2014年 新春企画
MFBウーファ・システム/アダプター編
MFBウーファ・モジュール用アダプタ
回路
MFB基板(MFB
Adaptor Board)と電源基板(Power Supply Board)、筐体(Main
Frame)の3ブロック構成だ。
MFBウーファ・モジュール用アダプタ回路
MFB基板(MFB Adaptor Board)
最終的な音質は、デバイスや配線材
とその引き回しで決まる。FET入力の2604(B.B)をチョイスしてウーファ・レベルMFBレベルの摺動ノイズを抑えた。DCオフセット20mV以内の選別品だ。抵抗は1%1/2W「ススム」、キャパシタは「メタライズド・フィルム」を選別して0.1%精度で左右を揃えた。電源のパスコンはニチコンゴールド
、ポテンショメータはコパルをチョイスした。47.5mm x 72mmの小型基板に実装した。
MFB Adaptor Board
MFBウーファ・イコライザ(EQUALIZING INTEGRATOR)
MFBシステムはインテグレータ(積分器)込でボイスコイルを精密に制御する。ボイスコイル以降のMFBウーファ・モジュール固有の特性を補正した。
MFBウーファ・モジュール補正特性(緑):サブソニックフィルター併用(赤)
MFBウーファ・システム振幅特性 (MFB -30dB)
MFB,回路(MFB processor)
位相補償を施して50dBを超えるフィードバックをを可能とした。MFB運用レベルを-30dBとしても20dB以上のマージンを確保した安定動作が可能だ。
モーショナル・シグナル位相補償特性
MFB改善特性
最低共振周波数を中心にMFB量に比例した周波数帯域
で改善される。MFB-30dBの場合
では上下に10^(30/20)=31.6倍、2.2Hz〜2.2KHzに及ぶ。ウーファの受け持ち帯域を300Hz以下と
した場合でも20dB以上のMFBが確保できる。
MFB改善特性
ポップノイズ・キラー(POP
noise killer)
パワー
・オン・シーケンスのミスで生じる不快な異音/ポップ・ノイズを軽減する。いざという緊急時、電源スイッチを切ればアダプター出力を瞬断してくれる。
パッシブ・デバイダ(main
frame)
合成特性が入力信号と等しい-6dB/octのパッシブ型ネットワークを組み込んだ。HF側に47kΩ負荷インピーダンスを想定している。
パッシブ・デバイダ特性(シミュレーション)
改善 : 歪率
フラットなアンプによる従来のドライブと、MFBドライブにおける歪率の改善は、振幅特性が全く異なるため同列での比較が難しかった。測定系を工夫して振幅特性を正規化し
た1W相当における1kHzまでの歪率の参考データだ。ダイアフラム共振により最低共振周波数以下でひずみが激増する従来のドライブとは異なり、MFBドライブは大幅に改善される。
従来のドライブ
*MySpeakerを独自に応用しています
MFBドライブ
*MySpeakerを独自に応用しています
改善 : 再生波形
スピーカ再生で歯がたたなかった40Hzトーン・バースト信号だ。バスレフ型やバックローデッド、TQWTなどより、はるかに素直とされる密閉型エンクロージャでさえ、フラットなアンプによる「従来のドライブ」は振幅が不足し1波目と4波目
(最初と最後)の周期(ピッチ)が全く異なってしまう。「MFBドライブ」はレベルばかりではなく周期まで正しく再現される。
聴けば誰でも違いが明らかだ。音の質が全く違う。
40Hzトーン・バースト信号
従来のドライブ(スピーカ再生) MFBドライブ(スピーカ再生)
改善 : 振幅特性
20Hzまで-3dB以内、パイプオルガン基音の32Hzをロスレスで再生する。
振幅特性
*MySpeakerを独自に応用しています
改善 :
サインショット応答波形
MFBウーファ・システム単体では高域700Hzまでサインショット応答波形が改善される。
サインショット特性
*MySpeakerを独自に応用しています
エピローグ
ゴールは、「音楽」と「再生音」が同じ、すなわち入力信号とスピーカからの音響出力がプロポーショナルであることだ。30dBものディープMFBにより、ダイヤフラムの振る舞いは改善の域を超え別物という表現がふさわしいほど激変する。
ボイスコイルがドライブ信号通りに動き、ドライブ信号通りに止まる。MFBこそが、本来あるべきパフォーマンスだ。低域の音量をMFBウーファ・モジュールに求めて最適な性能をテーラー・メードで作りこんだ。MFBによ
り、手に入らなかった夢の性能がずらりと並ぶ。ようやくゴールを垣間見た気がする。あと、もう、ちょっとだ。