客車

編成表はこちら






古典型客車

Einheitswagen


 ニュルンベルク・トイメッセ2007においてディーラー向けに配布された古典型客車です。ABie1等・2等合造車がベースで、TEE50周年を記念して、TEEカラーに塗られています。ベース車とは異なり、2等車となっています。銀座ショールームから追加取り寄せの案内が届いたので、二つ返事で購入しました。
 時々イベント列車として走っているといいますが、車両区に停留していること自体が珍しいようです。用が無いときは特製の白箱に収められているといいます。最近では、OstVictoria frachtstationの信号所上屋に転用しようなどという奇妙な計画が持ち上がっているそうです。



 ニュルンベルク・トイメッセ2008においてディーラー向けに配布された古典型客車です。ABie1等・2等合造車がベースで、初代ラインゴルトカラーに塗られています。ベース車とは異なり、2等車となっています。銀座ショールームから届いた下記のRheinpfeil入荷案内通知に、さりげなく入荷のお知らせが付記されていました。お姉さまの術中にハマり、迷わずお買い上げ。
 時々イベント列車として走っているといいますが、車両区に停留していること自体が珍しいようです。用が無いときは特製の白箱に収められているといいます。最近では、OstVictoria frachtstationの信号所上屋に転用しようなどという奇妙な計画が持ち上がっているそうです。





旧型客車

CIWL客車

 欧州で客車運行業を行っていたCIWLが保有した客車です。Orient Expressやトラン・ブルーに代表される豪華列車とともに知られています。CIWLは客車運行から撤退し、接客業中心の事業に移行してしまいましたが、残った客車は旅行業者などに買い取られ、観光列車として運行されています。1988年には、NIOEが欧州から大陸を東進し、遠くアジアの東の果てにある日本まで走行したこともあります。そのため、古くから知られていたこともありますが、日本でも絶大な人気を誇ります。そのNIOEとして運行されていたものは、運営業者の倒産で散り散りになってしまいましたが、一部の車両が保存され、今もその姿を見ることができます。
 余談ですが、CIWLは客車の保有と運行のみを行い、機関車などの走行については、鉄道会社に委任していました。

Orient Express

<8108>
231A
荷物車
プルマン車
 
食堂車
Lx 寝台車
 
<8777>
Lx 寝台車
Lx 寝台車
Lx 寝台車
 
<8778>
サロンカー

 フランスのパリとトルコのイスタンブールとを結んだ国際列車です。二つの世界大戦の間に運休したものの、約半世紀にわたって運行されました。際立って豪華な列車で、王族や貴族の人々はこぞってこの列車に乗ったといいます。また、この列車の成功で、CIWLは欧州での地位を確固たるものにしたそうです。
 やがて航空輸送が発展するとこの列車も廃れてしまいますが、後に同じ車両を用いた観光列車、NIOEやVSOEとして復活しました。
 <8108><8777><8778>Orient Expressセットです。<8108>基本セットは荷物車、プルマン車、食堂車、寝台車の他に牽引機231Aがセットになっています。<8777>は寝台車3両がセットになっています。<8778>はサロンカーの単品です。車両は現役当時のものではなく、NIOEのものがモデルになっているようです。もともと人気がある列車なのと、絶版製品なこともあり、全般に高値で取引されているようです。特に<8778>は市場流通量が極めて少なく、機関車や特別モデル並の高値で取引されています。
 DB車両を中心に運行するつもりでいたので、当初は購入する気がなかったのですが、<8108>と<8777>とが同時に安価で競売に掛けられていたため、ついつい手を出してしまいました。このとき<8777>は競り負けてしまったのですが、後日、化粧箱が色あせてしまったものながら、さらに安価で落札することができました。残る<8778>はなかなか手が出せずにいたのですが、たまたま銀座ショールームにあった展示品を入手することができました。高価ではあったものの、一般的な市場価格に比べれば安価だったようです。
 Victoria See線(左岸旧線)を経由する国際観光列車として運行しています。専用機231Aの牽引力を補う目的で、下記のCIWL列車と併桔しています。


