おお 数々の奈落を持つ 揺るがざるものよ
汝の深みは支える
遙かに漂う世界と太陽を
星々が汝の上に現れる前より汝は在り
世界がもはや残らぬ時にも汝は在る
あらゆる太陽の勝ち誇りたる力と矜持が
まったき虚空に沈むときも
壮麗に広がりたる彼らの音楽が
より広大なる沈黙の中で消え果てるときも
汝は存在するであろう
神の意志は蒼天を闇たらしめる夜なり
そして宇宙の縺れ合いし組織を
滅ぼし散らす法なれど
彼の力も汝を征服すること能わざりき
おお 不可分なる無限よ!
汝を踏み歩きて宇宙を下り
汝の原初なる深みを相手に勝ち誇る光明を
汝はことごとく征服する
長き年月も尽き果て そして見よ!
もっとも強壮なる星々の焔を汝の暗闇が刈り取る
永劫を閲して続く戦にて
汝は惑星をその居所より引き離す
御影石の棘ある世界は
大陸の柱にて封印され 地下堂の
核心にしまわれたる彼らの財宝を
汝の腐食に明け渡す
果てしなき時の流れを通じて 過去に
いかなる太陽と世界が汝の獲物となったことか!
今 時の際限なき広がりに挑む天球は
終いにはことごとく 汝の薄明へと陥り
忘れ去られるだろう その生命は
沈黙に満ちたる耳へと
夜の問いを叫び発するのだ!
いかなる生まれざる世界が汝の力に立ち向かおうか
太陽の倦まざる力に囲まれておれど
その太陽が黙すれば闇へと沈下するのだから!
おお 比肩するものもなき深淵よ
汝の暗黒に抱擁されて いかなる光明が眠るのか──
いかなる星々の群の光輝なら
人の住む世界が取り逃さぬというのか!
汝の深みの内で いかなる動きが静まるのか──
いかなる惑星の旋回が久しく汝の糧となるのか──
束縛しがたき世界が
そこに飛びこみ 安らぎを得る
嵐に痛めつけられ 乗員の見捨てられた船の如く
そして巨大にして窮極なる蝕へと
永遠なる姿勢から落ちていく
太陽は安らぎを見出すだろう!
汝の沈黙の奈落はいかなる音を擁するのか!
巡り会う星々 その轟き渡る雷鳴
分岐する軌道の衝突
生命のか細き歌声をもって混じり合う
汝の静穏は抱え込む
賛歌と哀歌をひとつのものとして
そして忘れられざる戦いの喇叭の音が
祝祭の歌と共に
荒廃したる天球の都にて響き渡る
そして見出すことの能わざる
青春の日々に属する音楽が
昨日の言葉と共に鳴り響く
ああ! 誰が留まろう
汝の無音の世界──貪り喰らう潮流に?
おお 汝の手は星辰の光を摘みとる
世界も汝には熟れた果実に過ぎぬのか?
波もない汝の海を食い止める岸辺として
耐えるのに充分な障壁はないのか
途絶えざる測標もないのか?
今は静穏なれど
世界をも秘め隠す汝の深みは
燃え尽きし太陽の如く暗く
その内にて汝は何を目論む?
星辰の城塞 その力の周りにて
汝の緩やかなる包囲の環が狭まり
蹲りたる沈黙は雷鳴の力もて眠る
そこへ新たに進み出るは いかなる夜か?