Osyaberi-Syasinkan 3.2000
Bunkyo Photo Gallery

photo & essay : Singo Horiguchi 堀口真吾

神々の島へ

南洋の黒潮の中に突如として現れる洋上アルプス。
海から一気にせりあがり、山頂霞むその姿は、
雄々しくまた神々しくもある。
この島では、海岸線の亜熱帯林に始まり、
山中腹の巨杉を中心とする深い森、そして森林限界と
典型的な植物の垂直分布を見ることができる。
さらには高層湿原、険しい渓谷、
多くの滝と豊かな自然が数多く残されている。
島に上がり深い森を行くと、山の神を祀った巨木に会うことができる。
自然とともに暮らしてきた島の人々が神を信じ、祀っているのである。
今でも、神の祭日とされる日に山に入ることは禁じられている。
その日山に入れば、人は山の神に立木へと変えられてしまい、
二度と帰れなくなるからである。
また二十三夜は、山の神々が海へ下る神渡りの日である。
この日山に登ればチンチンドンドンに遭い、
取り憑かれてしまうと言い伝えられている。
他にも人魚の話、白鹿の話、木霊の話など、
島に伝わる神の話は数多くある。
自然を神として崇め、信仰していた日本がまだここにはある。
訪れたものも神々を信じ大切にしたくなる、
そんな気持ちになれる島、
屋久島へ。

photo- by,Singo.H-(

C)Singo Horiguchi
大王杉:  樹齢2000年

photo- by,Singo.H-  

ウィルソン株
10畳もある大きな株の内側から撮影


(C)Singo Horiguchi

 

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