『都市計画の挑戦』−新しい公共性を求めて−
  編著者 蓑原 敬 (学芸出版社、2000.11.15)

この書物に関する読後感を簡単にまとめます。感じたままをそのまま記録しておきます(順不同)。
 (既に読まれた方もこれを期に読もうと思われ読んだ方も、相互の
  意見交換が出来ればと思います。ご意見頂ければ幸いです。)


1.「これほどスーット理解できた都市計画に関する書物は初めてであ る。しかも机上論ではないので、身震いを感じる。(現場発である)
2.自分の「まちづくり」に関するこれからの取り組み方向を定めるにあ たっての指南書となりそうである。
3.実態と今後のあるべき姿が明確にかつ具体的に記述されており、ある種整理がついていなかった部分につき明確な解答を提供してくれた。
4.3部構成となっている。
 1部は地方自治体の都市計画の実態
 2部は基盤の再構築としての都市計画
 3部は新しい都市計画の構想
                という構成になっている。

5.「公」というものを大きく捉えている。
「市民」、民主主義の観点からの都市計画の挑戦が必然であることを説き明かしている。
これを「市民社会」の都市計画という表現を採っている。
一方もう一つの大きな潮流を「市場経済」の都市計画と表現している。
6.「(都市)計画というものの本質に関わる生態的、文化的価値の復権と定立という命題がある」(p268) との記述は、小生の「まちづくりと情報化」での見方と全く同様の認識である。

小生の認識に担保を与えてくれる一節である。

★文化的価値を公共価値として認めることの重要性を指摘し、新たな都市計画の地平を提言している。

7.旧大陸のモデルと新大陸のモデルに論及し日本という固有性の理解とグローバルな趨勢とは別の位相の判断が適切に行われるような現実的な議論が必要である。「日本土人の都市計画」が必要であると締められている

これも小生の都市国家(ポリス)感覚が間違っていなかったと思わせる
締めになっており心強く感じられた。 
すなわち日本は空間的にも歴史的にも旧大陸型モデルに近い、新大陸のモデルを無反省に追随していることに対する鋭い批判を展開している。

 本日のところは以上です。折りに触れまた感じるところの発展及び自らの気づきがあれば記載していきたい。(2001.02.19)

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