国際長距離急行列車

<81080>
231A
荷物車
プルマン車
 
食堂車
Lx 寝台車
Lx 寝台車

 フランス国鉄の前身の一つ、ETATが運行した列車です。CIWLの客車で構成された豪華列車です。特定の列車がモデルになっているわけではないようです。
 <81080>国際長距離急行列車セットです。荷物車、食堂車、プルマン車、寝台車2両の他に牽引機231Aがセットになっています。2008年の新製品です。Orient Expressとは客車の塗装が一部異なっています。
 社長はカタログを見て以来、Orient Expressと並べてみたいと考えていました。もっとも、予想される価格を考えると予算上問題があり、銀座ショールームから新製品入荷案内が届いた後も、購入は控えようと思っていたそうです。が、所用の合間に銀座ショールームに立ち寄ったところ、なかなかの安値で購入できると知り(というか口説き落されて?)、その場で契約してしまったそうです。
 Victoria See線(左岸旧線)を経由する国際観光列車として運行しています。上記Orient Express専用機231Aの牽引力を補う目的で、同列車と併桔しています。





Schürzenwagen

Loreley-Express


 Rheingoldと同じ区間を走った優等列車です。車両にRheingoldと同じものが使用される、当時の基幹列車でした。当初はこの列車がRheingoldを名乗っていたそうですが、UIC-X新型客車が現れるころに名を譲ってしまいます。
 銀座ショールームで牽引機としてV200.1を勧められたときに見せていただいた写真の中に、ラインゴルトと説明書きの付いた、V200が牽くこの客車がありました。濃紺の車列の中に、赤のDSG食堂車がアクセントとなっています。

<87351>
A4üe-39/52 1等車
AB4üe-38/52 1等/2等合造車
WR4üe-39 食堂車
 
WR4üe-39 食堂車(逆面)
B4üe- 39/52 2等車
B4üe- 39/52 2等車

 <87351>Loreley-Expressセットです。A4üe-39/52 1等車、AB4üe-38/52 1等/2等合造車、WR4üe-39 食堂車、B4üe- 39/52 2等車、B4üe-39/52 2等車がセットになっています。下記のTEE Rheingoldと一緒に銀座ショールームで購入しました。セットでは2等室が多めの構成ですが、時代柄、実編成は1等室のほうが多かったようです。
 1等/2等合造車を多客時増結用として、通常は4両で運行することにしています。が、今のところ一度も走行した記録がありません…。専用機V200.1も連結器を交換してしまったので、牽くに牽けない状態です。当初から一部の車両が仮設留置線(通称放置線…)上に留置(放置…)され、残りは納品時の箱の中に入りっぱなしと、放置同然になっていました。今ではめでたく全車とも箱に収められ、お蔵入りしています…。短尺の車体を生かしてVictoria See線(左岸旧線)を走る日は来るのでしょうか…???





UIC-X TEE用客車

 UIC-X規格のRheingold専用新型客車として1962年に登場しました。分割併合を行う姉妹列車のRheinpfeilにも投入されています。DBを代表する列車ということで、TEEに準じた仕様で設計されており、後にそのままTEE用として量産されました。一部の車両は改造を受けるなどしてIC化後も使用されています。


Rheingold

<87285>
Avümh111 1等個室車
ARDümh105 1等開放室・バー車
ADümh101 ドームカー
 
<87265>
WRümh131 食堂車
Avümh111 1等個室車
Apümh121 1等開放室車

組成の都合上、上記写真は品番順になっていません。ご了承ください


 登場後しばらくしてTEEとなった後のRheinglod用客車です。登場直後の濃紺で塗装された製品も過去にありました。本製品で厨房が2階建てになった食堂車が新規に用意されました。その他、各車とも車体塗装等を当時の仕様に合わせてあります。ドームカーの「RHEINGOLD」や食堂車の「TRANS EUROP EXPRESS」の表記が目を引きます。ドームカーは、展望室部分の窓が長手方向にさらに分割された初期車が本来の形態です。ドームカーは最高速度向上の妨げになることから10年程で廃止され、併設されていたバーコーナーの代わりに1等開放室・バー車が連結されたそうです。なので、同時に連結されることはなかったはずですが、セットには挿入されています。既存の食堂車の塗装を変更したイメージモデルで、本来とはかなり窓配置が異なります。
 2005年のMHIモデルで、<87265>と<87285>とで3両ずつ2箱に分けられています。<87265>はAvümh111 1等個室車、WRümh131 食堂車、Apümh121 1等開放室車が、<87285>はAvümh111 1等個室車、ADümh101 ドームカー、ARDümh105 1等開放室・バー車がセットになっています。初めて訪れた銀座ショールームで購入しました。
 通常はバー車が予備車になっており、5両編成で運行しています。ドームカーの検査入場中はバー車を使用します。稀に編成ごと検査入場し、下記のIC/EC用客車が代走する場合があります。専用機のE03が牽きます。(予備機はTEE塗装の103.1)


