2023年 8月 25日

プロローグ
ワイヤレスマウスやワイヤレスキーボード、TVやVTR、AVアンプ、ブルーレイレコーダ、CDプレーヤ、照明、エアコンなどのリモコン、ラジオやガスレンジ、体重計や電動歯ブラシなど実に多くの機器が乾電池を必要としている．環境負荷が大きい使い切りの乾電池から少しでも環境負荷が少ない充電池に置き換えを進めている．

 

アルカリ乾電池の容量
アルカリ乾電池に容量表記は無い．電池容量は放電電流x放電時間=電池容量(mAh)だ．単3型アルカリ乾電池の場合、20mA定電流放電では連続持続時間140時間となるので電池容量は2800mAhから1000mA定電流放電では連続持続時間0.9時間なので電池容量が900mAhへと激減する．このようにアルカリ乾電池は放電電流により持続時間と容量が大幅に異なるためだ．(参考：パナソニックPZ9060)
定電流連続放電のおよその持続時間
 放電電流 20mA 100mA 1000mA
単3型アルカリ乾電池  140時間 2800mAh 20時間  2000mAh 0.9時間 900mAh
単4型アルカリ乾電池     58時間 1160mAh 8.2時間 820mAh 0.35時間 350mAh

アルカリ乾電池とニッケル水素充電池の容量
アルカリ乾電池と異なりニッケル水素充電池は使用する機器にほとんど影響されることがないため電池容量が記される．アルカリ乾電池は消費電流により電池容量が変化するので消費電流が低い機器ではアルカリ乾電池が有利だが消費電流が大きな機器ではニッケル水素電池が有利となる．(参考：パナソニックPZ9060)
電流 vs 容量
⇧
容
量
  放電電流⇨
 

 

ニッケル水素充電池
ニッケル水素充電池の電池容量が2000mAhもあれば中電流から大電流の多くの機器がアルカリ乾電池よりも長時間使えそうだ．多くの機器が単3型と単4型乾電池使用だ．単3型ニッケル水素充電池としてGPの2050mAhを、単4型ニッケル水素充電池としてAmazonの800mAhとIKEAの750mAhをチョイスして使ってきた．

ニッケル水素充電池

 

時計

アルカリ乾電池が有利な機器は長期間使用するリモコンや時計とのことだ．壁掛け時計は全て電波時計に替えて久しいがアルカリ電池で1年以上は動くことを経験している．たまたま電波時計が電池切れで交換時期になったのでニッケル水素充電池を装着してみている．電波時計は問題なく使えるようだ．

 

電動歯ブラシ

電動歯ブラシは電池の交換頻度が比較的高い機器の一つだ．アルカリ乾電池の電圧が低くなると振動が弱くなる．大体1～2ヵ月毎の交換が欠かせなかった．ニッケル水素充電池に替えた直後はアルカリ電池ほど振動が盛大ではないが長時間電圧が維持するためする振動の低下が少なくアルカリ乾電池よりも長期間快適に使える．

電動歯ブラシにニッケル水素充電池

 

リモコン

エアコンやVTR、AVアンプ、電動スクリーン、プロジェクタなどのリモコンのアルカリ電池を交換した記憶はない．現在設置9年目のエアコンのリモコンも電池交換無しで使えているがさすがに液晶表示が薄くなっている．ニッケル水素充電池を装着すると電圧が1.2Vと低いため液晶表示は新品のアルカリ乾電池ほど濃くならない．

ニッケル水素充電池

 

Meresta1.6Vニッケル亜鉛充電池
液晶の表示の濃さは電圧に左右されるようで、電圧が1.2Vと低いニッケル水素充電池は不利なようだ．1.5Vまたは1.6Vをスペックする充電池をアマゾンで見つけた．専用の充電器が必須とのことだ．未使用アルカリ電池電圧は1.6Vなので充電器付属の単3型と単4型のニッケル亜鉛充電池をチョイスしてみた．

単3型ニッケル亜鉛充電池と専用充電器

 

単4型ニッケル亜鉛充電池

ニッケル亜鉛充電池入荷時電圧

ニッケル亜鉛充電池はみるもの触るのも初めてだ．入荷時の端子電圧を計った．1.7V前後と良くそろっている．

ニッケル亜鉛充電池納入時電圧

 

