プロローグ
やっぱり4Kビデオは4Kで観てみたい.プロジェクタの4K化となるところだが長期に運用してAV視聴にどうなのと思う「頭上で唸るファン騒音」「起動時間・終了時間の長さ」「暗 さ:絶対的な輝度不足」などが改善されないと検討する気にならない.近づけばスクリーン・サイズは相対的に大きくなるので4Kパネルを検討した.

OLED55E6P/LGエレクトロニクス
チョイスは,3D対応のLGエレクトロニクス社製OLED55E6P型55インチ有機液晶TVだ. ディスプレイ・デバイスとして,ルミナンス・レベル0のブラック・シグナルや同じく100のサチュレーションの絶対輝度,画素単位のトランジェント特性など基本性能で有機液晶が唯一だ.

OLED55E6P型TV附属品


AVルーム設置の模様

圧倒的な明るさ/リアルさ
有機液晶パネルの明るさはシーリング・ライトの直下でもスポイルされることが無く圧倒的だ.プロジェクション・システムは真っ暗な暗室環境が必須で,比較 そのものが無意味だ.液晶パネルやDLPなど従来の表示デバイス に不満だった見えてはいけないルミナンス・レベル0のブラック ・シグナルが暗室の環境でもあたりまえのように見えない!素晴らしい.HDR対応HDMI入力や,エア・マウス機能リモコン,2Dソースの3D化や4Kコンバートなど機能満載だ.

100Mbpsの4Kビデオで収録した見慣れた風景は 「あの日あの時」の記憶を彷彿させる.パネル・サイズが掃き出し窓枠いっぱいまで大きければ,ガラス越しに見る景色と見間違えるに違いない.導入してわかった もう一つの長所がAVルームに必須なファンレス仕様だ.現時点で入手可能な圧倒的なアドバンテージだ.

4Kビデオを等倍の4K表示

立体(的)な4K,立体の3D
最新の4Kパネルに3D機能が見つからない.フルHDソースとフルHDパネルの組み合わせと比べれば4Kソースと4Kパネルの組み合わせは空気感や奥行きが感じられるがパネル面からの奥行きに限定される.高解像度のスティルと 同列で,視点を動かしても平面のまま錯視の域を出ない.

フルHDの3Dソースを3Dパネルで観る立体はソースに依存するが,伸ばした手を重ねることができるほど手前に飛び出して結像する.視点を動かせば隠れていた影の部分が見え始めるさまは4K2Dの平面的表示とは雲泥の差 で別次元の表示だ.2Dビデオの3Dコンバート機能も楽しい.

3Dメガネはサーキュラ・ポラライザ(円偏向)で,不用意に頭が傾いてもクロストークが発生しない.重く暗い液晶シャッター式と異なり明るく軽く快適だ.メガネ・ユーザは ,みなとみらいのイオン・シネマで安価に入手できるクリップ・オン3Dメガネがそのまま使える.

3D詳細設定画面

コンピュータ・ディスプレイ (GAME)
Xeon(E3-1265L v4/RAM16GB/SSD480GB/Win10pro)マシンからのHDMI出力をソニー製STR-DN1080型AVアンプ経由でHDMI入力した.表示画面を拡張するに設定することでOLED55E6P型TVがサポートする解像度がリストされる.

HDMI入力はデフォルトのままでは入力に対して表示に遅延が感じられる.映像モードを「GAME」に設定すれば遅延 は改善される .HDMI入力ごとに映像モード設定が記憶されるのでコンピュータやゲーム機は直接接続してTV側で切替ると良い.

コンピュータ・ディスプレイの解像度リスト(一部)

ウォール・マウント
リビング・ルームに壁掛け設置した.対象壁面は針葉樹12mm厚べニア2重構造で電源コンセントや有線LAN/アンテナ・コネクタなどを設えてある.4mmΦのドリル下穴に76mmセルフ・タップ・スクリュで レール を壁に取り付け,マウント重ねてボルト締めする.

OLED55E6P型有機液晶TVの底面の壁掛け用のブランク・パネルを取り付け, ウォール・マウント・ブラケット同梱のアダプタをリアパネルの4か所にボルトで取り付ける.装着はブラケット4隅の穴に嵌め込めば完了だ.装着した状態で微妙な水平出し にも対応する.

外光が差し込む明るいリビング・ルームでも十分に明るい.別の部屋に設置したビデオデッキに収録したコンテンツもネットワーク越しに視聴できる.

レールを76mmセルフ・タップ・スクリュで壁に取り付け

 

ブラケットをレールにボルト締め

 

リビング用のOLED55E6P型TV

エピローグ
4Kビデオと4Kパネルの組合せにより,最高のパフォーマンスが得られる.更なるパフォーマンスは, 2KフルHDのプロジェクション・システムのパフォーマンスが4Kビデオにより発揮できたように,1クラス上の8Kビデオにより期待できるに違いない.年末 に放送開始の新4K・8K衛星放送が楽しみだ.

従来のディスプレイ・デバイスに対して多項目で優位な有機液晶パネルだが,没入感に浸れる120インチ・スクリーンを見慣れた目にサイズ不足は否めない.プロジェクタも,いつの日 にか4K化と同時に高輝度,固体化 ,ファンレスで実現してみたい.