Rheinpfeil

<81439>
E10.12
Apümh121 1等開放室車
Avümh111 1等個室車
 
WR4üm-63 食堂車
AD4üm-63 ドームカー
Av4üm-63 1等個室車

 Rheingoldとの分割併合、付属編成の交換を行っていたRheinpfeilのセットです。Rheinglodと同等の車両を用いていました。TEEではあるものの、列車としてはドイツ国内のみの運行(付属編成はRheingoldに付いてオランダに乗り入れ)でした。早くも1970年代半ばにはICになってしまいました。
 <81439>Rheinpfeilセットです。2007年のMHIモデルで、TEE50周年記念製品でもあります。Apümh121 1等開放室車、Avümh111 1等個室車、WR4üm-63 食堂車、AD4üm-63 ドームカー、Av4üm-63 1等個室車の他、牽引機E10.12がセットになっています。UIC-X客車導入直後に塗られた濃紺のF-Zug塗装のままの車両が組み込まれています。塗装時期にあわせてドームカーや食堂車の表記がそれぞれ「DEUTSCHE BUNDESBAHN」、「DSG」となっています。銀座ショールームのお姉さまがわざわざ入荷のお知らせを届けてくださったので、その他のものとあわせて購入しました。社長はTEE列車がお気に入りではありますが、その実、このセットはTEE塗装のE10.12を目当てに買わせたとか。
 通常は個室車1両を外して4両編成で運行します。専用機のE10.12が牽きます。


IC/EC用

Avmz111 1等個室車
Apmz121 1等開放室車
WRmh132 食堂車
 
Avmz111 1等個室車
Apmz121 1等開放室車
WRmh132 食堂車
 
WRmz135 食堂車
ADmh101 ドームカー
 
WRmz135 食堂車
ADmh101 ドームカー

 TEE用として量産された車両群です。食堂車は平屋構造になりました。かつて多数が運行されていたTEEがICに編入された頃の仕様です。この時期、すでにドームカーは引退していましたが、かつてのRheingoldを編成するためか、他車に合わせたICの行先表示付きで製品化されています。また、この頃には、既に多くの車両が最高速度200km/h対応に改造され、車体裾が赤く塗られていたようです。
 <8724/8734>Avmz111 1等個室車、<8725/8735>Apmz121 1等開放室車、<8726/8736>WRmh132 食堂車、<8727/8737>WRmz135 食堂車、<8728/8738>ADmh101 ドームカーが製品化されました。<8724>〜<8728>は標準的な仕様、<8734>〜<8738>は室内灯付となっています。所属車両はいずれも中古車で、日本のディーラーから買い受けた<8737>を除き、全て海外から買い入れたものばかりです。列車運行本数がそれほど多いわけではないはずなのですが、なぜか当鉄道所属車両の中では一大勢力を誇っています。各種詰め合わせのものを集中的に買い集めたせいで、食堂車やドームカーが異常なほど多数所属しているという謎状態だったりします。
 IC、EC運用に就き、103.1や111、218が牽引します。


<S052>
WRbmz139 Quick Pick

 WRbmz139 Quick Pickは、コストのかかる従来の食堂車に替えて、簡素な飲食物を提供する新しい食堂車として1979年に製造されました。聞くところでは相当簡素なもので評判は良くなかったらしく、程なくして別の食堂形態に切り替えられてしまいました。
 Z-Club Internationalが発注したゾンダーモデル<S052>(the Z collectionコード)です。<8727>WRmz135をベースにしたカラーバリエーションのイメージモデルです。実車はUIC-X後期型(UIC-Zに似た外観)の完全新製車で、窓配置も大きく異なっています。
 主に食堂需要の少ない時間帯のICに組み込んでいます。










