「恋いのお手伝いいたします!」         其の三
バレンタインデー・ホワイトデーと春を前に忙しい季節になりました。
けど、「チョコレートあげる人もいいひんわ〜。」とおっしゃるみなさんにとっておきのお寺をお教えいたしまひょ。今回は恋愛成就のご利益でっせ。
まずは、女性のみなさんへ、東福寺さんのもうちょっと奥にある 泉涌寺(せんにゅうじ)。
ここは、空海さんが草庵にしたはったとこやそうで、皇室との縁も古いそうどす。
そら、古いお寺やさかい、見るもんかていっぱいありますやろけど、今回は 楊貴妃観音さんにご登場いただきまひょ。楊貴妃いうくらいどすさかい、造らせはったんは唐の玄宗皇帝はん。楊貴妃の冥福を祈るのにそっくりの仏像を香木で造らせはったとか。しかも等身大の坐像やとか。皇帝さんによっぽど愛されたはったんどすな。けど、この観音さんなんで日本へきゃはったんどっしゃろな〜。誰か知ったはったら教えとうくれやす。
いつのころからか、皇帝に愛された楊貴妃にあやかったら、きっと良縁に恵まれるやろ、いやいやまずはべっぴんになってから、と良縁祈願・美人祈願が絶えへんのやそうどす。がんばっとくれやっしゃ!
ほんで、男はんにお薦めのとこは、「つまとり地蔵」なるものがありますんやけど、知っといやした? そのまんまの意味どす。ええお嫁さんが来てくれはりますように、いうて親子できゃはる方も多いとか。秀吉さんのころからお参りにきゃはる人が跡を絶たへんのやそうどす。場所は下立売りの七本松あたりにある 祐正寺(ゆうしょうじ)さん。そないいうたら、聚楽第の近所どすな。女運の良かった(?)秀吉さんもお参りに来たはったのかもしれまへんな。ほな、このへんで、次回もお楽しみに、おやかまっさんどした。
 
「ご利益は食べてみとくれやす」        其の二
えらい かんにんどっせ。
VOL.1の時に「次ぎは毛の生えるお寺紹介しまっさ。」て載せましたけど、慌てて云うとかなあかんお寺がありましたんや。12月にしかご利益にめぐり逢えへんお寺どっせ。この際やし、特別に二カ所、お教えしまっさ。
まずは、京都市右京区鳴滝にある了徳寺。住宅地の中にある、どっちか云うたらこぢんまりしたお寺どす。けど、12/9.10にお寺の大釜で煮る大根焚きがおしてな、そのお大根を食べたら中風にならへんそうどす。今から750年ほど前に、親鸞上人が月輪寺に行く途中寄らはったそうで、その時、近所の人らがお大根を煮てもてなさはったんが由来やそうな。あついあついお大根にあったかいあったかい人の心を感じはったんでっしゃろなぁ。
で、もう一つのご利益は、矢田寺(矢田地蔵さん)。三条の寺町上る東側。ここのお地蔵さんは諸願成就のご利益やそうどすけど、もっとすごいのが12/23にある かぼちゃ供養。お供えしてあるおかぼさんをさすったら、どんな病気も逃げていくそうどす。
ちょっと話かわりますけど、外国のハロウィンも確かおかぼさんどしたなぁ。よう知りまへんけど、あれもなんか魔除けみたいなもんどすか? そう思たら、なんや かぼちゃてけったいな食べ物どすな。えっ、「ほんで、かぼちゃは食べられるのか」って。当たり前どすがな、矢田寺さんではその日にかぼちゃ焚きをしてくれはるそうどす。
寒い寒い京都の冬に、お大根もおかぼさんも心に浸みるあったかさどっしゃろな。
「タダで食べられるし行こか〜」てな不謹慎なお人はあきまへんえ。寒い時によばれるあったかいモンに感謝して、「あ〜、結構なもんどすな〜」てしみじみ思えた時に仏さんも「ほな、病気でも治そか〜」て、思わはんのとちがいまっしゃろか?
次回をおたのしみに、おおきに おじゃまさんどした。
 
小雁say
 
「ご利益は痛み止め              其の一 
ところは、千本今出川の交差点を北にあがったあたり。
お線香の香りがしてきたら、ゆっくり歩いて見すごさんように気つけとくれやっしゃ。
なまえは「釘抜き地蔵さん」、ほんまのなまえは「石像寺(しゃくぞうじ)」と言わはるそうどす。西陣織の職人さんの暮らさはる街の真ん真ん中に、 いろんな苦しみを抜き取ってくれはる「苦抜き(くぬき)地蔵さん」が、いつのころからか「釘抜き地蔵さん」と呼ばれはるようになったそうです。
「体に釘が刺さったたさかい抜いておくれやす」と祈願するとご利益があるそうな。
けど、うちら地のモンは「歯が痛うてたまりまへんねん」とか「腰が痛うて痛うて、なんとかなりまへんやろか」てな具合に細かいお願いになってしもて、ほんまお地蔵さんもえらいことどっしゃろなぁ。
お堂のまわりには、二本の五寸釘と釘抜きをいっしょにくくりつけためずらしい絵馬がぎょうさん納められています。ほんまめずらしい光景どっせ。
ここのお地蔵さんはえらい昔、弘法さんが唐から持ってきゃはった石を自分で彫らはったモンやとか。さすが弘法さん、なんでもお出来やすなぁ。
そうそう、痛みはケガや傷だけやのうて、人の恨みやねたみも痛みとなってわざなすこともあるそうどす。元気なお方も、なんや最近けったいやなぁとお思いのお方も、いっぺんお時間があったら行ってみておくれやす。
ほな、みなさんにええご利益がありますように。
次は「ご利益は毛が生える」でもいっときまひょか。お楽しみに!
小雁say

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