友人宅の超大型スクリーンに映る等身大のリアリティは素晴らしくめちゃめちゃネジを巻かれたのを覚えています。プロジェクション・システムを導入するなら映画館のプレミアム・シートのように、ソファに深々と座って視界いっぱいの大スクリーンを見下ろす感じにできたらいいなと思ってしまいました。オーディオ・ルームに設置するとして最大のスクリーンサイズは?ネットで調べるとマックス100インチでした・・・・。

フェーズ I
メーカのシミュレーションによればプロジェクタ設置の垂直上限はスクリーン上端か、垂直シフトを備えたプロジェクタでもスクリーン縦寸の+40%です。推奨視聴距離はHDTV(2k)はスクリーン縦寸の3倍、最新の4kは同1.5倍とされ、将来の8kでは0.75倍が目されます。推奨視聴距離はブラウン管の画面が荒かったNTSCの時代、ラスターと呼ばれた水平走査線が見にくくなる以上の距離が経緯です。一緒くたに2kと呼ばれるフル・ハイビジョンの画素は1.5倍以内に近づいても邪魔になりません。メーカの推奨設置ではスクリーンに近づける限界は自分が陰にならない矢印のあたりまでです。もっと近づくには、プロジェクタを更に高く設置して斜め下に向けて投影すれば良さそうです。 

100インチスクリーンとプロジェクタの関係

プロジェクター設置ボックスを新設
オーディオ・ルームはステレオ・イメージが決めるスピーカ配置が最優先です。スクリーンで覆うわけには行きません。レンズ面から後ろのプロジェクタの奥行も考慮せねばなりません。もっとスクリーンに近づくには、プロジェクタは更に高く設置したい。Web情報だけではプロジェクタの選択は困難でした。

フラット・パネルより大画面がプロジェクション・システムのメリットです。スピーカ前面のスクリーン設置では、後壁まで270cmがせいぜいです。大工さんにお願いして、穴を開けてもらい奥行90cmのプロジェクタ室を作ってもらいました。スピーカーがさらに前にせり出しても余裕で投影距離が確保できます。

プロジェクター室外観

 

 

プロジェクタ室開口部

 

80インチスクリーン
オーディオ・ルームに予定していたスピーカ・システムは、長年の愛機マーチン・ローガンのCLU型でした。発音体を覆わない横幅からスクリーン・サイズを80インチとしました。 プロジェクタ室上端が天井高2.55mと十分に高いため、スクリーンにかなり近づける配置になりました。 

水平であるべきプロジェクタを斜め下に向けてはたして、台形補正機能で補正しきれるのか?また、スクリーン隅々までフォーカスが取れるか?。チョイスしたBenQ MH680型を特製台座に乗せ、スクリーンを天井いっぱいまで上げて台形補正をいっぱいにかけることで収まりました。

80インチ・プロジェクション・システム配置

 

 

台座をゴム・ブロック(東急ハンズ)とまな板(IKEA)で製作

 

 

斜め下に向いたBenQ・MH680型

 

 

80インチスクリーン全面にパーフェクトにフォーカス

 

コンクルージョン
オーディオ・ルーム形状の制約で天井近くの設置ですが、リクライニング・ソファから見上げる2m先の80インチ・スクリーンは視界いっぱいに広がりブルーレイのハイビジョン作品を十分に楽しむことが出来ます。ところがPCオーディオ画面としてのプロジェクタはファン騒音が大きく我慢しがたいものがあります。

ファンレス2kプロジェクタは存在しません。それならAVとオーディオは排他使用がベストです。スピーカを覆って良いなら、スクリーン・サイズに制約はありません。プロジェクタを斜め下を向けすぎてアスペクト・レシオが少し損なわれたことも気になっていました。スクリーンを見上げずに正対できればとも思います。

マーチン・ローガンCLU型コンデンサ・スピーカにも限界を感じていました。マイクロフォンが拾った音を「何も足さない、何も引かない」そのまま聴きたい。理想に近づいたオーディオ・ルームは皮肉にも名機であっても音の個性ともいうべき固有の響きが明確に耳に障るようになり外して使用を中止してしまいました。

半年ほど過ぎたある日、どうせなら部屋に入る最大のスクリーンサイズを・・・フェーズIIに続く