトラップの数々に遭遇したりしていた。
(そう言えば俺達が先生連れて来てもらった時もこんな感じだったな〜。)
ヘタレ込みそうな三人を見てカカシは思う。
(あの人って何だかんだ言って天然だったし、笑顔でエグイことするはしかもそれに気づかないはで・・・あ、何か思い出したら腹立ってきた・・・・・・。)
思い出は美しいものばかりではないという例である。
「それにしても綺麗よね〜。」
「うん、綺麗だってばよ!」
「サスケ君もそう思わない?」
「・・・ああ。」
ようやく落ち着いてきたのか桜の大樹を見上げ感嘆の声を上げる三人。
「アカデミーの近くにもあったけどこっちの方がずっと綺麗だってばよ・・・。」
「お前に風流を解する心があったとは驚きだな。」
「何だとサスケ!?」
溜息でもつきそうな調子で桜を見上げるナルトにサスケが相変わらずの憎まれ口を叩いた。
「まあまあ、二人とも・・・。(それにしても毎回毎回よく飽きないわね。)」
またもや険悪になりそうな雰囲気をサクラが仲裁する。
「そんなに見つめると穴が開いちゃうわよ。・・・ナルトは桜が好きなの?」
「うん、大好きだってばよ!何てたってサクラちゃんの花だもん!!」
「ヤダー、ナルトってばくっさーい!」
照れ隠しかナルトの背中をバシバシ叩くサクラ。
「俺もさくらは嫌いじゃない・・・。」
ボソリとサスケが呟く。照れているのか頬が少々赤い。
「え?サスケ君、今何て・・・。」
「何か、サスケ顔赤いってばよ?熱でもあるんじゃ・・・。」
「もしかしてさっきのトラップに遅効性の毒が!?カ、カカシ先生!!」
「ち、違う!大丈夫だ、サクラ。」
毒による発熱かと盛大な勘違いをかまし、慌ててカカシに助けを頼もうとするサクラ。それを止めようとするサスケ。しかし彼女を説得する前にカカシが返事をしてしまった。
「呼んだ〜、サクラ?」
「あ、カカシ先生。実は・・・。」
「だから何ともないって言っている。」
「それで結局何なの?」
「え〜と、そ、それは・・・。」
サスケに睨まれて口篭るサクラ。そんな時だった。
ぐうううううううぅぅぅぅぅ・・・
緊張感のない見事なまでに話の腰を折る威力を持つ音がしたのは。特にここは静かなので素敵な位に音が響いてくれる。三人が音のした方向に目を向けると、ちょっと跋が悪そうな表情で佇むナルトの姿があった。
「ゴメン、俺、腹減ったってばよ・・・。」
どうやらあの間抜けかつ盛大に響いた音の正体はナルトの腹の虫らしい。
「えーと、じゃあ、とりあえず、飯にする・・・?」
カカシの提案に三者三様の形で肯定を示したナルト・サスケ・サクラであった。
「はい、サスケ君!」
「・・・ありがとう。」
お弁当を広げそのいくつかを小分けにしてサスケに差し出すサクラ。それを傍目にはポーカーフェイスであるが内心照れつつ受け取るサスケ。
「どう?美味しい??」
「・・・旨い。」
「良かった〜v ホラ、これも食べてみて。自信作なんだよ?」
「ああ・・・。」
『・・・。』
目の前で展開される光景にいろいろな意味で困惑するナルトとカカシ。二人もサクラが作ったお弁当をご相伴に預かっているのだが・・・(ナルトに至っては弁当を焼失した為)
「サクラちゃんのお弁当確かに美味しいんだけど・・・。」
「味が全部サスケ好みなんだよな・・・。」
そう言って引き攣った笑みを浮かべる。
ガサッ
当然の物音に一同が振り返ると、そこにいたのは日向ヒナタ(下忍チーム八班所属)だった。もちろん彼らは腐っても忍なので誰かが近づいているのには気づいていた。それでも知り合いが出現したことに多少は驚いていた。
「ヒナタ!?」
「あ、あの、ナルト・・・君、その・・・今日は・・・・・・。」
「オウ、今日はだってばよ!」
赤面してもじもじしながらも挨拶するヒナタに握り飯片手に元気よく答えるナルト。
「そ、それでね・・・、あの・・・その・・・・・・。」
「どうしたんだってばよ?」
「あ、あのね!サクラちゃんに、その・・・誘われてね・・・お花見来ないかって・・・・・・。ホラ、丁度私達の班お休みだったし!それで・・・シカマル君が・・・あの・・・多分この場所だって・・・その・・・教えてもらったの・・・・・・。」
内気なヒナタにとっては理由を説明するのも一苦労である。
「ふーん・・・。」
ヒナタの話を聞きつつも食事を口に放り込む手を休めないナルトに、ヒナタ自体に興味を示していないサスケ。そしてカカシはヒナタの主張を聞いた後、サクラに尋ねた。
