前頭増設用台車マウントカプラーポケット






製作開始


 ローマウントカプラーの製作が成功したため、技術部長は次の工程に移ったようです。
 今度は小物を作り始めています。

 Silberlinge用のボディマウントカプラーは一応の完成を見たのですが、運用結果があまり良くなかったため、改めて台車マウント式を検討することにしたのです。カーブ上で連結することができないという運用上の問題も解消したかったのだそうです。できれば今回も着脱自在の構造としたいようです。




基本設計



 念のため、再度カプラー周りの採寸を行います。車体側の連結器台座モールドの下への突出量が0.8mmです。ローマウントカプラーの下げ量が丁度0.8mmですので、ギリギリ収まることが分かりました。とはいえ、規定の連結面間隔とするには、カプラー回転軸が連結器台座モールド直下に位置するようになることから、カプラー固定方法を検討しなくてはなりません。薄い金属板を用いる方法を考えましたが、入手性に難があることや、薄いとはいえその分のクリアランスを確保するために厚さ0.4mmのナックル側アームを削り込まなければならないため、却下しました。ナックル側アームの後端だけは、スプリングへの接触面積確保のために厚みが増していることから、この部分を削って押さえてみることにします。スプリングとの接触部分が下に偏ったままになってしまう点については、試作の後に検討することにします。


 そういうことで、早速試作です。前頭側台車の切り取られたカプラーポケットを復元するようなパーツを製作します。寸法は既存のカプラーポケットと同様にしていますが、高さはカプラーと同様に切り詰めています。また、必要性は定かではないものの、保守を考慮した着脱式のパーツとしています。カプラー回転軸からは、カプラーを押さえる真鍮線を後方に伸ばしています。これはポケットの上下方向の固定を受け持つと共に、特に押さえのないカプラースプリングの固定も兼ねています。カプラーはこの真鍮線を通して回転軸にはめ込む方式となります。台車のカプラーポケット後端の中心には、真鍮線を受ける穴を開けておきます。車輪とポケット基部との間隔が固定爪ギリギリ分くらいしかないため、ワンタッチでとは行きませんが、接着することなしに固定されます。




カーブ通過試験



 一旦、車体と組み合わせてみます。予定通り、連結器台座と干渉しない位置に収まっています。
 集電板の圧力がかなり強いようで、実際にはかなり間隔が空いていました。


 続いて、カーブを通過させて干渉しないか確認します。平坦線においては、車体が左右に大きく傾くと、カプラーがバッファに引っかかることがあるようですが、余程のことがない限りは大丈夫そうです。カプラーが上に振れると、連結器台座モールドに引っかかる恐れがあるので、車体側にストッパーを設置する必要がありそうです。
 それから、カプラーの後ろしか押さえていないため、上に振れてしまうことも判明しています。これは前方の空きスペースに押さえ枠を取り付ける必要がありそうです。





 まだカプラー押さえの取り付けが済んでいないので、以下続きます。