端子電圧
単3型ニッケル亜鉛充電池 単4型ニッケル亜鉛充電池
1.710V 1.717V
1.708V
1.718V
1.712V 1.706V
1.714V 1.712V
1.699V 1.712V
1.710V 1.707V
1.710V 1.715V
1.715V 1.713V

 

エアコンのリモコン

エアコンのリモコンに装着してみた．液晶表示がクッキリと濃く表示されるので良さそうだ．しばらく使ってみよう．

ニッケル亜鉛充電池を挿入

 

スケール

キッチンスケールや体重計などはアルカリ乾電池は数か月毎に交換の必要がある．ニッケル水素充電池に替えると液晶表示が薄く電圧が低いせいかアルカリ乾電池ほど長く使えない．ニッケル亜鉛充電池を装着すると液晶表示がクッキリと濃い．これも良いさそうだ．しばらく使ってみよう．

精密級スケールにニッケル亜鉛充電池を装着

 

体重計にニッケル亜鉛充電池を装着

 

ラジオ

ラジオは消費電力が大きくアルカリ乾電池でも連続使用時間が数時間程度と頻繁な電池交換が不可避の機器だ．ニッケル水素充電池は液晶表示が薄い．ニッケル亜鉛充電池は液晶表示が濃くくっきりと表示される．ところがニッケル水素充電池より短い時間しか使えない．

1.2V単4型ニッケル水素充電池

 

1.6V単4型ニッケル亜鉛充電池

 

ニッケル亜鉛電池の容量表示

よくよく見ると容量表示の単位がニッケル水素充電池の標準表記mAhでは無くmWh(電力時間積）ではないか．勝手な表記は困りものだ．電力時間積を公称電圧の1.65Vで除算した電池容量はニッケル水素電池より小さい．

1.6VMelesta充電池の容量
単3型ニッケル亜鉛充電池  2600ｍWh 1575mAh
単4型ニッケル亜鉛充電池     900mWh 545mAh

 

 

1.5Vリチウム充電池

アマゾンにあるもうひとつの1.5V充電池も容量の表記はmWhだ．公称電圧1.5Vで除算した電池容量は2050mAhのニッケル水素充電池よりも大きい．これなら液晶表示の薄い不便さがないし使用時間も長いはずだ．充電器付属の単3型1.5Vリチウム充電池と単4型の1.5Vリチウム充電池を追加で購入してみた．

1.5VDeleipow充電池の容量
単3型リチウム充電池　　　　 3400ｍWh 2267mAh
単4型リチウム充電池　  1200mWh 800mAh

 

単3型1.5Vリチウム充電池

 

単4型1.5Vリチウム充電池と専用充電器

 

納入時電圧

1.5Vリチウム充電池も初体験だ．入荷時の端子電圧を計ってみた．全数1.5Vとこちらも良くそろっている．

1.5Vリチウム充電池端子電圧測定

 

端子電圧
単3型ニッケル亜鉛充電池 単4型ニッケル亜鉛充電池
1.527V 1.520V
1.531V 1.528V
1.525V 1.512V
1.528V  1.526V
1.526V  
1.528V  
1.515V  
1.531V  

 

電圧 vs 容量

別メーカが示す 1.5Vリチウム充電池の電圧 vs 容量カーブだ． 1.5Vリチウム充電池は放電終始まで公称電圧が保たれるとのこと．

1.5Vリチウム充電池vsニッケル水素充電池

 

ラジオに1.5Vリチウム充電池を装着

ニッケル水素充電池は電圧が1.5Vと高く液晶表示が濃くくっきりと表示される．実際にアルカリ乾電池と同等以上の時間使える．

1.2V単4型ニッケル水素充電池

 

エピローグ

アルカリ乾電池からニッケル水素充電池に置き換えてみると、端子電圧が1.2Vと低いニッケル水素充電池に対応していない機器がほとんどで期待したほど使用時間が長くなかったり、液晶表示が薄かったりと使い勝手が今一だった．高電圧をスペックした充電池を見つけて試してみているところだ．ニッケル水素充電池も、ニッケル亜鉛充電池も、1.5Vリチウム充電池もまあまあの本数を購入した．とりあえずは適材適所で使い分けてそのうち統一したい．