UIC-X 急行用客車

 1961年にUICによって策定されたUIC-X規格に準拠した客車です。Aüm203 1等車、Büm234 2等車などが1962年から製造されました。また、先行して1960年からDüm902 荷物車が、追って1965年からはTEE向け食堂車WRümh132が製造され、共に活躍しました。このほか、1等・食堂車、1等・2等車、2等・荷物車などの合造型も製造されました。今では多くが不要廃車されたり、改修を受けて別形式となっています。


初期塗装


 登場時の塗装です。コンピュータ管理化されたEp.IVの仕様で製品化されています。この頃には下記のポップカラーが登場しているのですが、塗装変更されずに運用されていた車両を模型化しています。
 <8710>Am203 1等車が1両のみ所属しています。下記のタルキス塗装車と抱き合わせで売られていたものを買い受けました。
 通常は運用に就かず、都市間連絡急行列車の増結用、IC用の予備車として待機しています。


ポップカラー

 1972年に開催されたドイツ・ミュンヘンオリンピックに際して、ドイツ各地とミュンヘンとを結んだ列車です。開催決定時に発表された虹色をモチーフにしたビジュアルコンセプトを纏った車両が特徴です。1970年に青の2等車16両が登場し、その後71年にかけて橙の1等車、赤の食堂車・寝台車、緑の荷物車など、合計146両がこの塗装となりました。塗り分けの視覚的効果により、車体が長く見えたり、近代的に見えるという利点がある反面、腰板部分が明灰色だったため、汚れが目立ってしまうという問題もありました。この塗装は概ね好評で、ポップカーと呼ばれて親しまれたのですが、登場して5年と経たない1974年にはタルキス塗装が発表され、10年ほどで全車とも塗り替えられてしまいました。なお、その後しばらくして、このポップカラーと同様のカラーコンセプトを取り入れた塗装、通称Orientrotが発表されています。
 メルクリンでは<8720>Aüm203 1等車、<8721>Büm234 2等車、<8722>Düm902 荷物車、<8723>WRümh132 食堂車を製品化しました。

オリンピック急行



<81435>
110.1
Düm902 荷物車
WRüge152 食堂車
 
Büm234 2等車
Aüm203 1等車
Büm234 2等車

 <81435>急行列車セットです。ドルトムント発ミュンヘン行D 611列車をモデルにしています。青塗装の牽引機110.1、緑のDüm902 荷物車、赤のWRüge152 食堂車、青のBüm234 2等車、橙のAüm203 1等車、緑のBüm234 2等車がセットになっています。各車ともEp.IVのコンピュータ管理化後の仕様です。機関車の塗り分けがEp.IIIのままです。橙の1等車、青の2等車、緑の荷物車はそれぞれ<8720>、<8721>、<8722>と同様のものです。食堂車は<8723>のWRümh132と異なり、スカート付の旧型車です。実際にはホロがUIC-X客車と同じものに交換されていたそうです。緑の2等車だけは製品が無かったようです。
 TEE列車ばかりが充実してその他の速達列車が疎かになりつつあったため、電気機関車の増備も兼ねて、Spur Z Room向けの割引セール品を買い受けました。
 ところで、このセットはなぜかカタログと製品とで色が異なる部分があります。カタログでは機関車は銀屋根、荷物車は灰屋根なのですが、製品になると、機関車は灰屋根、荷物車は白屋根になっているのです。どうしたことでしょう…?
 電化区間のうち、ICの運行されない区間を補う都市間連絡急行列車として運用しています。


<8723>
WRümh132 食堂車

 <8723>WRümh132 食堂車です。上記オリンピック急行の食堂車WRüge152は旧型車故に検査周期が短いため、その予備車として日本のディーラーから購入しました。