「本当か、サクラ?」
「うん。だって先生別に他の人誘うなとはいってなかったでしょ?それに私一人で先生とナルトの分まで作るの難しいと思ったし(お替りされる可能性が高いから)。まあ、サスケ君の分は当然なんだけどね★」
「そ、そうなんだ・・・。」
お茶目に舌を出すサクラにカカシは乾いた笑みを浮かべるしかなかった。一方・・・
「だ、だからね・・・ナルト君・・・い、一緒にお弁当・・・食べて・・・くれ・・・ま・・・す・・・か?」
(言った!頑張って言い切ったよぉ・・・。)
精一杯の勇気を搾り出してお弁当の詰まった風呂敷包みを差し出すヒナタ。
「良い良い、大歓迎だってばよ!(わーい、食い物だーv)」
「あ、ありがとう・・・。」
ヒナタは頬を染めてはにかんだ表情を浮かべた。
(ヒナタってば嬉しそうね。やっぱり誘って正解だったわ。)
ヒナタのほんわりした様子を見て、サクラも笑った。なお、そんな彼女の笑顔に不覚にもときめいてしまった人物がいたことはまた別のお話である。
(それとシカマルにフォロー頼んでおいて良かったわ。私ってば先見の明あるかも♪)
「サクラ?」
「ううん、何でもないよ、サスケ君。」
(残りの契約もしっかり遂行しなさいよ〜。)
胸の内でシカマルに檄を飛ばしつつサクラはサスケに微笑んだ。
因みにその頃、奈良シカマル(下忍チーム十班所属)の元にはどこから話を聞きつけてきたのか二人の客が訪れていた。
「ねえ、シカマル!サスケ君知らない!?」
「シカマル!ヒナタ様は何処だ!?」
「知らねーよ(本当は知ってるけど)。」
その客とは同じ班の山中いのとヒナタの従兄にあたる日向ネジである。
「大体、何で俺なんかに聞きに来るんだ?」
面倒臭そうにシカマルが尋ねると、二人の様子は殴りこみを思わせた最初の勢いはどこへやらである。
「えーと、ホラ、あんたIQが200だか300あるんだし。勘で分からないかな?とか思ってさ・・・。」
と言うのはいの。
「俺は占い師か何かかよ・・・。」
それにシカマルがやる気のないツッコミを返す。すると今度はネジが口を開いた。
「では聞くが、今一番の桜とは何処だ?」
「あ、それは私も気になってたのよ。お花見にベストなのは八分咲きでしょ。この時期の里の桜ってもう満開を過ぎかけてる状態のばかりじゃない。まあ、そういうのも悪くないとは思うけど・・・。」
「ふーん、そういうもんか?面倒くせーな。」
ネジの言葉にいのが口を挟み、さらにシカマルが興味無さ気にコメントする。
「どうでもいいが俺に聞いてくる時点で人選ミスじゃねーか?」
『・・・・・・。』
「ムカつく〜!シカマルのくせに生意気よ!?」
「ここまできたら一連卓上だ。お前もヒナタ様の捜索を手伝え。」
「は?」
「何言ってるのよ日向ネジ!ヒナタよりサスケ君が先に決まってるでしょ!?」
「ヒナタ様だ。」
「サスケ君よ。」
「おいおい、お前らな〜・・・。」
「ヒナタ様!」
「サスケ君!」
「俺の意思は無視かよ・・・。」
その後いのとネジの喧嘩はギャーギャー喧しく一時間近くにまで及んだという・・・。
桜満開、春爛漫。木の葉下忍(の一部)は恋の季節。恋の桜は咲くのか散るのか、咲き頃・見頃も人それぞれです。中には見たくも無いのに花見をする羽目になった人もいらっしゃいますがそれはご愛嬌。これもある意味平和な証拠。今日も里は無駄に平和です。
御終い
<後書き>
実はこれ当初の設定ではイノ→サスサク&ナルヒナ←ネジでした・・・。何かもう最後の方に申し訳程度って感じです。どちらかといえば七班ほのぼのでしょうよ、この内容だと。原作に近い感じでナルサクサスに見えなくもない(笑) 一応ナルトはサクラを好きだけど家族愛に近いという設定なんですが・・・。ナルトの奴シスコンかい?(爆)
それにしてもNARUTOキャラは口調が難しいです。初書きだしなあ・・・。あと冒頭の火影様のシーンは三代目にするか五代目にするか迷ったんですけど(どちらかといえば綱手とシズネの方がしっくりくる気がするし)、カカシ先生の心のセリフに合わせて敢えて三代目にしてみました。大蛇丸や暁の脅威も感じられないということで。因みにイルカ先生が出てきたのは何となくです(死) シカマルが出たのは自分の趣味です。でもその内彼が絡む裏話の方も書くつもりです。
追伸:四代目のキャラが変で申し訳ない!