桜の季節には行楽客が押し寄せる吉野山は、 蔵王堂や吉水神社などのある尾根の上がメインですが、 山の谷間にある吉野温泉元湯付近は観光客があまり通らないため 静けさを保っている場所です。
近鉄吉野駅から中千本へと向かう道をそれ、谷間の1本道を ずっと奥へ進んでいくと、目指す吉野温泉元湯が見えてきます。 玄関から中を見渡すと、落ち着いた雰囲気の宿であることが見てとれます。
浴室はこじんまりした家族風呂的なもので、お湯は薄く褐色を帯びており、 コップが置いてあるので飲んでみると、鉄分と炭酸を感じます。 建物のわりに浴室が新しめなのは好みがわかれるかもしれませんが、 周囲の風情と吉野をめぐる様々な歴史に思いをはせるにはよい場所でしょう。