タルキス塗装

<8720>
<8721>
<8722>
Aüm203 1等車
Büm234 2等車
Düm902 荷物車

 上記ポップカラーに次いで1974年に発表されたベージュと青の2色塗り、通称タルキス(Türkis)です。未だに充実しているとは言い難い急行列車を増発するべく、日本国内で運用されていたものを買い受けました。社長がタルキスカラーの客車を揃えたかっただけとの説もありますが…。人気の塗装ゆえか中古市場に出回ることが少なく、入手に苦労しました。
 <8720>Aüm203 1等車が1両、<8721>Büm234 2等車が3両、<8722>Düm902 荷物車が2両所属しています。不思議なことに、上述のポップカラーと品番が重複しています。ある時期を境にポップカラーからタルキスに置き換えられてしまったようです。
 非電化区間を中心に、ICの運行されない区間を補う都市間連絡急行列車として運用しています。


Orientrot

デモンストレーション列車


 DBの新たなCIカラー、通称Orientrotの発表に際して、ドイツ各地で新塗装の展示を行った列車です。2種類の塗装による事前評価の上で決定されました。列車種別ごとに塗装を変えるビジュアルコンセプトが特徴です。白をベースに、窓周りに引いた濃淡2色の帯色を変えてあり、IC/ECは赤、新区分のIRは青、普通列車は緑、近郊列車は橙としています。社章や車両番号の記載位置は後の正式なものとはやや異なっています。また、この列車は完全な展示用で、営業には使用しなかったということです。なお、10年ほど後のDB/DR統合民営化に際して、新塗装Verkehrsrotが発表されています。


 <8111>デモンストレーション列車セットのBüm234 2等車です。IC/EC塗装とIR塗装との2両があります。他に牽引機111、普通列車塗装・近郊列車塗装のSilberlinge 2等車がセットになっています。
 いずれ導入するであろう新塗装の展示用として運用しています。混成編成となっていることから、そのままでの運用に難があり、今のところ旅客輸送には就いていません。社長からは、地方都市部で座席指定制快速列車などとして運用しようなどというヘンテコな案が提示されていますが…。





UIC-Z 急行用客車

 欧州各国共通規格として1970年に制定されたUIC-Z規格の客車です。鉄道車両向けの国際基金団体EUROFIMAからの借入金で製造されたものが多いことから、EUROFIMA型とも呼ばれています。EUROFIMA債権車両についてはオレンジユーロペン塗装が規定されていたのですが、DBやSNCFが勝手に自社カラーで塗装してしまい、現在では各社の塗装に移行しつつあるようです。
 DBでは、1等車をTEE塗装に準じて、2等車を往年のF-Zug(急行列車)塗装に似た色で塗装していました。最高速度は200km/hで、従来の160km/hの車両と区別するために車体裾まで腰板と同じ色で塗装されています。


DB初期塗装

<8740>
<8759>
Avmz207 1等個室車
Bpmz291 2等開放座席車

 所属するのは、<8740>Avmz207 1等個室車、<8759>Bpmz291 2等開放座席車です。メルクリンがごくわずかな期間しか製造しなかったためか、あまり市場に出回っておらず、今のところAvmz207が1両、Bpmz291が2両しか配備されていません。数を揃えてIC/ECの高速化や2等車の連結をしたいところです。
 現状は全く足りないため予備車扱いになっていて、Avmz207はIC/ECに、Bpmz291は一般急行列車にUIC-X車と混合で運用しています。Lufthansa Airport Expressが導入されてからは、その増結用という名目が与えられたようです。


Lufthansa Airport Express


 Lufthansa Airport Expressは、ルフトハンザ航空がドイツ国内短距離航空路線の効率化を図るために航空便扱いの旅客列車として運行した列車です。当初はTEE用電車として製造されたET403/404を使用していましたが、路線追加を機にUIC-Z急行用客車を改装した車両が用意され、111の牽引で運行されました。その後すぐに、2等車を追加し、牽引機を103.1に変更して高速新線経由としています。ET403/404の老朽化を理由に廃止されましたが、サービス自体は好評で、現在でもICE定期列車の一部車両を借り上げたAIRail serviceとして継続されています。

