1.ISO9001とは

 ISO規格で初めてマネジメントシステムの規格化を行ったのがこのISO9001です。              
 顧客が安心して購入できる保証として、その企業(組織)の品質マネジメントシステムを
第3者機関(審査機関)がISO9001規格に基づき審査し認証、公表するものです。 
 つまり、ISO9001は顧客のための規格といえます。
 しかし、このシステムを構築する企業(組織)にとっても体質改善、顧客への信頼度UP等、
大きなメリットがあります。
2. ISO9001規格制定の背景
 品質保証という考えは、アメリカの軍需産業によって生まれてきており、日本に於いてもQC,
TQC,TQMと品質管理(保証)が進められてきた事は、ご承知のことと思います。

 国際間の取引が拡大するに従い、品質を保証するマネジメントシステムの国際標準化が必要と
なりISOに品質保証分野に於ける専門委員会TC176が設置されISO9001の制定となります。


3. ISO9001制定の流れ
@ 1976年:ISOにTC176が設置され検討に入る。
A 1986年:ISO8402制定(用語の定義)
B 1987年:ISO9001,9002,9003,9004が制定
C 1991年:JISZ9900s制定(国家規格)
D 1994年:ISO8402改訂
E 1994年:ISO9000s改訂
F 1994年:JISZ9911sが制定(国家規格)
G 1998年:JISZ9901,9902,9903が改訂(国家規格)
H 2000年12月15日:ISO9001改訂(ISO9002,9003が無くなる)
I 2000年12月20日:JIS Q 9001制定(JISZ9901,9902,9903は3年間併存)
J 2003年12月19日:JISZ9901,9902,9903が廃止となり自動的に効力がなくなりました。
K 2008年12月:JISQ9001:2008 追補改正版 発行

L 2015年11月20日:JISQ9001:2015 改正版発行(ISO9001:2015は2015年9月15日発行)
4. 最近のISO9001の動向
 すでに、ヨーロッパを含め輸出に関しての必要性は言うまでもなく、国内に於いても国交省をはじめとして公共事業の入札条件に認証登録が必要なケースも出てきています。 
このような営業上の必要性以外に社内の体質改善を目的として認証取得する企業が増えてきております。 
 
 しかし、費用がかかるものであり将来を含めて取得に関しては検討が必要です。 
 建設業の取得増加により、格段に取得企業が増えましたが本来の目的である体質改善に
繋がっているかは疑問符ですし資格取得が目的になっている企業も見られます。

 それを営業ツールにして拡大している外資系の審査機関とコンサルタント会社もあります。
残念なことです。

 そんな中でも、たとえば、長野県の従業員9名の畳製造業者、京都の幼稚園、栃木県の従業員6名の石材業者等は体質改善と顧客へのサービス向上を目指してのものでISOマネジメントシステムの導入により効果を発揮している企業も少なくはないのです。 

しかしながら、最近では認証を返上する会社も出てきています。
要するに、取得だけを目的とした会社がメリットが無いと言うことでしょう。
取得のメリットは、組織の活用の仕方で決まるものでありメリットが無いというのは
そのような活用を組織が行わなかったことを現しています。


5. ISO9001規格(2008年版)の概要
この要求事項はすべての業種に適用できるように考えられているため、抽象的で解釈が困難な部分が多い理由となっています。
 しかし、1994年版は製造業を主眼に作成されたことで他業種への展開が難しい部分がありましたが、
2000年版は細かな要求事項が少なくなっており全業種への展開がしやすくなっています。
さらに2000年版での問題点を見直したのが2008年版となります。
2008年版は改訂ではなく追補改正であり、2000年版の要求事項に対して基本的に変更がありません。間違った或いは勘違いした解釈が多かった事の見直しも実施されています。


4   品質マネジメントシステム
4.1 一般要求事項
4.2 文書化に関する要求事項

5   経営者の責任
5.1 経営者のコミットメント
5.2 顧客重視
5.3 品質方針
5.4 計画
5.5 責任・権限及びコミュニケーション
5.6 マネジメントレビュー

6   資源の運用管理
6.1 資源の提供
6.2 人的資源
6.3 インフラストラクチャー
6.4 作業環境
7   製品実現
7.1 製品実現の計画
7.2 顧客関連のプロセス
7.3 設計・開発
7.4 購買

7.5 製造及びサービス提供
7.6 監視機器及び測定機器の管理

8   測定、分析及び改善
8.1 一般
8.2 監視及び測定
8.3 不適合製品の管理
8.4 データの分析
8.5
 改善
 

 この規格の内容を理解することが第一歩です。
(御安心下さい。確実に理解できます。)
全体的に何を言おうとしているのかを理解することです。
失敗するのは、個々の要求事項を拡大解釈してコンサルタントの押し付けもあり自分達の組織で必要の
ない大きなシステムを作り上げそれに縛られてしまうことです。                                                                   
 実際には、ほとんどの企業で実際に実施していることが要求事項となっており、自組織のシステムを
どのようにISO9001のシステムに沿って、まとめることができるかが重要です。
                              
そして自組織にないシステムのみ新たに構築すればよいのです。
この方法がシステム構築のポイントになるでしょう。