ローマウント改造カプラー






開発の経緯



 久々に予算を獲得した技術部長は、ボディマウントマグネマティックカプラーを20両分購入してきたようです。早速、推進運転を行う機会の多いSilberlingeのカプラー交換に着手します。
 …。やっぱりポケットを切り取るんですか…? 出来ればせずに改造したいけど…。やっぱり台車マウントカプラーで改造しよう。
 気移りの早い技術部長でした。




試作開始


 実はこの計画、マグネマティックカプラーの改造を始めた当初から立案されていたものです。もっとも、計画だけで設計も何もしなかったので、寸法に無理があるのではないかという考えから、長らく実行されなかったのです。
 カプラー取付位置を下げるために、基部下面を切り取らなくてはなりません。基部の後部だけは、ナックル側とリップ側とで厚みが等しくなるように段差がついています。あまり切り取りすぎると、下側の後部が無くなってしまいます。
 そこで、下げる量を決めるべくナックルの上方向の突出量を測ると、0.8mmとなっていました。幸いにして、後部でも厚みが1.2mmもあったため、十分実行可能と判断しました。問題は後部が0.4mmしか残らないことでしょうか。


 まずはやってみることにします。0.8mmを正確に切り取るのは難しいので、400番の耐水ペーパーで地道に削り込むことにします。軟質樹脂製なので、きちんと削ることが出来るか心配でしたが、問題なく切削することが出来ました。もっとも、0.8mm削り込むのに30分もかかってしまいましたが…。
 続いて削りこんだ分を上側に継ぎ足します。t0.3mmとt0.5mmのプラ板を重ねてスペーサーを作ります。それを基部上面に接着してから回転軸の通る穴を開けます。面での接着だけでは強度が不足するため、真鍮線を植え込んで補助としています。プラ板は、実際には表記よりも少し厚みがあるようなので、真鍮線の処理と合わせて少し削り込み、元の基部と同じ厚みになるように調節したら完成です。


 早速組み込んでみることにします。無加工品と同様、カプラー回転軸を少し削り込むだけで装着可能です。見事、バッファの下に収まっています。動作性も悪くないようです。





 これなら、メルクリンカプラーに戻すことも出来るので、他社への売り込みもしやすいでしょう。やはりというか問題もあり、切削加工に時間がかかるのが難点です。とりあえず、標準工法として採用します。
 買ったばかりのボディマウントカプラーは…。