<8128>
103.1
Bpmz296 2等開放座席車
Avmz106 1等個室車
Bpmz296 2等開放座席車

 <8128>Lufthansa Airport Expressセットです。専用機103.1、Bpmz296 2等開放座席車、Avmz106 1等個室車、Bpmz296 2等開放座席車がセットになっています。メルクリンではいつものことですが、2等車はそれぞれ車番を変えてあります。中古市場にあまり出回らないうえに、高値で取引される傾向があるようで、入手には苦労しました。日本のディーラーから割と安価に入手することができました。
 現状、国内に大規模空港を設置することができないため、長距離路線を利用するためには隣国の空港へ向かわなければならないのですが、国内空港機能を強化するにも限度があることから、ルフトハンザ航空の協力による列車連絡サービスを提供することにしました。その専用車両として運用しています。
 既に<8105>空港連絡列車セットを隣国空港連絡用に導入しているので、わざわざ入手する必要はなかったのですが、社長が唐突に、航空便連絡サービスしようよ、と言い出して勝手に購入してきました。安く売り出されているのを見つけて、衝動的に買ってきたのが実情ではと言われています。





UIC-X 普通客車

Silberlinge


 DBでは、第2次世界大戦後も長らく近郊列車に戦前製の客車を車体更新して使用していました。しかし1950年代後半に入ると、車体重量が重いために増結・増発が困難なこと、最高速度に制約があることなどから、新型客車の製造が求められました。そうして作られたのがSilberlinge(Silber Coin:銀貨 Silver Fish:銀魚とする文献もあり)です。ドア配置、貫通扉などが斬新な設計の客車です。制御客車も製造され、プッシュプル運転に対応します。多くの車両が更新工事を受けて、今なお現役で走り続けています。
 製造、更新時期等によりさまざまな形態がありますが、量産車の代表的な形式が製品化されています。形式は2等車のみ番号まで記載があり、その他はアルファベットしか書いてないのですが、その部分からすると、中間車が初期量産車、制御車が電化区間対応型のようです。2等車Bnb720、1等・2等合造車ABnb703、2等・荷物・制御車BDnrzf740の3種類があります。制御室はkarlsruhe型と呼ばれる非貫通全室仕様で、電気機関車またはディーゼル機関車のいずれか一方のみ対応します。
 当鉄道では、主に普通列車用として多数を購入し、都市圏列車から長距離列車まで幅広く使用しています。
 どうも社長がこの形式を気に入っているようで、登場時の銀色をはじめ、タルキス、空港連絡列車、Orientrotデモンストレーション列車、更新車2種(City-Bahn、Mint-Green)と、時代の異なる多くのバリエーションを取り揃えています。困ったことに一般販売モデルは全部揃える気でいるらしく、残るVerkehrsrot更新車を物色しているようです。


初期車

<8716>
<8717>
Bnb720 2等車
ABnb703 1等・2等合造車

 量産車登場時の無塗装仕様です。車体は無塗装ですが、窓下に愛称の由来となる水玉模様が黒線で描き込まれています。裾の台枠部は黒に、屋根は銀色になっています。<8716>Bnb720 2等車、<8717>ABnb703 1等・2等合造車、<8718>BDnrzf740 2等・荷物・制御車があります。
 Silberlingeとしては最初期に導入したBnb720、1等・2等合造車ABnb703です。いずれもドイツで運用されていました。タルキス塗装の制御車とセットで納車されて編成を組んだことから、安定した推進運転を行うべく、一部にマグネマティックカプラーを装備します。後にタルキス塗装の中間車が納車されると編成を解かれ、多客期の増結・増発用の予備車となりました。なにぶん車齢が古く、窓や屋根裾に隙間が発生しています。運転区長は雨漏り等を起こさないか気が気でないようです。さすがに他の車両に比べて見劣りするので、初期車のみ格安運賃で乗れるとか乗れないとか。




 こちらは後に増備されたもので、<8101>近郊列車セットです。2等車Bnb720、1等・2等合造車ABnb703、2等・荷物・制御車BDnrzf740がそれぞれ1両ずつのセットになっています。牽引・推進機として、テールライトを組み込んだ特別仕様の111(詳細はこちら)が付属します。日本のディーラーから買い受けました。こちらも更新工事未施工なので、上記の予備車と組み合わせて都市間長距離普通列車に充当されることが多いようです。


タルキス塗装

<8716>
<8717>
<8718>
Bnb720 2等車
ABnb703 1等・2等合造車
BDnrzf740 2等・荷物・制御車

 タルキス塗装版です。メルクリンの製品番号は上記登場時仕様と同じになっています。お買い求めの際にはお気をつけください。制御室は明らかに塗装パターンが異なり、機関車に似た塗りわけになっています。中間車は単なる色違いで特にわかりづらいのですが、屋根がダークグレーに、水玉模様や裾がオーシャンブルーになっています。1等室の帯色もオレンジになっているようです。
 Bnb720 2等車、ABnb703 1等・2等合造車、BDnrzf740 2等・荷物・制御車を各車1両ずつの纏め売りでドイツから購入したのですが、制御車のみタルキスで、他は登場時仕様の車両でした。後にタルキスの中間車を入手して組成しなおしています。
 メルクリンは推進運転を前提として制御室側には連結器を取り付けていません。ところが、導入当時の当鉄道には推進運転に対応する機関車がおらず、技術部で牽引用ボディマウントカプラーを増設しました(
作業の様子)。少し遅れてやってきた中間車は、しばらく推進運転に適したマグネマティックカプラーへの交換が行われていませんでしたが、後にマグネマティックカプラーの性能向上試験に供されることになり、1等・2等合造車に技術部長謹製のボディマウントカプラーポケットが取り付けられました(作業の様子)。いずれも試験の結果は良好で、更なる改良(作業の様子)も続けられたのですが、やはりというか生産性は極悪でした。そのため、現在では、よりカーブに強い台車装着型カプラーに交換されています。(作例1作例2作例3)この他にもあらゆる加工で既に譲渡のしようが無いほどあちこち手が入っているためか、カプラーや電装品等の車両改造のテストベッドに選ばれることが多くなりつつあります。(室内灯の作例
 普段は電化区間の近距離普通列車に使用しています。



 こちらは後に増備されたものです。Bnb719/720 2等車、ABnb703 1等・2等合造車がそれぞれ2両ずつ、BDnf735 2等・荷物・制御車が1両の計5両です。上の車両とは製造時期が違うのか、オーシャンブルーの色味が少し異なっています。この5両でほぼ固定編成となっており、登場時仕様車とともに都市間長距離普通列車に充当されることが多いようです。


Flughafen Express


 フランクフルト国際空港と近隣の都市との間を結んだ急行列車です。空港のCIである濃淡2色の青帯を腰に巻いています。
 塗装や形式記号から、高速対応型(機関車電源使用型)が使用されていたようです。

<8105>
111
Bnrzb723 2等車
ABnrzb704 1等・2等合造車
Bnrzb723 2等車

 <8105>空港連絡列車セットで発売されました。111 電気機関車、Bnrzb723 2等車、ABnrzb704 1等・2等合造車、Bnrzb723 2等車のセットです。メルクリンではいつものことですが、2等車はそれぞれ車番を変えてあります。日本国内のディーラーから購入しました。メルクリンカプラーのまま運用中です。
 現状、国内に大規模空港を設置することができないため、航空便利用者は隣国の空港へ向かわなければならないことから、その連絡用として運行しています。最近、社長の気まぐれでLufthansa Airport Expressを運行し始めたため、この列車の存在意義が怪しくなりつつあります。
 専用機の111と共に空港急行に充当しています。


Orientrot

デモンストレーション列車


 DBの新たなCIカラー、通称Orientrotの発表に際して、ドイツ各地で新塗装の展示を行った列車です。2種類の塗装による事前評価の上で決定されました。列車種別ごとに塗装を変えるビジュアルコンセプトが特徴です。白をベースに、窓周りに引いた濃淡2色の帯色を変えてあり、IC/ECは赤、新区分のIRは青、普通列車は緑、近郊列車は橙としています。社章や車両番号の記載位置は後の正式なものとはやや異なっています。また、この列車は完全な展示用で、営業には使用しなかったということです。なお、10年ほど後のDB/DR統合民営化に際して、新塗装Verkehrsrotが発表されています。


 <8111>デモンストレーション列車セットのSilberlinge 2等車です。普通列車塗装と近郊列車塗装との2両があります。他に牽引機111、IC/EC塗装・IR塗装のBüm234 2等車がセットになっています。
 いずれ導入するであろう新塗装の展示用として運用しています。混成編成となっていることから、そのままでの運用に難があり、今のところ旅客輸送には就いていません。社長からは、地方都市部で座席指定制快速列車などとして運用しようなどというヘンテコな案が提示されていますが…。


更新車(City-Bahn)


 Köln-Gummersbach間のS-Bahnに投入するべく内装を更新した車両です。実車は1984年にSilberlinge更新工事の先行試作として登場し、牽引機となった218と共にベージュとオレンジのツートンカラーに塗り替えられました。合造車の部屋割が変化しているのが特徴です。後に更新された車両に合わせて再度模様替えし、この塗装は消滅しました。

<8107>
218
Bnrz430 2等車
ABnrz400 1等・2等合造車
Bnrdz460 2等・荷物・制御車
 
<8702>
Bnrz430 2等車

 <8107>City-Bahnセットで発売されました。218 ディーゼル機関車、Bnrz430 2等車、ABnrz400 1等・2等合造車、Bnrdz460 2等・荷物・制御車のセットです。2等車は後に同じものが単品<8702>で発売されました。それぞれ同じドイツのショップから売り出されていたので、オレンジ色の神様が降臨して…、一緒に購入しました。218が推進運転に対応しているので、制御室への連結器増設は行っていません。
 専用機の218と共に非電化区間直通の普通列車に充当しています。
 余談ですが、社長はこの更新車を勝手に"Orangelinge"と呼んでいます。塗装が変わって、もう"linge"じゃなくなっているんですけどねぇ…。


更新車(Mint-Green)

<8780>
<8781>
<8782>
Bnrzb778.3 2等車
Abnrzb772.5 1等・2等合造車
BDnrzf784.3 2等・制御車

 上記の先行更新車に対する評価を受けて内装を更新した車両です。塗装は白地に濃淡2色の緑を窓周りに引いたものが新たに用意されました。機関車やICのOrientrotカラーと共に普通列車用塗装として発表されたことから、時代的な塗装の区分としてOrientrotと呼ばれることもあります。合造車の部屋割は種車と同じものに戻っています。金型の都合で荷物室扉が残っていますが、この仕様は初期に更新されたごく少数のみのようです。多くの車両では、荷物扉を撤去して客室部分と同様に改装し、多目的区画として整備されています。折りたたみ座席を備え、車椅子乗車区画や自転車置場などとして用いることができます。幅の狭かった直後のドアも他と同じものに取り替えられました。
 <8780>Bnrzb778.3 2等車、<8781>Abnrzb772.5 1等・2等合造車、<8782>BDnrzf784.3 2等・制御車があります。ドイツのショップから3種セットで売り出されていたものを購入しました。運行前整備が済んでいないうえに、推進運転用マグネマティックカプラーの改装計画が遅れているため、まだメルクリンカプラーのままです。試験的に1等・2等合造車の機関車連結側に推進運転時の誤開放対策を施しています。運行開始前には、同様の対策を施した111と共に全車で推進運転試験に就いていました。2等・制御車は、ヘッド・テールライトLED化の試験車としてLED化改造を受けています(作例)。
 当初は都市圏快速列車に充当する予定でしたが、143の納車後に他社乗入国際列車に使用することになりました。


更新車(Verkehrsrot)

<87181>
2等・制御車

 DBAG発足後、ドイツ国内全域の車両に対する更新工事が行われることになりました。Mint-Green車と同様に金型の都合で荷物室扉が残っていますが、この仕様になってからは、全車が多目的区画として整備されたようです。
 <87161> 2等車、<87171> 1等・2等合造車、<87181> 2等・制御車があります。2等・制御車を1両保有しています。使途不明な保有品ですが、突如として2等・制御車のみカタログ落ちしたことから、社長が慌てて手配したものだとか。
 車両が揃えば同じくVerkehrsrotの111と共に都市間快速列車に充当する予定ですが、現在は短距離ピストン運転に充当しています。